シングルエンド
データの伝送方式には大きくシングルエンドと差動がある。信号線が1本で、グランドとの電位差によって信号を伝送しているのがシングルエンド。single-ended signalling(最後まで1本で伝送する方式)が語源と推測される。2本の信号線を使い、1本にはプラスの信号を、もう1本にはマイナスの信号を送り、差分で1か0を表現する「差動(ディファレンシャル、differential)」がある。シングルエンド方式は電線が1本で簡易だがノイズの影響を受けやすく、長距離、高速通信には向かない。オシロスコープなどではシングルエンドと呼ばれるが、有線通信の分野では不平衡とも呼ばれる。2本での伝送は平衡と呼んでいる(1本には伝送したい信号を、もう1本にはその信号の逆位相信号を送ると、信号が平衡関係にあるため)。たとえばRS-232Cは不平衡。シングルエンド(single end)=不平衡(unbalance)で、両方は全く同じことを違う表現をしている。シングルエンドは、「ある電圧を基準として、それより電圧が高いか低いかで1と0を表現する」伝送方式とも説明されている。「(2本の)差動」と「シングル(1本で)エンド(最後まで伝送)」という表現がシングルエンドと差動の語源である。見方を変えると「(2本の線が)平衡(している)」、「(1本なので平衡していない、つまり)不平衡」という表現になる。