レーザー
(laser)
「light amplification by stimulated emission of radiation」の頭字語(とうじご、acronym、アクロニム)。直訳すると「誘導放出による光増幅放射」。レーザー光は自然の光ではなくレーザー発振装置によって作られる。一般的な光(太陽光などの自然光や、蛍光灯などの人工光)は多くの波長(色)を含んでいるが、レーザーは特定の1つの波長を増幅する(単色)。指向性と収束性に優れ、高いコヒーレンス(可干渉性)があるため、様々な用途に応用されている。
赤い光が出るレーザーポインターなどが良く知られているように、「レーザー」はすでに一般的な日本語となっている。可視光だけでなく、それより短波長の紫外線、X線、長波長の赤外線のような光を出すレーザー装置もある。ミリ波より長波長のレーザーはメーザーと呼ばれる。
代表的な用途として、出力の大きいものは金属などを切断する加工装置になる。レーザー光が人の目に照射すると危険な場合があり、「危険」と書かれた黄色い警告ラベルが貼られている。レーダーのような探査や、望遠鏡にも使われる。公共の基幹通信網である光ファイバ通信システムにも使われている。つまり、高出力の加工装置から、通信用まであり、一口にレーザーといっても使い方によって市場がまったく異なる。
計測器としては、光通信測定器の光源の中に、レーザー光源がある。レーザー距離計はレーザーを使った距離の測定器だが、ゴルフ用に距離を知るためのレーザー距離計も販売されている(こちらは計測器というよりゴルフ関連商品である)。
日本語の表記は「レーザー」と「レーザ」の2つがあり、各企業や団体によってどちらかが使われている。外来語のカタカナ表記の指針(文部省)に従えば、「レーザ」が妥当だが、「レーザ○○」ではなく「レーザー○○」という表記が一般的に多く使われている(以下の参考用語など)。
例:
・一般社団法人 レーザー学会:(LSJ:The Laser Society of Japan) 1973年設立。「レーザ」でなく「レーザー」である。毎年4月に開催されるOPIE (OPTICS PHOTONICS International Exhibition)の構成展示会「レーザーEXPO」を主催。
・レーザ協会:(The Japan Society of Laser Technology) レーザ加工装置の普及のために1972年設立。こちらは「レーザー」ではなく「レーザ」。展示会は、Photonix(フォトニックス、光・レーザー技術展、主催:RX Japan株)、InterOpto※(インターオプト、光とレーザーの科学技術フェア、主催:オプトロニクス社)に協賛。
※ 光測定器は、1980年代にはInterOptoに多くの計測器メーカが出展していたので、年配のレーザー関連技術者には馴染みのある展示会である。オプトロニクス社が1981年に創刊した月刊OPTRONICSは、多くの光(レーザー)関係の技術者に購読されている。
・日本鍛圧機械工業会:1948年設立。レーザ加工機の規格を策定。「レーザー」でなく「レーザ」。レーザ加工機なので、レーザ協会と表記を合わせたと推測。
このように学会とレーザ加工機の協会で表記が異なっている。メーカ各社の表記も統一されていない。筆者は「レーザ」より「レーザー」の方がやや多いと感じる。
参考用語
参考記事
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光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第1回)
光ファイバ通信システムの構成図がある。
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会員専用【展示会レポート】OPIE 2024(レーザーEXPO、光と画像のセンサ&イメージングEXPO)
santec(LCOS-SML)、ケイエルブイ(ハイパースペクトルカメラ)、アンリツ(OFDR)
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会員専用【展示会レポート】OPIE’19(レーザーEXPO)Part1 計測器
富士フィルム、日置電機(RGBレーザ測定器:照度タイプ、輝度タイプ、光パワーメータ)、シナジーオプトシステムズ(光ビーム計測)
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会員専用【展示会レポート】第18回光・レーザー技術展(Photonix - フォトニクス)
古河電工(マルチモードファイバレーザ―)、キヤノンプレシジョン(光学式エンコーダ)、東京インスツルメンツ(蛍光光度分光計)