計測関連用語集

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詳細説明

ENA/PNA

読み方:

いーえぬえーぴーえぬえー

カテゴリー:

#信号発生器(通信) #スペクトラムアナライザ #ネットワークアナライザ

(E series Network Analyzer / P series Network Analyzer)
キーサイト・テクノロジーネットワークアナライザ(ネットアナ)の通称(愛称)。同社の高周波の製品群は性能によって下からC、E、M、P、U、Vなどの呼称(シリーズ名)があり、モデル番号(形名)よりもこの特別の呼称で呼ばれることが多い。RFの製品群であるネットアナはENAとPNAの2シリーズだが、SG(信号発生器)は下からEXG、MXG、UXG、VXG、SA(スペクトラムアナライザ)はCXA、EXA、MXA、PXA、UXAがある(2020/6月現在)。
同社の社内では「UはUltra」などの意味があるが、社外には公開されないので実態は不明瞭である。周波数を基準に下から上に命名しているように思われるが、別の命名法則があるのかもしれない。同社社員でも全員がその基準を知らない、謎の通称である(どの部署がつくっているかもわからない)。同社は元々、数字4文字(または5文字)を主体とした形名体系だったが、1990年頃から頭にアルファベット大文字を1文字付けた形名が登場する。E4xxx(xは数字)などのSGやSAである。
2000年代になると上記のようなシリーズ通称が登場する。ネットアナのE5070B/E5071Bは2007年10月に販売終了し、後継器は「E5080Aシリーズ ENA」と記録されている。つまりE5070Aは2007年以前にENAという呼称でリリースされたと推測される。2007年は同社の会社名はアジレント・テクノロジーである。N9010A EXA シグナルアナライザ(スペアナ)は2007年9月に発売されている。2009年9月にはN9030A PXAシリーズが発売され、2016年2月にN9030Bにエンハーンス(AからBにアップグレード)されている。ESAやPSAといわず、EXA、PXAという2文字がXになっている理由は不明である。ネットアナのENAやPNAも後発モデルにENA-XやPNA-Xという名称が2020年代に登場しているので、このXには同社の並々ならぬ意思が込められていると思われる。数学では未知数をXと書くので、特別(スペシャル)な意味をこのXに込めているのかもしれない。
SGもESGではなくEXGである。前述のように1990年代に「E44xxB ESGシリーズRF信号発生器」などでESGなる名称をすでに使用していたために、EXGになったと筆者は推測している。同時期に発売のE4407B も「ESA-Eスペクトラムアナライザ」が品名だった。SGとSAは1990年代にESGやESAなる呼称を使用済みなので、2000年代に登場する新しい名称はEXGやEXAになったと思われる。E4407Bは販売終了し、N9010B EXAとN9000B CXAが後継器として同社HPに掲載されている(2025年12月)。

キーサイト・テクノロジーは2005年に発売した54855A(周波数帯域6GHz)で、高速オシロスコープ(高速デジタルの規格試験用のアナライザ)というジャンルを提案し、以降、海外の主要オシロスコープメーカが競って数十GHz帯域の広帯域オシロスコープを開発した。同社の「情報まとめサイト」にはHigh Performance Oscilloscope(リアルタイムオシロスコープInfiniiumシリーズ、OS:Windows)として、下位から順番に以下の5モデルを掲載している(2025年12月)。シリーズ名に注目してほしい。E、M、S、V、Uの順番になっている。
・EXRシリーズ:2020年11月発売、500MHz~6GHz、4/8ch(同社初の多チャンネルオシロスコープ)、形名EXR108A:1GHz、8ch
・MXR Bシリーズ:2020年5月(B:2023年9月)発売、500MHz~6GHz、RTSA機能あり、形名MXR254B:2.5GHz、4ch
・Sシリーズ:2020年6月発売、500MHz~8GHz、10ビット(高分解能オシロスコープ)、形名DSOS104A :1GHz/4chのDSOモデル、MSOS604A:6GHzのMSOモデル
・Vシリーズ:2015年3月発売、8GHz~33GHzの超広帯域モデル。形名DSOV084A:8GHzのDSOモデル、MSOV164A:16GHzのMSOモデル、DSAV334A:33GHzのアナライザモデル(DSAオシロスコープ)
・UXR Bシリーズ:2018年7月(B:2024年4月)発売、5GHz~110GHz、形名UXR1104A:110GHz、4ch(世界最高速の超広帯域モデル)

〇XRという名称と単にSやVという名称が混在しているが、ネットアナなどのRF製品の命名法則に準じたシリーズ名になっている。ただし、〇XRがそのまま形名になっているし、SやVシリーズはDSOやMSOが形名になっている。つまり、シリーズと形名の命名法則がネットアナなどとは微妙に異なる。似ているのに同じではない、という気持ちが悪い命名である。キーサイトの形名を愛するファンは「場当たり的ではなく、統一感のある形名にオシロをしてほしい」と感じていないだろうか。2024年9月発売の低ノイズ/高分解能モデルの名称はHD3である。HDは高分解能モデル(HDO)を表すことがオシロスコープ各社の暗黙の形名法則になっているが、HD3とは大胆な命名である。今後HD4の発売が予感されるが、ファンを失望させない一回限りの(場当たりの)形名でないことを筆者は祈っている。

下図(左)はネットアナのポートフォリオ(MWE 2025の同社ブース 展示パネルから抜粋)、右図はKeysight World 2025に出展されたENA-X。

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