皮相電力
(apparent power)
電圧と電流を掛けた値のこと。電源が供給できる最大電力(容量)を示していて、力率
を加味した「実際に使用(消費)される電力(どれだけ電気を消費して仕事をするか。機械を動かすために使われるエネルギ。)」ではない。計測用電源の出力の仕様には皮相電力が記載されている。皮相電力とは表向きの電力で、実際に仕事をする電力は有効電力という。皮相電力の単位はボルトアンペアで記号[VA]で表す。有効電力の単位は[W](読み方:ワット)。
皮相電力の語源は、英語のapparent powerの翻訳。apparent(外見上の、見かけの)を皮相(表面、うわべ)という熟語にした。電源から供給される全電力(有効+無効)のうち、表面上に現れる「見かけの電力」を意味する。「皮相」は真相や本質ではなくうわべの意味。交流回路で電圧の実効値 Vと電流の実効値 Iを単に掛け合わせたものは、力率(実際に負荷が消費する割合)を考慮しない「表面上の値」、「見かけ上の電力」という意味である。有効電力(皮相電力 x 力率)は負荷が実際に消費する電力で、電気料金の計算に使用される。ただし、皮相電力よりも有効電力が重要ということでは決してない。2者はそれぞれ適切に使い分けられている。
負荷である電気機器(洗濯機や冷蔵庫)は消費電力(有効電力、単位[W]ワット)を仕様に記載しているが、電力を供給する電源、UPS、発電機は(負荷の力率には関係なく)最大供給能力(容量)の皮相電力(単位[VA]ブイエー)を出力の仕様に記載している。
皮相電力と有効電力の定義は上記の通りであり、誰でも理解できるが、実際にどう使うのかは難しい。VAとWは違う単位だが、力率は無次元の単なる数値(0~1)なので、VAとWのディメンジョンは等しい。単位は違うが次元は同じ、というのが曲者である。また、皮相電力と有効電力は位相差があるので単純に足し算ができない。
「安定化電源の出力は電力(W)ではなく容量(単位VA)で記載されている。VAは電圧と電流の積で、電力である」という範囲で理解しておくのが初心者には無難である。「VAは皮相電力だが、皮相とは何か?」などとは考えずに、VA(ボルト x アンペア)が示されている」ということ以上は考察しないことを初心者にはお勧めする。
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