計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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詳細説明

ブランド

読み方:

ぶらんど

カテゴリー:

#その他

(brand)
ブランドとは銘柄や品種のことだが、計測器のブランドについてTEXIOとGW Instekを例に説明する。1はテクシオ・テクノロジー、2はGoodwillの説明である。

1.オシロスコープ直流電源の老舗計測器メーカであるケンウッド(旧トリオ)は1996年に計測器事業を分社化してケンウッドティー・エム・アイを設立した。紆余曲折を経て、同社は社名変更し、2012年に株式会社テクシオ・テクノロジーとなり、ブランド名はTEXIOである。TRIO(トリオ)やKENWOOD(ケンウッド)もオーディオ機器や計測器の老舗ブランドだったが、計測器の現在のブランド名はTEXIOである。

2.GW Instekは台湾のGood Will Instrument Co.,Ltd(通称、Goodwill、グッドウィル)の計測器ブランドである。日本では2006年に日本法人の株式会社インステック・ジャパンが設立されて販売をしてきたが、(Goodwillの資本が入り傘下となった)テクシオ・テクノロジーが2014年1月1日に日本法人のインステック ジャパンを吸収した。以降、日本での「GW Instekブランドのオシロスコープ、スペクトラムアナライザ、直流電源、マルチメータなどの販売・修理・校正の事業」はテクシオ・テクノロジーが継続している(同社ホームページより)。
旧ケンウッドの計測器を継承したTEXIOブランドのメーカ名(つまり会社名)はテクシオ・テクノロジーである。Goodwill(メーカ名・会社名)の計測器のブランドはGW Instekである。このようにメーカ名(会社名)とブランドは似ているが同じではない。このように計測器メーカが自社製品にブランド名を付けているケースがまれにある。

オーディオ製品にはパナソニック株式会社のテクニクス(Technics)、三菱電機株式会社のダイヤトーン(Diatone)など、会社名とは異なるブランド名がある。商品に付ける通称(形名品名とは違う愛称)のように、商品群に会社名に似たブランド名をつける計測器メーカもあり、(会社名よりもブランド名が流通していて)会社名と混同されることもある。微差圧計で有名な山本電機製作所は製品名にマノスターと付けている(マノスターゲージWO81、マノスターデジタルセンサQDP33など)。マノスターは(愛称やシリーズ名ではなく)ブランドと自称している。

3.海外メーカがM&Aした場合の例を述べる。マノメータ圧力発生器Druck(ドラック)社と、超音波流量計膜厚計Panametrics(パナメトリックス)社はGE(General Electric)に買収されて、会社名はGEセンシング(現Baker Hughes、ベーカーヒューズ)になった。会社名だったDruckやPanametricsは圧力や流量の測定器として名が通っていて、現在も知られているため、Baker Hughesの営業は名刺にDruckやPanametricsのロゴを印刷している。このケースは会社名が(会社は無くなったが)ブランドになって残った例といえる。

形名や品名と通称やシリーズ名が紛らわしいように、会社名とブランドも混同されやすい。山本電機製作所のケースは、微差圧計という機種群(製品カテゴリ―)に愛称をつけたので、横河計測DLシリーズのような通称だと思うが、メーカはブランドと称している(計測器では同様の例はあまりない)。

参考用語
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