ヘルスケア
(health care)
和訳すると「健康管理」。医師や薬が関係するので、それらを含む、医療・医用分野の機器やサービスを広く「ヘルスケア」事業といわれる。IPS細胞や遺伝子解明などの医療の進化と、日本人の長寿命化によって、医療分野は有望な成長市場となっている。そのため、医療・医用機器分野の事業部門を「ヘルスケア」と称する企業が増えた。
家電や精密機器メーカは、従来の電気機器だけでなくヘルスケア分野に進出している。たとえば欧米の家電各社(フィリップス、シーメンス、GEヘルスケアなど)はヘルスケア事業部門がある。日本でもパナソニックや日立製作所、キヤノンなどのヘルスケア事業は柱の1つである。
ヘルスケア分野で使われる計測器としては、たとえば病院などで使われる医療機器の絶縁抵抗試験をする測定器などがある。計測用電源で有名な菊水電子工業は安全関連試験機器も主力製品群で、絶縁抵抗試験機、アース導通試験機、リンケージカレントテスタ(漏れ電流試験器)などのTOSシリーズをラインアップしている(※)。クランプやメモリハイコーダで有名な日置電機も電気安全規格に注力し、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、保護導通試験に対応するモデルを増やしている。2010年代から、電気安全規格(法令)が改訂されるタイミングでセミナーを開催し、改訂された規格に対応する測定器を発売している。
(※) 同社の品名は「試験機」だが、一般的に計測器は「試験器」(械ではなく器)が多い。
科学分析機器の代表である液クロ、ガスクロ(混合物を分離・検出して定量・定性分析を行うクロマトグラフィー装置)は広くヘルスケア(医療・製薬・食品など)の研究開発には必須の分析装置である。
一般財団法人日本ヘルスケア協会のホームページでは、ヘルスケアについて定義している。