試験成績書
(calibration data sheet)
計測器の校正(試験)を行った結果(測定値)を記録した書類。記載される項目はメーカ名、形名(計測器のモデル名、型名、型式)、品名(計測器の名称)、製造番号、試験年月日、温湿度、校正者、承認者、判定結果、使用した標準器など。別名、「成績書」や「校正データシート」、「データシート」とも呼ばれ、校正した証拠(エビデンスの資料)として標準室(校正室)に保管される。
通常は試験を行った際の測定値と合否判定(良否)が記載されるが、最近は不確かさという概念が普及して、良否ではなく「不確かさの数値」が記載される場合が増えている。校正(や場合によっては不確かさ)の知識がないと試験成績書を読む(内容を理解する)ことは難しい。そもそも、計測器の技術的な支柱となっている(品質管理の手法でもある)校正は、知識のある特定の技術者にしか運用できない専門分野である(その技術レベルによって校正事業者はメシを食っている)。
校正関連の書類には他に、校正証明書やトレーサビリティ証明書があり、日本ではこの3種類が「校正書類3点セット」といわれる(海外ではトレーサビリティ証明書はなくて、日本独自の書類である)。
ISO 9001(一般校正)では試験成績書に測定値や合否が記載されるが、不確かさによる校正(ISO/IEC 17025)では書類は校正証明書に集約されている。
メーカによって試験成績書ではなく、別の名称のこともある。計測器などの機器のユーザは、何が記載されている書類を入手したいかをメーカに伝えて、希望に合致する書類をそのメーカが作成できるのか、確認することが肝要である。