ISO 9001
ISO(国際標準化機構)が規定した、商品やサービスの品質向上を目的とした品質マネジメントシステムISO9000シリーズのなかで要求事項を規定しているのがISO 9001で、品質マネジメントシステム監査の基準となる。
計測器の品質管理(技術基盤)である校正についてISO 9001に規定があり、校正作業を行っている機関(〇〇会社の××標準室など)の能力を認定する基準として使われる。認定マークは校正の品質が国際的に認められた証明となる。ISO 9001の認定は、校正機関が認定範囲を決めて監査を行うことで取得できる。校正機関はそのメーカが「製品実現に関わる、品質維持・改善に必要な測定機器の管理の仕組みができていること」を監査する。
ISO 9001では以下の3つの書類がある。
・試験成績書:校正結果の値(データ)と単位を記載したもの。通常は合否判定(良や不良)が記載される(記載は必須ではない)。別名:データシート。
・校正証明書:校正結果が国家標準にトレーサブルであることを、校正した事業者(責任者)が宣言する文書。
・トレーサビリティ証明書:校正された機器が国家標準/国際標準までトレース(追跡) できることを体系化/図式化したもの。別名:トレーサビリティ体系図。
IEO/IEC 17025による不確かさ付校正が普及し((ISO 17025校正と呼称)、ISO 9001は「一般校正」と呼ばれるようになった。ISO 17025校正では上記3種の書類の役割(情報)が1つに集約され、それを校正証明書と称している。ISO 9001(一般校正)とISO 17025(不確かさ付校正)では書類の種類や記載内容が異なるので注意がいる。