ディスクリート
(discrete)
電子回路の用語としては、単体の電子部品で回路を組み上げること。discreteは「個別」、「個々の」という意味。たとえばプリント基板などに、多機能デバイス(カスタムICやPLDなど)を使わないで、単機能の電子部品(抵抗、コンデンサ、トランジスタ
など)を実装して回路をつくることをディスクリートと呼ぶ。「単一目的のために使用される単一機能」の半導体を「ディスクリート半導体」と呼んでいる(電流を一方向に流す「ダイオード」や、電流をコントロールする「トランジスタ」など)。
複数の部品によって1つの機能の回路をつくるのがディスクリートだが、トランジスタなどの半導体が誕生した黎明期(1960年頃)に、1つの半導体チップ上でディスクリートを行えば部品点数を減らして製造コストを削減できるとして、IC(Integrated Circuit、集積回路)が生まれた。トランジスタなどの単一機能の半導体を複数組み合わせて1つのパッケージにする(集積する、Integrate)アイデアでICが生まれ、(1960年代以降)現在の半導体の多くがICになっている。
半導体デバイスメーカは「ディスクリート半導体デバイス使用時の熱設計について」というようなタイトルの技術資料を公開している。このように電子部品や半導体では「ディスクリート」という用語が普通に使われている。