計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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デジタル圧力計(でじたるあつりょくけい)

(dijital pressure gauge) デジタル表示の圧力計。メータ(針)によるアナログ表示ではなく、数値をデジタル表示する圧力計。 別名:デジタルマノメータ。圧力計とマノメータは全く同じではないが、ほぼ同義に使われている。

デジタルAVR(でじたるえーぶいあーる)

AVR(Automatic Voltage Regulator)は自動電圧調整装置のこと。交流電源も、入力電圧が変動しても安定した出力電圧のためにAVRと呼ばれる。計測用電源メーカにはAVRという品名の製品がある。代表的な計測用電源メーカの高砂製作所の用語解説には次のようにある。デジタルAVR:負荷ラインの電圧ドロップをセンシング端で補正し、正確な電圧を供給する。補正動作はDSPによる1サイクルごとに実行され、実効値を安定化するように動作する。

デジタルオシロスコープ(でじたるおしろすこーぷ)

(digital oscilloscope) オシロスコープ(オシロ)は電気信号の波形を映し出し、周波数や電圧を観測する測定器。デジタルオシロは測定したアナログ信号をサンプリングしてデジタル値に変換して表示する。測定データはデジタル値でメモリに記録されるため、デジタルオシロ以前のオシロ(アナログオシロスコープ)と区別してこう呼んだが、現在のオシロはほぼすべてデジタルオシロとなったため、あえてデジタルオシロとはいわないことが多い。通常は内部メモリに保存した後で画面に表示している。1度しかない単発信号の測定が可能(サンプリングオシロスコープは単発信号は測定できない)。ストレージ(メモリに保存)することから「デジタルストレージオシロスコープ」という表現もあるが、これも現在では(あたりまえなので)あまり使われない。ただしその略称のDSOはオシロの形名に大変良く使用されている。略称:デジタルオシロ。 参考記事:デジタルオシロスコープの基礎と概要(第1回)。 「歴史の長いオシロスコープ」の章で、アナログからデジタルへの歴史について解説がある。 参考用語:シンクロスコープ、汎用オシロスコープ、MSO 計測器情報:デジタルオシロスコープの製品例(広帯域モデルを除く)

デジタル温湿度計(でじたるおんしつどけい)

温度や湿度を電気信号に変換し、さらに測定値をデジタル表示する機器。

デジタル温度計(でじたるおんどけい)

温度を電気信号に変換し、さらに測定値をデジタル表示する機器。

デジタル化(でじたるか)

オシロスコープの用語としては以下。デジタルオシロスコープでA/Dコンバータによる処理のこと。水平システムで時間を個々のポイントに区切って信号のサンプルを取り、各ポイントにおける電圧をサンプル・ポイントと呼ばれるデジタル値に変換すること。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

デジタル回転計(でじたるかいてんけい)

回転数を電気信号に変換し、さらに測定値をデジタル表示する機器。 回転計は回転数を測定する。表示がデジタルな回転計がデジタル回転計だが、代表的な計測器メーカの小野測器では、センサ(回転の検出器)からの信号を受けて表示するだけの単機能から、PCと通信して、良否判定結果(コンパレータ出力)を警報機や生産ラインの機器に送る多機能型まである。同社の製品ページでは「回転・速度」/「デジタル回転計・関連機器」/「回転 演算表示器」にデジタル回転計やFVコンバータが掲載されている。各種のセンサ(回転検出器)と回転計は組み合わせて使用されるため、ローラエンコーダからの信号を受けるデジタル回転計もある。品名が同じデジタル回転計でも機能や仕様が異なり、アプリケーションによって複数のモデルをラインアップしている。

デジタルケーブルアナライザ(でじたるけーぶるあならいざ)

LANに使用するケーブルの性能を試験する測定器。LANケーブルメータの別名。参考用語:ケーブルテスタ

デジタルコミュニケーションアナライザ(でじたるこみゅにけーしょんあならいざ)

(digital communication analyzer) 光の波形を解析する測定器。キーサイト・テクノロジーのモデル86100シリーズや83480Aの名称(品名)。同社は略記のDCAを大変良く使っていた。86100Aの最新形名は86100Dだが販売終了・サポート中である(2021/2月現在)。実体はサンプリングオシロスコープだが、通信インフラである基幹通信網の有線部分が光通信で拡張されていた時代(1980〜2000年頃)には、アイパターン評価の用途で使われ、「光オシロ」などと呼称された。 同社は2000年代初期までは世界No1の光測定器メーカだったので、オシロスコープでなく光測定器の分類にDCAを掲載していた。そこで(冒頭に説明した)「光の波形解析器」だった。ただし、同社は現在、光測定器はOPM(光パワーメータ)などの一部の機種群だけでラインアップは少ない。現在はオシロスコープの中のサンプリングオシロスコープとして掲載している。特長も「電気/光/TDR測定用」と記載されている。そのため、現在では「キーサイト・テクノロジーのサンプリングオシロの名称」という説明が妥当である。同社ホームページには「86100A Infiniium DCA 広帯域オシロスコープ」、「83480A ディジタル・コミュニケーション・アナライザ」という表記もみかける。 余談だが「デジタルコミュニケーションアナライザ」という品名からはオシロスコープは想像しにくい。命名の理由は定かではないが、オシロスコープではなく「通信用の解析器」と主張したかったと推定する。同様にプロトコルアナライザで国内No1メーカであった安藤電気はプロトコルアナライザ(プロアナ)ではなく「データコミュニケーションアナライザ」が品名だった。これも同じくプロアナだとはわかりにくい命名だが「データ通信の解析器」という意味を込めたと思われる。このように計測器の名前(各社の品名)は、素人には大変わかりにくい。品名からカテゴリー(機種群)を特定したり、何を測定するのか(仕様)を想定することはむずかしいことが多い。計測器はニッチな(わかる人達の村社会の)商品なので、初心者にはわかりにくい。一般のサラリーマンは(仕事で関係しないなら)誰も好んで関わりたくはない分野である(事業者として計測器に愛着を持っている人達を除けば)。

