計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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サーモパイル(さーもぱいる)

(thermopile)熱エネルギーを電気エネルギーに変換する電気部品。複数の熱電対(thermocouple)を直並列に接続した構成でつくられている。日本語で「熱電堆(ねつでんたい)」と表記するが、サーモパイルはもはや日本語である。pileは「山」や「重なり」という意味。熱電対(thermocouple)を複数使って、性能を高めたというのが語源と推測される。 温度差や、温度勾配に比例した電圧を出力する。また、赤外線センサでもある。用途は、耳で体温を測定する温度計や熱流量計に使われている。サーモパイルを使った日射計もあり、熱電式と呼ばれている。 「サーモパイルアレイを使った、小型の、サーモグラフィ用モジュール(赤外線センサのモジュール)」なる製品が販売されている。これを使えば人や物を検知する監視カメラシステムや、人体などの表面体温計測(サーマルカメラ)を容易につくることが可能である。

サーモビュア(さーもびゅあ)

(Thermo Viewer) 物体表面の温度分布を非接触で測定する温度計。サーモグラフィの別名。「Thermo(温度)をView(見える状態)にer(するもの)」という意味。「温度のチノー」を標榜している株式会社チノーは温度の計測・制御で定評があり、多くの温度計測製品をラインアップしている。非接触温度計の校正ができる国内唯一のJCSS事業者でもある。 2020年に新型コロナウイルスの蔓延に際し、体表面温度監視装置を発売した。製品の通称はThermoview(サーモヴュー)という。なので、「サーモヴュー」というと「チノーのサーモグラフィ(熱画像計測装置)の通称」である。 参考用語:放射温度計、サーマルカメラ 参考記事:トレーサブルな体表面温度測定~チノーThermoview赤外線サーモグラフィカメラ

Termoview(さーもびゅー)

チノーのサーモグラフィ(熱画像計測装置)で、体表面温度測定モデルの通称。同社はサーモグラフィCPA-L4シリーズをベースにした体表面温度測定に特化した専用機種Thermoview CPA-L25TVを、新型コロナウイルスが蔓延する2020年4月に発売した。カタカナ表記は「サーモヴュー」である。「Thermo Viewer( さーもびゅあ)」だと、一般的にサーモグラフィ(2次元の温度分布を色で表示する、非接触の温度測定器)の別称である。

最小検知温度差(さいしょうけんちおんどさ)

非接触温度計のサーモグラフィー(熱画像計測器)で、検知し得る被写体の最小温度差。映像信号中に含まれる雑音電圧を、等価的に温度差に換算した数値で表す。表記の例:0.1℃ at 30℃。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

再生可能エネルギー(さいせいかのうえねるぎー)

(renewable energy) CO2のような温室効果ガスを排出しない、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどによる発電のこと。略して「再生エネ」、「再エネ」などと表記される。「いくら消費しても再生されて枯渇しない、自然由来のエネルギー」という意味。 発電所の電源構成は、従来は発電所の種類である「火力、水力、原子力」の発電量の比率で明記されてきた。近年、これに再生エネが加わった。欧州の大国の例で示そう。ドイツは脱原発で太陽光や風力の発電比率が高い。逆に国際的な原子力発電所で有名な会社であるアレバが国有企業のフランスは原発の比率が高い。欧州は全体としては再生可能エネルギーが導入され、ゼロエミッションが進んでいるが、国によって電源構成が大きく異なる。日本も2012年7月に固定価格買取制度(改正FIT 法)が施行されて、太陽光発電の導入が進んだが、電源構成の比率ではまだ少ない。2020年8月に成立した菅政権は、ゼロエミッションを推進する方針で、再生可能エネルギーとして洋上風力発電の導入を推進する政策を12月に策定している。 2020年の方針転換が日本ではあったが、2022年2月に起きたロシアのウクライナ侵攻で、世界中のエネルギー政策は一変した。上記のドイツはロシアからのガスパイプラインに電力発電を依存することに危機を感じ、廃止予定の火力発電所の中止を表明した。欧州や米国は原子力発電の新規導入に政策転換している。日本もLNGを高いお金で輸入して電力を賄っているが、不安定な発電システムである再生可能エネルギーは原発などの安定した発電所と共存する必要があり、2011年の東日本大震災以降、凍結されている原発の再稼働や新設が、(原子力反対というスローガンではなく)現実的なエネルギー安全保障として議論されることが期待される。

最大入力電圧(さいだいにゅうりょくでんあつ)

オシロスコープの入力端子に入力できる電圧の最大値を最大入力電圧と言う。この電圧値以上の電圧を入力すると誤動作するだけでなく入力回路を破損する場合がある。最大入力電圧には、周波数特性があり、高い周波数成分では、最大入力電圧値が低くなる。最大入力電圧は、下図のようにDC+ACpeakで規定する。

最大入力電力(さいだいにゅうりょくでんりょく)

一般に計測器に入力可能な電力のこと。計測用電源の老舗メーカ、高砂製作所の用語集では次のように解説している。電源機器の最大定格出力時における入力電圧と入力電流の積をいう。

最大入力レベル(さいだいにゅうりょくれべる)

規定された設定条件でスペクトラムアナライザの入力回路の破損が生じない最大許容レベル。

サイトマスタ(さいとますた)

基地局の建設・保守時に、アンテナ給電線のVSWR・リターンロスの測定や電気長の測定、障害位置 の探索を行うフィールド用ケーブル・アンテナ・アナライザ。主にアンリツ製品を指すことが多い。

サイバー攻撃(さいばーこうげき)

