計測関連用語集

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詳細説明

光絶縁プローブ

読み方:

ひかりぜつえんぷろーぶ

カテゴリー:

#オシロスコープ

オシロスコープ(オシロ)のプローブの1種。DUTの近くに置いたセンサ/プローブヘッドと、オシロスコープ近くに置いたコントローラ部を光ファイバで伝送するプローブ。
テクトロニクスのA6906シリーズは長年デファクトであったが製造中止になった。海外のHBK(※)社が光伝送をデジタルで行う製品を発売したがA6906より帯域が低かった。岩崎通信機は光ファイバを使ったアイソレーション・システムをつくったが、オシロと一体となった装置(PCで制御する箱で画面は無い)で、一般のオシロスコープに入力することはできない(つまりプローブではない)。
そんな中、テクトロニクスは2016年に(旧モデルが周波数帯域100 MHzだったのに対して)1 GHzに性能アップした新製品の光アイソレーションプローブを発売した(伝送方式はアナログ)。2020年にはラインアップは12機種まで増えた。レクロイにもテクトロニクスと同じような外観・寸法の製品がある。岩崎通信機には(前述とは違う)光アイソレーションプローブがあるが、外観がテクトロ、レクロイとは異なる。
光絶縁プローブは高電圧差動プローブと同様の目的で作られたプローブだが、高電圧差動プローブに比べてCMRR(同相信号除去比)の仕様が優れているので、コモンモード電圧が印加された信号の正確な波形観測ができる。製品の構造が複雑なため、価格は高電圧差動プローブに比べて高額になる。ノイズが多い工場内でオシロスコープの測定に使用されている例がある。機器の電気信号が高速になると、光絶縁プローブの周波数帯域が高くないと、オシロスコープで正確な波形測定ができないが、テクトロニクスの現役モデルの仕様は現状のニーズに対応しているといえる。
メーカによっては「光アイソレーションプローブ」を品名にしている。岩崎通信機の光絶縁プローブの現役モデル名は「アイソレーション ・プローブ SE-6000シリーズ」である(品名には「光」は無い)。

(※)トルク計測などで有名なHBM(HOTTINGER BALDWIN MESSTECHNIK)は光アイソレーション製品をラインアップしている。HBMは同じスペクトリス社参加のB&K(音・振動計測のブリュエル・ケアー)と合併し、2020年にHBK社(正確には、スペクトリス社のホッティンガー・ブリュエル・ケアー事業部) となった。

参考記事:【イベントレポート】テクトロニクス イノベーション・フォーラム2018 Part1の2ページ目・・光絶縁プローブを取材。
計測器情報:「光絶縁」が品名に付く製品例

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