トリマ
(trimmer)
電子部品の半固定抵抗器や半固定コンデンサをトリマ(またはトリマー)と呼称する。通常、形状は正方形で、プリント基板側に接続する端子(リード線)は3本あり、上面にはプラス(またはマイナス)ドライバで抵抗値(またはキャパシタの値、静電容量)を可変できる溝(つまみ)がある。トリマの抵抗値(または静電容量)は決まっている(固定)が、その値を微調整できる。部品のばらつきの調整や、回路の微調整が必要な箇所に使われ、調整が終わったら固定され、使用中に可変することは無い。そのため可変(たとえば可変抵抗器)と言わずに半固定と呼んでいる。トリマのことを「微調整用可変素子」と説明している例もある。
英語のtrimはととのえる/調整するの意味。trimmerは調整する物(整える/調整する、はarrnge/adjustで、trimとの違いは不明だが、動物の毛を刈りそろえる職業である犬・猫の美容師はトリマーと呼ばれている。この場合トリマーは「整頓する/手入れする人」の意味である)。半固定抵抗器は「トリミング抵抗器」、「トリマポテンショメータ」、「トリミングポテンショ」などとも呼ばれ、「抵抗」より「トリマ」や「トリミング」という表現が良く使われている。半固定コンデンサも別名トリマコンデンサと呼ばれる。
オシロスコープのパッシブプローブの使用前調整(容量の補正)に使われている電子部品も、まさにトリマである。この場合は決められた一定値で固定されるのではなく、ある範囲で可変可能にしておく可変コンデンサであるが、トリマと呼称されることが多い。