計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

63

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

ISVM(あいえすぶいえむ)

(Current Source Voltage Measure)SMUの機能の1つ。電流を印加して電圧を測定する。参考記事:高精度な電子部品の評価に貢献するSMU〜エーディーシー6253直流電圧・電流源/モニタSMUの概要や、ISVMのアプリケーション例を解説。

IF信号(あいえふしんごう)

(Intermediate Frequency)日本語では「中間周波数」だが、IFという表記の方が良く使われている。無線通信システムの中で、信号の周波数を変換している中間段階の周波数のこと。 IFだとif(もしも)の意味もあるので、本解説のタイトルは「IF信号」にしている。

IMO(あいえむおー)

International Maritime Organizationの略。国際海事機構。

IMO塗装性能基準(あいえむおーとそうせいのうきじゅん)

塗装は、船舶の状態を良好に維持すると共に保守を容易にするため非常に重要なものである。また、建造段階における施行品質が将来にわたる塗装の維持に大きな影響を与える。このような塗装の重要性に鑑み、国際海事機構(IMO:International Maritime Organization)は2006年12月8日に通称PSPCと呼ばれる塗装性能基準を採択した。 また、IMOはPSPCを強制化させるSOLAS条約2-1章3-2規則の改正を同時に採択した。PSPCの90/10ルール : 「全膜厚測定点の90%は塗料スペックが求めるNDFT(公称乾燥膜厚)以上で、なおかつ残り10%の膜厚は0.9×NDFTを下回らないこと」を意味する。この90/10ルール対応機能を搭載した膜厚計も登場している(例:フィッシャー・インストルメンツのMP0R、FMPシリーズ)。IMO塗装性能基準のことを別名、PSPCともよぶ。PSPC:Guidelines for Performance Standard for Protective Coatings contained in IMO Resolution MSC.215(82) (フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

IO(あいおー)

(Input Output) 入出力のこと。表記は「I/O」もある。モジュール型の計測器やデータロガーなどでI/Oという表記を見かける。たとえば「I/Oモジュール」や「I/O:電圧」など。半導体チップにもI/Oという表現は使われる。コンピュータは入力(Input)された情報から計算を行い、結果を出力(Output)する(昔はコンピュータを計算機といったが、現在は情報処理機といわれる)。IT機器では、これらの処理を総称してI/O(Input/Output)と呼ぶ。 コンピュータ関連にはIOを社名にする会社がある。石川県金沢市にある株式会社アイ・オー・データ機器は、20年前から液晶ディスプレイをつくっているモニタ機器の老舗。IODATA(IOデータ)と呼称され、現在はハードディスク、Wi-Fi(ワイファイ)、ネットワークカメラなどのスマホ・TV・パソコン周辺機器の総合メーカである。 Data I/O社は米国ワシントン州シアトルにあるROMライタの老舗で、1970年代からマイクロプロセッサが普及し始めて、EPROMにプログラムを書き込む際に使用された。日本ではミナトエレクトロニクスが同じく1970年代につくっているが、ほとんどの国産メーカ、アバールデータ(PECKER)やタケダ理研工業(現アドバンテスト)、安藤電気などがROMライタに参入したのは1980年代である。ロジックアナライザ、バス解析機器などのICEやプロトコルアナライザ関連の先端機器を輸入してきた東陽テクニカが長年Data I/O製品を取り扱ってきたが、需要減少によって2020年に総代理店業務を終了した。日本では前述のIDATAが有名なので、似た会社名であるData I/Oはほとんどネット上でもヒットしないが、ICEなどの組込みシステム関係者には良く知られた会社である。

IoT(あいおーてー)

(Internet of Things)「モノのインターネット」と表現される。様々な「モノ」がインターネットに接続され情報交換することで、相互に制御する仕組みを指す。例として、工場の生産設備(機械)がネットワークにつながり制御されることや、IoTで膨大な情報が集められるためビックデータ解析によって新しい知見が生まれる、などが検討・導入されようとしている。工場のPLCのようなハードウェアから、クラウドでの解析のようなソフトウェアまで関係する概念。日本では経済産業省がSociety(ソサイアティー)5.0やConnected Industries(コネクテッドインダストリー)を標榜して工業のIoT化を推進している。

