浮遊容量
(stray capacitance、stray capacity)
電子部品のコンデンサなどの静電容量(キャパシタ)は2つの導体間の電荷である。そのため、機器内で近接する2枚の金属があると、その間には静電容量が発生する。この静電容量は設計では意図しない成分で、浮遊容量(または寄生容量)と呼ばれる。わざわざコンデンサなどの電子部品によって回路上に静電容量をつくるわけではなく、不要なキャパシタ成分である。
電子部品のリード線や、接続ケーブルにも浮遊容量があり、交流信号を扱うときは周波数によっては、意図しない浮遊容量が影響して、測定が正しくできない場合がある。たとえばLCRメータやネットワークアナライザで、DUTまでの2本の接続ケーブルが平行して並んでいると、2本のケーブルの間にはキャパシタが発生する。これは測定の邪魔になる意図しない静電容量、つまり浮遊容量である。