計測関連用語集

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詳細説明

ココム

読み方:

ここむ

カテゴリー:

#規格

Co-ordinating Committee Control for Export to Communist Areaのはじめの二語の略。翻訳すると「対共産圏輸出統制(調整)委員会」がだ、ココム(またはCOCOM)と呼称されていた。社会主義諸国に対する資本主義諸国からの、戦略物資・技術の輸出を統制するために1949年に設けられた協定機関。アイルランドを除く北大西洋条約機構(NATO、ナトー)加盟国と日本、オーストラリアの合計17国が加入。ソ連崩壊により1994年に解体。
簡単に解説すると、戦後(第二次世界大戦以降)の東西冷戦(西側:米国を中心とする自由主義・資本主義陣営と東側:ソ連を中心とした共産主義・社会主義の計画経済の国々の対立)の時代に、西側の国の先端技術(軍事技術)を東側に流出させないためにつくられた、西側陣営の協定。計測器は高周波部品などを使っているため、周波数などの仕様がココム規定に抵触して中国やベトナムなどに輸出ができないことが良くあった。
1980年頃の計測器メーカには輸出審査部のような部署が必ずあり、海外からの引き合いには、仕向け地(輸出先の国)によってココムリストがあり、製品の仕様で該当する項目をすべてチェックした書類を官庁(当時は通産省か)に提出して認可を得た。ココムに違反すると大変なことになった。たとえば東芝系列の大型工作機メーカの東芝機械株式会社はプラスチック射出成型機で国内2位の優良企業だったが、1988年のソ連向けNC旋盤輸出がココム違反に問われ,3年間の対米輸出禁止制裁を受けた(東芝機械事件といわれ、当時は大きなニュースになった)。これを教訓に、第三国経由の共産圏への輸出(輸出先は共産国でない国だが、この国を経由して最終的には共産国に納品される)などが警戒され、ココムに抵触する仕様の製品は(共産圏以外でも)輸出はしないと決めて、製品カタログに「国内専用・輸出不可」のマークを印刷して自己規制する計測器メーカもあった。

ソ連崩壊によってココムは無くなったが、戦後の米国の中国に対する無知によって、中国は一党独裁の共産主義を維持したまま経済大国となり、米国を脅かす軍事大国になった。2017年にトランプ大統領が明確に中国の脅威を発信し、やっと米国は中国への方針を転換したが時すでに遅く、5Gではファーウエーの後塵を拝し、共産国家からのサイバー攻撃(最先端技術)に米国を含む先進資本主義国は晒されている。北朝鮮のミサイルや核は日本の資金と技術力の流出が大きく貢献しているとされる。現在も日本からの流出は止まったということは無い。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を機に米国やEUが経済制裁を開始したが、ココムのような効果は出せていない。中国を筆頭にした共産国への新たな輸出規制の協定など、より一層の強化、効果のある世界的な対応が求められている。

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