計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

255

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

抵抗減衰器(ていこうげんすいき)

歪みを発生させることなく、電圧信号を減衰させる機器。(=減衰器、アッテネータ)

抵抗測定器(ていこうそくていき)

抵抗を測定する機器の総称。デジタルマルチメータや絶縁抵抗計などがある。

抵抗ブリッジ(ていこうぶりっじ)

導体のようなmΩ単位の低抵抗を測定する機器。リード線の抵抗や接触抵抗の影響を受けないように工夫されたもの。別名:ホイートストンブリッジ。

抵抗方式(ていこうほうしき)

電流-電圧変換の方式の1つ。回路に直列に精密抵抗を接続し、オームの法則から電流と電圧を測定する。この抵抗をシャント抵抗と呼んでいる。抵抗の両端の電圧降下から回路に流れる電流を計算(測定)したり、電流から電圧降下(電圧)を測定したりするので、抵抗方式という。抵抗方式はデジタルマルチメータ(DMM)などに使われている。 参考用語: バードン電圧、TIA方式

抵抗率(ていこうりつ)

(resistivity) 【電子工学で使われる電気に関する量】 電流の流れにくさを表す指標。電気を通しにくい材料を評価する(比べる)ときなどに使われている。別名、電気抵抗率(electrical resistivity)や比抵抗とも呼ばれる。記号はギリシャ文字のρ(ロー)。単位は[Ω・m](オームメートル)。 抵抗率は、通常の抵抗測定に使われるマルチメータなどでは測定できない。電気抵抗率はセンサ式水質計(科学分析機器)で測定できる(メーカは東亜ディーケーケーなど)。物性(材料)の測定器として抵抗率計がある。たとえばエヌピイエス株式会社の抵抗率測定器(シート抵抗測定器)は4探針プローブを用いて、太陽電池用の半導体ウェーハや金属薄膜などの抵抗率を測定できる。ナプソン株式会社も4探針法の抵抗率測定器をつくっている。接地抵抗計の代表的なメーカである共立電気計器に「接地抵抗・大地抵抗率計KEW 4106」があり、大地抵抗率ρ[Ω・m]を測定できた(現在は生産中止)。 抵抗率の逆数を導電率と呼び、記号はσ(シグマ)で、「電気の流れやすさ」を表す。抵抗率ρ=1/σ。導電率σ=1/ρで、単位は[S/m](ジーメンス/メートル)。

定在波(ていざいは)

(Standing wave) 伝送線路上において、波長(または周波数)・伝送速度が同じでその信号の進行方向が互いに逆向きの2つの信号が存在すると、相互の干渉によりその波形がその場に止まって振動しているようにみえる波動が生じる。この波動を定在波という。参考用語:電圧定在波比、VSWR、SWR

デイジーチェイン(でいじーちぇいん)

(daisy chain) ネットワークトポロジー(配線の構造)で、機器(ノード)を数珠繋ぎにする形態。他の種類にはバス型、スター型、リング型などがある。種類の中で最も低コストだが、冗長性が低く、耐障害性が最も低い。 株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集では、ICE関連の例を次のように解説している。 複数の周辺デバイスやICを鎖のチェーンのように接続する様子を示す。SCSIやJTAGのデイジーチェーン接続が良く用語として出てくる。ここでは、JTAGのチェーンの事を説明する。複数のCPUのJTAGは、信号をチェーン接続する事ができる。よって、例えば、ARM CPUとSH4 CPU等をデイジーチェーン接続する事は、物理的には可能である。ただし、CPUのICE用のJTAG機能により、チェーン接続でデバッグできるのは、1つのCPUだけの場合もあるので、回路をチェーン接続できるように構成する前にそれぞれのICEメーカに確認した方がよい。参考記事:車載ネットワークの歴史と規格概要~CANからLIN、FlexRay、CAN FDまで・・ネットワークトポロジーの例が図解されている。

低周波音レベル計(ていしゅうはおんれべるけい)

低周波音を測定する騒音計。

ディスクリート(でぃすくりーと)

(discrete)電子回路の用語としては、単体の電子部品で回路を組み上げること。discreteは「個別」、「個々の」という意味。カスタムICやPLDなどの多機能デバイスを使わないで、たとえばプリント基板などに単機能の電子部品を実装していくことをディスクリートという。ディスクリート半導体というと「単一目的のために使用される単一機能」の半導体を指している。

DisplayPort(でぃすぷれいぽーと)

液晶モニタなどのディスプレイのデジタルインタフェース規格。一般のOAパソコンなどはHDMIだが、ビジネス/プロユースのPCはDisplayPortが採用されている(2023年現在)。 1990年代までPCのモニタの主流だったCRTはVGA(アナログインタフェース)だった。2000年代にDVI(デジタルインタフェース)に置き換えが始まったが、2010年代にはデジタル家電のHDMIも登場し、PCへ普及した。ノートパソコンなどの可搬型機器ではDVIよりもサイズを小型化したい要望があり、標準化団体VESA(Video Electronics Standards Association)によってDisplayPortが策定された(2006年5月に1.0を発表)。2007年1月には、UDI(Unified Display Interface)規格を推進してきたインテルがDisplayPort支持に転向したことで普及が加速した。

ディスペンサー(でぃすぺんさー)