IOWN(あいおん)

「Innovative Optical and Wireless Network」の略で、NTTが2019年に発表した次世代ネットワーク構想。光信号のままで(半導体レベルでも電気に変換しないで)伝送・交換処理を行うオールフォトニクス・ネットワークを実現しする。そのためのキーとなる新しい光半導体の試作にNTTは成功したといわれる。従来の電子技術(エレクトロニクス)が光技術(フォトニクス)に変わり、電子技術では解決できなかった低遅延、低消費電力、大容量・高品質のネットワークを構築できる(現在のインターネットの課題が改善できる)と期待される。 GAFA(ガーファ、米国の巨大IT企業Google、Apple、Facebook、Amazon)のような異業種が通信事業者(キャリア)になろうとしている。NTTは老舗の通信事業者として安泰ではない。IOWNの実現でゲームチェンジをはかり、NTTが世界をリードする通信事業者になるというビジョンを発表したのである。2019年にNTT、インテル、ソニーが発起人となって立ち上げた「IOWNグローバルフォーラム」には世界中の名だたる企業が参画した。2030年のIOWN実現に向け、2022年には第一弾としてオープン仕様に基づくAPN(All Photonics Network)(Open APNと呼ばれる)に対応した光伝送装置がNECや富士通から発売される。 参考用語:WDM、電電ファミリー

I/Qジェネレータ(あいきゅうじぇねれーた)

(I/Q generator) I/Q変調した信号の発生器。別名、I/Q変調信号発生器やベクトル信号発生器とも呼ばれる。無線通信用の信号発生器(SG)の1種で、デジタル無線通信の評価に使う。正弦波信号をI・Qデータによって変調して出力できる。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅう)と呼んでいるため、「I/Q変調」と「ベクトル」は同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。 IQジェネレータ(デジタル変調の信号発生器)とシグナルアナライザ(変調解析ができるスペクトラムアナライザ)の組み合わせが、現在のデジタル無線通信の評価の基本となっている(以下の参考記事、Keysight Worldが具体例)。品名はアンリツはベクトル信号発生器、ローデ・シュワルツはIQ変調信号発生器、キーサイト・テクノロジーはベクトル標準信号発生器などがあり、同じメーカでもモデルによって呼び方が違っている。 IQジェネレータの中には標準信号発生器との組み合わせで機能するモデルもある。横河電機 テスト&メジャメント事業部(現横河計測)が2000年頃に無線の通信計測器に参入したときは、標準信号発生器と併用するBaseband Signal GeneratorをデジタルIQ信号発生器と呼び、VB2000などのモデルがあった(現在はすべて生産中止)。 参考用語:I/Q信号

I/Q信号(あいきゅうしんごう)

(In-Phase/Quadrature-Phase signal) I/Qを翻訳すると「同相/直交位相」。携帯電話など、 現在の無線通信で主流となっているデジタル方式では、I/Q信号やI/Q変調はもっとも基礎の概念である。I/QまたはIQという表記が使われる。信号をベクトル表示する場合、直交座標ではIとQの2成分で表現することができる。具体的な計測器ではデジタル信号発生器にIQ出力の機能があるモデルが、移動体通信関連測定器として使われている。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。 IQだと知能指数(Intelligence Quotient)の意味もあるため、本解説ではタイトルを「I/Q信号」にしている。 計測器メーカの資料ではIQ(またはI/Q)は以下のように使われている。 ・デジタルIQ信号発生器(Digital IQ Signal Genelator)VB2000(横河技報2000年Vol.44) ・I/Q変調信号発生器R&S®AFQ100B (ローデ・シュワルツのホームページ) ・RF信号発生器MSG703によるIQ変調(マイクロニクスのホームページ) ・IQフォーマットは他のアナログ変調やデジタル変調よりも多くの情報を伝送でき・・(テクトロニクス「信号発生器のすべて」より) ・802.11axアナログベースバンドIQテストソリューション(キーサイト・テクノロジーのホームページ)

