導波管
(waveguide)
マイクロ波を伝送するための中空の金属管。マイクロ波の伝送線路。空気が誘電体で、中心導体がない(中空導波管という呼称もある)。同軸ケーブルに比べて低損失なため、大電力の伝送などに利用される。形状は、断面が方形や円筒形がある。管の形状、寸法、波長(周波数)に応じて、電波は電磁場を形成して管の中を伝播する(伝播モードと呼ぶ)。構造上、伝搬できるマイクロ波の波長には上限がある。近年、高性能誘電体(PTFEなど)を用いた同軸ケーブル(セミリジットケーブル)が開発され、導波管の代わりに使用されるようになったが、衛星通信、レーダなどの大電力伝送には今でも導波管が使用されている。
マイクロ波の製品群がある計測器メーカ(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツなど)は導波管をラインアップしている。
毎年11月末に開催されるマイクロウェーブ展(主催:電子情報通信学会、後援:総務省)には多くに導波管が出展される。NTTに長年納品する国産メーカ(専業の零細企業)から、海外製品を陳列する輸入技術商社まであり、導波管は現在でもマイクロ波の主流の部材であることが実感される(2023年展示会より)。