分布定数回路
(distributed constant circuit)
回路素子の物理的寸法がその回路で対象とする信号の波長に対して無視できず、インダクタ(コイルL)、キャパシタ(静電容量C)、抵抗(R、G)を独立した回路素子として取り扱うことができない回路。分布定数回路では、伝送線路上における基本構成として下図のような等価回路が単位長あたりに存在するとして取り扱う。
集中定数なのか分布定数なのかは、その線路を伝わる信号の変化の速さ(立ち上がり/立ち下がり時間)で決まるので、画一的な数値でその境界線は示しにくい。一般的には高周波になると分布定数で評価している。目安としては、信号の周波数がGHz(おおよそマイクロ波)以上なら分布定数回路で、未満だと集中定数回路の事が多い(あくまで目安)。ネットワークアナライザは高周波でインピーダンスを測定するが、分布定数回路なためSパラメータで回路の特性を規定している。LCRメータやインピーダンスアナライザなどの回路素子測定器
は集中定数回路のL、C、Rを測定し、等価回路で表示している。