メモリレコーダ
(memory recorder)
測定したアナログ値をサンプリングし、デジタルデータでメモリに記録する、現在の計測用レコーダの主流の機種群(カテゴリー)の名称。計測器がアナログからデジタルに進化し、技術革新によって半導体メモリが安価になったことで、オシロスコープがデジタルオシロスコープになったように、レコーダ(記録計)もメモリを備えたデジタル式になった。
以前は「メモリオシログラフ」という呼び方をするメーカもあったが、日置電機のメモリハイコーダなど、メモリレコーダの呼称が一般的。デジタル化によってオシロスコープはデジタルオシロスコープ(DSO)と呼称されるようになったが、レコーダはデジタルレコーダではなく「メモリレコーダ」と呼ばれている。すでに「デジタルデータレコーダ」があり、似た名称を避けたのかもしれない。デジタルかメモリか統一されていると初心者にはわかりやすいが、そのような配慮は現実的には行われない。
メモリレコーダとDSOの基本構造は同じだが用途(アプリケーション)が違うので、測定できる信号の周波数(速度)やサンプリングレート、時間分解能などの仕様(レンジ)が全く異なる。
従来、レコーダ(記録計)はその名の通り「紙に印字して残す(記録する)」もので、ペンレコーダやチャートレコーダなどの、紙に印刷することが大前提のモデルが多かったが、PCなどの情報機器の進歩でペーパーレス(印刷機能がない)モデルが増えた。ただしオシロスコープほどペーパーレス化は進まず、メモリハイコーダやオムニエース(エー・アンド・デイ、旧三栄測器)はオプションなどで印刷機能を残している。生産終了したがグラフテックのサーマルアレイコーダも印刷機能を持っていた。特にオムニエースは一貫して印字機能があることを最大の特長としている。同モデルの用途の1つに鉄道の走行試験があり、リアルタイムの印刷が必須である。発電所や鉄道などの用途ではデータレコーダや、紙に記録して残す需要がいまだに根強くある(※1)。
(※1)FA(工場の自動化)やPA(プロセス・オートメーション)分野ではレコーダの主流はペーパーレスである。生産現場の温度や流量、圧力などはセンサからネットワークを介してデジタルデータで送られて監視・制御を行う。計装(工業計器)としてのレコーダはセンサの位置付けのため、スタンドアロンで印刷機能を持っている必要がない。計装の会社である横河電機はペーパーレスのネットワーク接続型レコーダ(DAQ)を数多くラインアップしている。横河のレコーダというと計装用途の横河電機製品と、計測用途(メモリレコーダ)の横河計測製品の2つがある。そのため「横河の記録計」というとどちらをイメージするかはユーザ次第である。
現在の計測器としての記録計は、レコーダの主力機種群のメモリレコーダとデータ集録機器のデータロガーがある。メモリレコーダとデータロガーやオシロスコープの違いはTechEyesOnlineの関連記事が詳しい。





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