ラントパルス
(runt pulse)
デジタル回路は1(H:High、ハイ)と0(L:Low、ロー)の2値でテータを表現する。HとLの具体的な値(電圧のことが多い)は規格やシステムによって異なるが、LからHに状態が変化するときに、Lのしきい値(スレッショルド)から増加したが、Hと認識されるレベルに到達せずに、元のLレベルに落ちてしまう不良パルスを(正の)ラントパルスと呼ぶ。runtは小人やチビなどの意味(不良パルスなので、小人の侮蔑的な表現)。HからLに推移するときにも発生する(負のラントバルス、と呼ぶ)。
ラントパルスは、電子回路のフリップフロップが準安定時や、スイッチングのタイミングで発生する非同期パルスである。LやHという状態を示すという、本来の役目を果たさないため、誤動作の原因となるので、グリッチ同様にデバッグの対象となる。
電気技術者が普段使いで使用するミドルクラスのオシロスコープ(MHz帯域)のほとんどのモデルにはラントパルスを検出(捕捉)するためのラントトリガという機能が標準装備されている。ラントトリガを最小パルス幅200ps(ピコセック)で設定できるモデルもある。つまり、デジタル回路で動作している電子機器は、発生頻度は大変少ないが、不定期にラントパルスが発生し、予期せぬ誤動作が起こるもので、ラントパルスの撲滅(回路の改良による機器の品質向上)のために、オシロスコープのラントトリガ機能は有効なツールである。
ラントパルスは、「信号が回路内の2つの別々の経路をたどると遅延が起こり、その後再結合するとグリッチとなり、競合状態の結果として発生する」という解説もある。

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