組込みシステム
(embedded system)
組込みソフトウェアを含めた組込みシステム技術全般を指す言葉。組込みシステムとは、電子機器などに組込まれ、その機器特有の機能を実現するコンピュータシステムを指す。今や炊飯器から携帯電話まで身近にあるあらゆる電子機器にはマイクロプロセッサ(MPU/CPU)とそれを動かすソフトウェアが組込まれている。炊飯器ならご飯を炊く、携帯電話なら無線通信を行う、という「特定の機能を制御・実行するコンピュータシステム」が組込まれている。電子機器を動かしているこれらハードウェア(マイコン)とソフトウェア(プログラム言語)を総称して「組み込みシステム」やembedded(エンベデッド)と呼ぶ。組込みシステムの開発・試験をするツールがマイコン開発支援装置(In Circuit Emurator:ICE、アイス)やデバッガと呼ばれた計測器群だった。
advice(アドバイス)の愛称で一世を風靡したICEメーカの横河デジタルコンピュータは、現在は横河電機とは資本関係が無いが(現会社名:DTSインサイト)、顧客への定期DMには今も「組込みメールニュース」というタイトルのものがある(2021年10月)。ICE市場は2000年頃に比べたら激減して多くの国産ICEは撤退してしまったが、今でも「組込み(embedded)」は計測(ICEなどのエミュレータ関連)の用語として健在である。
1980年代にはICEのNo.1メーカだった国産ベンチャー企業の株式会社ソフィアシステムズは今では株式会社Sohwa&Sophia Technologiesで、ICEは主力製品ではないが、「Embeddedシステム関連を中心とした最新情報のメルマガ」を定期配信している(2021年12月)。