シリアル通信
(serial communication)
データを送受信するための伝送路(信号線)を1本(または2本。TxとRx)使用して、データを1ビットずつ送受信する通信方式。少ない信号線で接続するため、構造がパラレル通信より簡易で、線材や装置のコストが抑えられる点がメリット。規格の代表例はRS-232C、RS-422A、RS-485などのEIA(Electronic Industries Association:米国電子工業会)が策定した通信規格がある。
現在のシリアル通信には低速のI2C(アイスクウェアシー)から、LVDS、PCI Express、USB、Ethernet(イーサネット)、HDMIなどの高速シリアル通信まで多くの規格がある。技術の進歩によって伝送速度が速くなり、複数本の信号線(パラレル通信)でなく1本の通信線でも十分に高速な伝送が可能になったことが背景にある。パラレル通信方式は複数本の通信線が必要なので高価だが、昔はそうしないとデータをたくさん送ることができなかった。伝送速度を速くするより、通信線を複数本にすることで、全体としての伝送速度を速くしていた。
CPUなどのデータバスはパラレル通信だが、2つのバスをつなぐとき、パラレルからシリアルに変換して高速シリアル通信して、受信側でシリアルからパラレルに戻す、SerDes(サーデス)やシリアライザと呼ぶ手法がある。このようなインタフェース変換の手法が使えるのも、シリアル通信が高速にできるようになったためである。
serialは「連続」、「一続き」、「順次」という意味。