I/Q変調(あいきゅうへんちょう)

I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。別名「直交変調」とも呼ばれ、現在普及しているデジタル方式の無線(携帯電話など)の基本的な技術として使われている。IQという表記も多いが、知能指数と間違うため、当サイトではI/Qにしている。 デジタル変調方式では、アナログ変調のAMやFM、PMをデジタルにしたASK、FSK、PSKがある。各略記の「SK」はShift Keyingのことで、デジタル変調は(アナログのようにmodulationではなく)英語をカタカナ表記した「○○シフトキーイング」という日本語で呼ばれている(たとえばASKは「振幅シフトキーイング」)。 I/Q信号など、I/Qは多くのことばに使われる。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。

I/Q変調信号発生器(あいきゅうへんちょうしんごうはっせいき)

I/Q変調信号を発生する測定器。別名、I/Qジェネレータやベクトル信号発生器ともいわれる。現在の公共無線はデジタル変調がさかんに使われている。RFの基本測定器である標準信号発生器(SG)は、高精度な正弦波信号を発生する。ベクトル信号発生器はさらに、I・Qデータ(I:同相成分、 Q:直交位相成分)から正弦波信号を変調して出力する。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅー)と呼んでいるため、IQ変調とベクトルは同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。 アナログの変調方式はラジオでおなじみのAM放送(AM変調)、FM放送(FM変調)だが、デジタル方式はASK(振幅シフトキーイング)、FSK(周波数シフトキーイング)、PSK(位相シフトキーイング)などがある。PSKにはさらに、π/4QPSK(よんぶんのぱいきゅーぴーえすけー)などがある。 主要計測器メーカはキーサイト・テクノロジー、アンリツ、ローデ・シュワルツの高周波無線(RF)3社。テクトロニクスもモデルがある。横河電機(現横河計測)は過去(日本に携帯電話メーカが10社以上あった2000年頃)につくっていたが撤退した。 参考用語:I/Q信号

IC(あいしー)

(Integrated Circuit)日本語では「集積回路」だが、ICという表現の方が良く使われている。数mm x 数mm程度のSi(シリコン)上に,トランジスタや抵抗などの回路素子をつくり、さらに素子間をつないで電子回路を形成している(Si基板のサイズは日進月歩)。素子を作るための材料をSi基板上に塗布し、エッチングによって回路を焼き付ける。このSi基板をICチップと呼び、DIPやSIPなどのパッケージに封入して1つの電子部品にする。Si基板とパッケージのピンの間はワイヤーボンディングされてつながっている。ICは半導体デバイスの代名詞のようなことば。

ICT(あいしーてぃー)