水素ステーションで自動車に水素を充填する装置のこと。操作盤やノズルがあり、充填した水素量を計量する。安全のために流量や温度を監視・制御している。参考記事:電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向。水素ステーションについて解説。

ディセーブル(でぃせーぶる)

(disable) 「機械を動かなくさせる」という意味で用いる。良く使う意味では、割り込みのディセーブル=割り込み禁止、信号入力のディセーブル=信号入力の禁止等がある(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)。 不用意に話しかけて、その人の指向が集中できなくさせることをdisturb(ディスターブ)と表現する(「乱す」、「妨げる」という意味)。dis-は「させない」という意味があるので、able(できる)の反対で、disableは「無効にする」という意味である。「割り込みディセーブル」は「割り込み無効→割り込み禁止」である。 ディセーブルは組込みシステムの開発・デバッグで活躍した開発支援装置で良く使われた用語である。

DIP(でぃっぷ)

(Dual In-line Package) 多ピン半導体の形状の1つ。平たい長方形の両長辺に外部入出力用のピンを下向きに並べた形状をしている。現在もっとも普及している半導体パッケージの形状。 この形(外観)を真似た電子部品のDIP(ディップ)スイッチは多チェンネルの小型スイッチとして、電子機器に良く使われている。電子部品を使う回路設計の技術者の間では違和感なく「DIPスイッチ」は受け入れられているので、DIPという表現は半導体専門の用語ではなく幅広いといえる。

ディップメータ(でぃっぷめーた)

(dip meter) 共振回路やアンテナの共振周波数を測定する計測器。発振回路に真空管が使われていたころ、共振したことを真空管のグリッド電流の減少によって検出したため、グリッドディップメータ(GDM)と呼ばれたことが語源。dipは「下がる」、「探る」の意味。当時はアナログの指示計器で、メータの針が共振周波数で小さい値を指示(指し示)した。メーカによっては「デップメータ」と呼称。 三田無線研究所のDELICA DMC-230S2/DIGITAL DIP METERや、大松電気(現リーダー電子)のLDM-810/グリッド デップメータやLDM-811/TRデップメータなどがあった(形名/品名を記述)。品名のTRはトランジスタの略記である。LDM-811の製品説明には「トランジスタとダイオードを使った高感度の超小型デップメータ、屋上や野外で活用できる」とある。LDM-810の広告には「ニュービスター(※)を使い、極めて安定な発振回路を有する超小型デップメータ。アマチュア無線用として設計」とあり、価格はLDM-811の半額以下である(1964年9月発売のトランジスタ技術創刊号の表3広告)。 (※)米国のRCA社が考案した真空管。

低抵抗計(ていていこうけい)

ミリオーム(mΩ)程度の低い抵抗を測定する機器。別名:ミリオームメータ、接点抵抗計。逆に高い抵抗を測定するのが絶縁抵抗計(メガー)。

定抵抗モード(ていていこうもーど)

電子負荷で、供給電圧源に対して一定の抵抗負荷として動作するモードのこと。(株式会社高砂製作所の用語集より)

ディテクタ(でぃてくた)

スカラネットワークアナライザと一緒に使用するアクセサリ。 (=検波器)

定電圧源(ていでんあつげん)

(constant voltage source)電源の内部抵抗が(理想的には)0Ωで、接続される負荷によらず常に一定の電圧を出力する電源(電圧源)を定電圧源(または定電圧電源)という。電源には定電流源もある。一般的に、計測用電源は定電圧源の安定化電源である。負荷の状態が変化しても(設定された)一定の電圧を出し続けるのが、電源の基本的な設計思想と考えられている。 ただし、EVなどのパワエレ市場で日進月歩なインバータやバッテリを評価する最近流行りの電力回生型双方向電源は、定電圧型と定電流型があり、メーカによって設計ポリシーが異なる。 菊水電子工業や高砂製作所などの計測用電源メーカがつくるほとんどの安定化電源はCCCV電源と呼ばれる。CC(Constant Current、定電流)動作モードとCV(Constant Voltage、定電圧)動作モードを備えているためである。その意味では「電源は定電圧源である」ことが基本だが、ほとんどの計測用電源は定電流源として動作する機能も備えている。 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】TECHNO-FRONTIER2021(東京ビッグサイト青海展示棟) ・・定電圧源と定電流源についての記述がある。 計測器情報:定電圧が品名に付く製品例

低電圧差動プローブ(ていでんあつさどうぷろーぶ)

自動車のCANやパソコンのシリアル通信(イーサネット、USB、HDMIなど)はコモンモードノイズの影響を受けないように差動信号で伝送される。この測定には広帯域な低電圧差動プローブを使用する。キーサイト・テクノロジーには周波数帯域6GHzまでの製品がある。低電圧プローブの非破壊最大入力電圧は低いので、高電圧入力や静電気によって破損することがある。

定電圧動作(ていでんあつどうさ)

計測用電源で、入力電圧・負荷電流・温度などの変化に対して、負荷に供給する出力電圧が一定に保たれている状態を定電圧(CV)動作という。同様に定電流(CC)動作もある。定電圧・定電流方式の場合、定電流設定値より負荷電流が少ない場合は、定電圧動作で定電圧設定値の電圧になり、定電流設定値より負荷電流が多く流れようとすると定電流設定値に負荷電流が制限され定電圧設定した電圧より出力電圧が低下する。(株式会社高砂製作所の用語集より)