デジタル時間計(でじたるじかんけい)

保護リレーの動作時間や復帰時間を測定する機器。

デジタル信号(でじたるしんごう)

値が連続的に変化するのではなく、離散的な値しかない信号。現在の多くの計測器にはマイクロプロセッサ(MPU)が搭載され、デジタル信号処理が普通に行われている。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「デジタル信号:電圧サンプルを離散2進数で表した信号。」と説明されている。

デジタル信号発生器(でじたるしんごうはっせいき)

デジタル変調した信号を発生できる信号発生器。携帯電話の通信方式がアナログからデジタル化された1980年代に、機種が増え、RF測定器のメーカから多くのモデルが発売された。通信で使われる変調方式の進化とともに、その需要に対応するモデルが発売されている。メーカとしては世界的にも、キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツが3大RF計測器メーカといえる。携帯電話に3Gが導入された当時に通信測定器に参入したアドバンテストや横河電機も、限られた機種群をラインアップしていたが現在はすべて生産終了(撤退)している。AWGなどの信号発生器のラインアップがあるテクトロニクス社の技術資料には「デジタル波形ジェネレータ:デジタル・パターンを出力する信号発生器の一種で、ロジック信号発生器とも呼ばれる」という用語解説がある。「デジタル波形ジェネレータ」という表現は他社ではほとんど見られない。また「ロジック信号発生器」というと、本稿で説明しているデジタル変調信号を出力できるモデルではない。であるから、テクトロニクス社の「デジタル波形ジェネレータ」は「デジタル信号発生器」とよく似た単語だが、別の用語である。

デジタルストレージオシロスコープ(でじたるすとれーじおしろすこーぷ)

(digital storage oscilloscope) 半導体メモリに波形を記憶させることができるデジタルオシロスコープ。現在はほぼすべてのオシロスコープがこの機能を持ったので、この呼び方は以前より少なくなったが、現在もデジタルオシロスコープのことをデジタルストレージオシロスコープと呼称することは多い。略記であるDSOはオシロスコープの形名に大変良く使われている。

デジタルデータレコーダ(でじたるでーたれこーだ)

データレコーダの従来の記録メデイアであるテープではなく、SDやSSDなどのデジタルメモリに記録するタイプのデータレコーダ。 まだテープが現存していた時代にデータレコーダのメーカはテープも含めて各種の記録媒体を試した(たとえばMOなど)。テープは早晩、ディスクなどの媒体に変わることを、ティアック、ソニーというテープを使った機器(オーディオや情報機器)のメーカは知っていた。データレコーダの2大メーカは計測器専業メーカではなく、ティアックとソニーマニファクチャリングという、テープレコーダやテープの関連メーカである。ただしIT機器の進歩は早く、記憶媒体はどんどん変わり、古い媒体は生産中止となり、計測器のような足の長い製品の記録媒体には向くものがない。特にデータレコーダは現場(屋外)で長時間記録するため、HDDは信頼性が無く、ソニーマニファクチャリングはテープ(やHDD)のモデルSIR-1000/3000シリーズを生産中止にしてデータレコーダから撤退した。 ティアックはSDを使ったデジタルデータレコーダのLXシリーズ(LX-10、LX-100、LX-1000)をほとんど最後に残ったデータレコーダとしてつづけた。SSDなど(HDDより信頼性が高い大容量記録媒体)の安価な普及に伴い、テープ式のデータレコーダの廃止から10年近いブランクをおいてティアックはデータレコーダの新製品 WX-7000シリーズを2012年に発売した。 振動計や騒音計などの環境計測メーカのリオンは、振動・騒音計測のフロントエンドとしてDA-21データレコーダをラインアップしている(SDに記録するデジタルデータレコーダ)。これを除けば、現役のデータレコーダはティアックのデジタルデータレコーダLXシリーズとWX-7000シリーズのみといえる。 参考用語:DATデータレコーダ、VHSデータレコーダ

デジタル電圧計(でじたるでんあつけい)

