計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

詳細説明

ネットワーク負荷試験機

読み方:

ねっとわーくふかしけんき

カテゴリー:

#IP関連測定器

(network performance tester/IP network traffic generator)
通信回線(ネットワーク)の機器(交換機やルータ、サーバなど)に大量の情報を送る(大量のトラフィックを流す)ことを負荷試験という。一般に計測器で負荷試験というと、高い電圧を印加して耐久性を試験する耐電圧試験(耐圧試験、高電圧試験)もあるので、通信の負荷試験の場合はIP負荷試験装置やネットワーク負荷試験機など、頭に通信であることを追記する(通信の負荷試験でも、単に負荷試験機と呼称している場合もある)。
インターネットが普及した2000年頃にネットワーク負荷試験機の代名詞であるSmartBits(スマートビット、略称:スマビ)をつくった米国スパイレント(SPIRENT Communications Inc、販売は東陽テクニカ)は、現在はホワイトハッカーを率いるセキュリティ会社だが、計測器ではSpirent TestCenter(テストセンター)が現役である。名称は「ネットワーク・パフォーマンステスタ―」や「トラフックジェネレータ」などで、製品カタログのサブタイトルは「次世代IP負荷/擬似エミュレータ」である。つまり、トラフック(情報、情報量)の発生器(ジェネレータ)で、ネットワーク装置やネットワーク全体のスループット/遅延/ジッタなどを測定して性能・処理能力(パフォーマンス)を評価し、大量のネットワーク装置を擬似できて(エミュレータ)、次世代のIPなどの広い通信規格に対応している、といっている。東陽テクニカのホームページには「負荷試験」ということばは出てこないが、まさにネットワーク負荷試験機である。
負荷試験を英訳するとload testである。loadでは英語としては通じない。ここでいう負荷を掛ける、というのは日本語であって、英語では「traffic generator」や「performance tester」のように、トラフィックやパフォーマンスと表記しているので、東陽テクニカも負荷試験と表現していないと推測される。また、ネットワーク機器や回線の代わりをするエミュレータで、擬似ネットワーク機器(及びネットワーク)なので、「擬似エミュレータ」という表現もしているが、これは品名ではない。交換機に負荷を掛けて(多くの電話機からの発信・着信などの呼を与えて)性能を評価したり、回線にトラフィックを流す計測器をコールシミュレータ(呼をシミュレーションするもの)というが、電話機ではなくインターネット時代のシミュレータがネットワーク負荷試験機(ネットワーク・パフォーマンステスタ、トラフィック・ジェネレータ)といえる。
通信計測器の雄、アンリツのIPネットワークアナライザ MD1231A1は、「IPネットワーク負荷試験機能とモニタリング機能を一体化したポータブルIP測定器。小型・軽量で、ネットワーク敷設/保守での性能試験やモニタリングに最適」とうたっていた(すでに製造中止)。後継のデータ クオリティ アナライザ MD1230Bの特長は「・10Mbit/s~10Gbit/sまでのイーサネットインタフェースに対応、・1台あたり最大60ポートまでのポート拡張性(10/100/1000 M)、・フルワイヤレートのトラフィック発生と、ネットワークのリアルタイムモニタリング」である。これらの特長はSpirentのTestCenterの競合品であることが明白である。TestCenterと同様に品名には「負荷試験」はない(ネットワークアナライザ、データ・クオリティ・アナライザ、つまりネットワーク解析器、データ品質アナライザである)。

余談だが、計測器(測定器)は機ではなく器なので、負荷試験機ではなく負荷試験器が適切だが、ほとんどの計測器メーカの品名は負荷試験器でなく負荷試験機である(理由は不明)。試験器の場合もあるので、負荷試験装置と表現すると無難だが、多くのメーカに倣い「負荷試験機」という表記を採用した。

参考用語
計測器情報
プレミアム会員様限定限定クーポンを手に入れよう !