ネットワークを経由した、コンピュータへの攻撃。ネットワークが発達し、個々のコンピュータがつながり、企業の大事なデータが電子化されたことで、ネットワーク経由で企業の情報を盗むなどの犯罪が起きるようになった。ウイルスなどを使った攻撃は日々進化して、防御する側とのいたちごっこが続いている。計測器の技術商社である東洋テクニカは、情報通信システムソリューション部がセキュリティ関連製品を取り扱ってきたが、2016年11月にはじめての社内カンパニー“セキュリティー&ラボカンパニー(SLC)”を設立した。クラウドを使ったセキュリティーサービスの提供を推進している。インターネットの黎明〜普及期にIP負荷試験器、SmartBit(スマートビット)で名をはせたSpilent(スパイレント)社も現在はホワイトハッカーを抱えるセキュリティソフトの会社である(計測器としての負荷試験器は公共通信以外の分野で一部、残っている)。情報通信系の計測器メーカが異業種であるセキュリティー会社に変貌した例と言える。

サイリスタ(さいりすた)

(thyristor)電力用の開閉器などに使われている半導体素子。ゲート (gate) 、カソード (cathode) 、アノード (anode) の3端子がある。SCR(Silicon Controlled Rectifier: シリコン制御整流子)とも呼ばれる。カソードは陰極、アノードは陽極。電子管をソリッドステート(トランジスタなどの固体状態の素子)にしたものともいえる。

サイリスタ制御形(さいりすたせいぎょがた)

計測用電源の入力部にサイリスタ制御整流素子を使用して、出力を内部基準電圧と比較する。その出力の変動分を位相制御回路の移相パルス発生のタイミングにより、サイリスタの導通角をコントロールすることで出力を安定化させる方式をいう。この方法は、高効は極めて優れているが高安定、低リップルを期待できないため、次段にシリーズレギュレータを挿入して高精度化を計っている。(株式会社高砂製作所の用語集より)

ザイリンクス(ざいりんくす)

(Xilinx) ザイリンクス(Xilinx, Inc.)は、FPGAなどのプログラマブルロジックデバイス(PLD)の半導体デバイスメーカ。1984年に米国カリフォルニア州サンノゼで創業。設計に特化して製造を外部委託するファブレス。同じころにサンノゼで創業したAltera(アルテラ)との2社が、2000年代にはFPGAのトップブランドだったが、ザイリンクスは2022年にAMDに吸収合併され、製品群はAMDブランドになった。アルテラも2015年にインテルに買収されているので、CPUの世界No.1(インテル)とNo.2(AMD)がFPGAのトップ2社を吸収して、ロジックデバイスで競っている状態である。さらに生成AIに必須となったGPUがロジックデバイスとして急成長していて、トップベンダのエヌビディアが(FPGAベンダを吸収した)CPUメーカ2社を追い上げている。ザイリンクスを吸収したAMDは2023年にエヌビディアの高性能GPUに匹敵する製品を発売して対抗している。ザイリンクスを買収したAMDはそのFPGA技術を活用して、半導体ベンダとしての地位を向上させている。 ザイリンクスという会社はなくなったが、そのFPGA製品群は健在で、FPGAはCPUに次ぐロジックデバイスである。

ザイログ(ざいろぐ)

(zilog) 1980年頃に世界的に一世を風靡した8ビットマイクロプロセッサ (マイコン)Z80(ゼットハチマル)を開発したデバイスメーカだが、計測の用語としてはマイコンの開発ツール(ICE: In Circuit Emulator)で、一番一般的なモデルとしてラインアップされたのがZ80である。Z80は1974年に、インテルの8ビットマイコン8080を設計した技術者が開発に携わり発売された。そのため8080の上位互換がある、8080の改良モデルとして、1980年頃には世界中のパーソナルコンピュータ(現在のパソコン)に採用されていた。 1980年代はより高機能の16ビット、32ビット製品が開発されたが、最先端の高性能CPUではなく、実績のある安価な8ビットの汎用CPUとして、多くの電子機器に使われた。ICEは最先端のCPUに対応することで他社と差別化して延命したので、Z80に対応するICEは時代とともに少なくなった。1970年代後半にインテル、ザイログと競ったフェアチャイルドはすでになく、モトローラも現在の主力は通信機器になったが、ザイログはZ80の生産をまだ続けていると伝わっている(2021年現在)。

サイン補間(さいんほかん)

デジタルオシロスコープはサンプリングされた値だけを表示するのではなく、補間表示の機能がある。サイン補間とは sinX/X 関数で補間データを作成し、2点間を補間するもの。信号を正確に再現するためには、最高周波数成分の少なくとも2.5倍のサンプルレートが必要といわれている。

サウンドスコープ(さうんどすこーぷ)

異音を測定する機器。

SATA(さた)

Serial Advanced Technology Attachment の略 (=シリアルATA)。パソコンとハードディスクなどの記憶装置を接続するIDE(ATA)規格の拡張仕様の一つ。パラレルからシリアルになり高速転送(1.5Gbps)が可能になった。2005年から普及が始まり、パソコン以外での家電への応用が実用化されている。

雑音指数測定器(ざつおんしすうそくていき)

(noise figure meter)信号に含まれるノイズの大きさを測定する機器。ノイズフィギュアメータとも呼ばれる。

雑音発生器(ざつおんはっせいき)

(noise generatot)幅広い周波数成分を持つノイズ波形を発生する信号源。雑音指数(Noise Figure)測定などに使われる。雑音には白色雑音(ホワイトノイズ)やピンクノイズなどがあり、それらを出力する雑音発生器が用途によって使い分けられている。参考用語:雑音指数測定器、白色雑音発生器、フリッカ雑音 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・・さまざまな信号発生器・発振器を列記して概説している。

雑音レベル計(ざつおんれべるけい)

電話回線・放送回線の雑音レベルを測定する機器。