(digital volt meter) 現在ではデジタルマルチメータ(DMM)などほとんどの電圧計がデジタルだが、1960年頃まではアナログ式(指針型)がほとんどだった。そのため、アナログ式と区別してデジタル電圧計と呼んだ。 現在、デジタル電圧計というと、立方体の箱に7セグメントLEDなどの表示が並んだパネルメータを指していることが多い。オムロンや渡辺電機工業などの制御機器や電力機器、計装(工業計器)メーカが「デジタルパネルメータ」などの名称で販売している。電圧は通常はアナログの連続値なので、ADコンバータでデジタル値にして表示している。ADコンバータの分解能(ビット数)によって、電圧表示の精度が決まる。 デジタル式の電圧表示が増えてはいるが、アナログ式(指針型)の指示計器は、見た瞬間におおよその値(傾向)を把握できる利点がある。そのため、制御盤や受変電機器、中央制御室の計器などにいまだに多く採用されている。計測器としての電圧計はデジタルが主流だが、計器としての電圧計(メータ)はアナログが主流ともいえる。

デジタル電圧電流位相差計(でじたるでんあつでんりゅういそうさけい)

電力系統監視/記録の機器をつくる株式会社近計システムの3相のデジタルパワーメータPHAシリーズ(PHA-100/200)の品名。電力機器として使われる保護リレーの試験に使われる特殊なデジタルパワーメータ。同社は海外メーカのメガー社の保護リレー試験器を代理店として販売していた。PHAシリーズの同等品としては、保護リレー試験器の代表的なメーカであるエヌエフ回路設計ブロックの2721パワーマルチメータがある。保護リレー試験器は電力、位相、時間などを測定できるが高額なため、このような測定器が併用される。デンソクテクノのDPF-300位相・周波数計やMCS-5000時間計などの単機能のモデルも同様に保護リレーの関連測定器群である。PHAシリーズも2721も品名が「デジタルパワーメータ」ではないため、「ベースはデジタルパワーメータで、3相、位相測定の機能があるモデル」であることがわかりにくい。PHAシリーズと2721が同等品であることや保護リレー試験関連製品であることも素人にはわかりにくい。計測器情報:PHAシリーズ、2721

デジタル電力計(でじたるでんりょくけい)

電力を電気信号に変換し、さらに測定値をデジタル表示する機器。 デジタルパワーメータの別名。

デジタルトランスミッションアナライザ(でじたるとらんすみっしょんあならいざ)

(digital transmission analyzer) 安藤電気 のAP-9850の品名。日本語にすると「デジタル伝送アナライザ」。NTTなどの特定の通信装置の性能評価をする測定器。エラーレート測定機能があるが、いわゆるBERT(バート)ではない。2000年12月27日に販売終了している。安藤電気とアンリツは、NTTが新しい通信装置をつくると、それを試験・検査する伝送/交換装置用測定器をつくった(電電ファミリー)。デジタルトランスミッションアナライザもその代表である。 アンリツに「データトランスミッションアナライザMD6420A」があり、似た品名だが全く違う測定器。こちらは「データ伝送アナライザ」。

デジタル波形ジェネレータ(でじたるはけいじぇねれーた)

パターンジェネレータのこと。デジタル・パターンを出力する信号発生器の一種で、ロジック信号発生器とも呼ばれる(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。ただし同社以外では、パターンジェネレータやパルスジェネレータと呼んでいる場合が多い。

デジタルパワーメータ(でじたるぱわーめーた)

低周波の電力計の現在の主力機種の名称。別名:デジタル電力計、パワーアナライザ、パワーハイテスタ(日置電機)、パワーマルチメータ(エヌエフ回路設計ブロック)、または単に「パワーメータ」など。 計測器で電力を測定する機種群(カテゴリー)には3つある。一番代表的な機種がデジタルパワーメータである。1.デジタルパワーメータは商用周波数(50/60Hz)から100kHz程度の低周波の電力をデジタル表示する(たとえば横河計測のWT5000は0.1Hz~1MHzに対応)。センサ直結型とクランプ入力型の2種類があり、前者は横河計測、後者は日置電機が得意だったが、最近は両方が可能なモデルが増え、メーカによる堺がなくなりつつある。従来、デジタルパワーメータは横河電機(現横河計測)の主力機種群で、世界中に輸出している(横河計測のパワーメータは世界に販売することを主眼にマーケティングして製品開発している)。そのため、標準室向けの高精度のフラグシップモデルから可搬型の安価なモデルまでラインアップし、機種更新を続けている同社の看板製品である。日置電機はクランプが得意なため、クランプ電流計やクランプ電力計をラインアップし、現場測定用の低周波の電力計測(デジタルパワーメータ)でシェアが高い。両社は済み分けていたが、最近は競合するモデルが増えている。日置電機はスタンドアロンの高精度モデルに注力しているが横河計測もクランプを他社とジョイントいてクランプ入力式を増やしている。 2.高周波(RF)を測定する高周波電力計。スタンドアロン型でデジタル表示のモデルが主流。レーザーなどの光の電力を測定するものは、光パワーメータと呼び、電力計とはいわれない。3.指針型のアナログ表示のモデル(指示計器)を「電力計」と呼ぶ。ただし1のデジタルパワーメータを単に「電力計」と記載している資料もあるので注意。