2つの意味がある。1は計測器、2は通信の用語。 1 (In Circuit Test) 日本語で「インサーキット・テスト」と表記されることも多い。ICTという略記や記述も多い。電子部品が実装されたプリント基板で、電子部品(抵抗やコンデンサ)の定数、ダイオード特性などを測定して、電子部品と基板との接続信頼性を検査する。つまり多ピンのマルチメータ/LCRメータで、プリント基板の中の回路に入って行って(In-Circuit)、測定をする。 日本電気計測器工業会(JEMIMA)の技術解説では、「電気測定器/半導体・IC測定器・ボードテスタ&試験システム/ボードテスタ」の項目の冒頭に「1.インサーキットテスタ In-Circuit Tester」が解説されている(次は「2. ベアボードテスタ Bare Board Tester」で、「4.その他のテスタ」に「4.2 バウンダリスキャンテスト」がある)。つまり、インサーキットテスタとボードテスタはほぼ同義である。 ICTのメーカである協立テストシステムのホームページでは「インサーキットテスター」のことをICTと表記しているが、キーサイト・テクノロジーのホームページでは「インサーキット・テスト」のことをICTと略記している。つまり、ICTはテストとテスタの両方の略記である。また、「インサーキットテスタ」、「インサーキット・テスタ」、「インサーキット・テスター」など表記は統一されていない。 2 (Information and Communication Technology) 「情報通信技術」と訳される。ITとほぼ同じ意味だが、IT(Information Technology、情報技術)にCommunicationが入っている点が新しい。政府は2000年に「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(通称「IT基本法」)を成立させた。ここからITという用語が広まったが、2004年頃からICTという表現に変えている(国際的にはICTが一般的なのでそれに合わせたと思われる)。そのため、2000年中期以降に各所でICTという表現が使われ始めた。現在ではITとICTの両方が場面によって使い分けられている。コンピュータや情報通信関連の機器を一般的にはIT機器、それらの業界をIT産業やIT市場と表現していて、ICTよりITのほうが散見される。もっとより広く情報通信の分野のことをいいたいときに(最先端であることをイメージさせる、今風のいいかたとして)ICTといっているようである。たとえば企業のビジョンやPRの表現に2000年代後半から使われている例がある。もっと時間が経過したらITにとってかわり、市民権を得た一般的な用語になるかもしれない。逆に、現在のJRの電車のことを一時期「E電」と呼んでいたが、今は誰も呼ばない死語になったように、ICTも消えて、別の用語が台頭するかもしれない。

ICP(あいしーぴー)

(Integrated Circuit Piezoelectric、Inductivery Coupled Plasma) 2つの意味がある。 1.圧電式の振動センサ(加速度ピックアップ)の内、アンプ内蔵型のもの(IEPE)の別称。PCB Piezotronics,Inc(略記BCP社)は1967年に米国で設立した圧電式センサのトップメーカだが、同社のIEPEの商標がICPである。Integrated Circuit Piezoelectricを直訳したら「IC(集積回路)圧電」である(圧電素子がICとしてチップになっている、とでもいう意味か)。 物理量計測センサの技術があり、「買ってすぐ使える」計測器がポリシーのイージーメジャー社にはユニークなデータロガー「マルチセンサ入力対応小型高速データロガCCM(Condition Catcher Multi)」がある。振動センサに対応した測定ユニットの形名はCCM-IEPE1で、カタログには「適合センサ:IEPE(ICP)」と書かれている。つまり、圧電式加速度ピックアップでアンプ内蔵型のものを、IEPEやICPと表記している。つまりICPはデータロガーや振動計測では一般的なことば(周知の用語)として使われている。 2.誘導結合プラズマ。この原理を使った発光分光分析装置を指すこともある。

IGBT(あいじーびーてぃー)

(Insulated Gate Bipolar Transistor)絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。半導体素子のひとつで、電力変換機などに使われている。鉄道のインバータに多く採用されている。SiCやGaNなどの新しい素子に一部は置き換わろうとしている。

ICE(あいす)

(In Circuit Emulator)マイクロプロセッサ(マイコン、MPU、CPU)を使った組込みシステムの開発・デバッグを行なう測定器。開発支援装置、デバッガー、インサーキットエミュレータとも呼ばれる。今や安価な家電製品から高度な通信装置まであらゆる電気機器にマイコンが搭載されている。それはハードウェアとソフトウェアの両方が一体となって動作する。半導体素子で構成された電子回路が作りだす信号波形と、動作を制御するプログラムの両方が正確に連携しないと、製品は仕様通りに機能しない。そのための作り込みに欠かせない測定器。機器のマイコンが実装される基板上からケーブルをICEに伸ばすのでIn Circuitになる。1971年にインテルが世界初のマイコン4004(4ビット)を発売し、以降ザイログやモトローラも8ビット製品を次々と世に出した。そのため80年代には各計測器メーカはICEに参入した。当時のICEは(後年の分類で)フルエミュレータ(またはスタンドアロン型)で、HP(現キーサイト・テクノロジー)はユニークなモデルを長く発売していた。80年代後半には横河電機や安藤電気、アンリツなどの大手計測器メーカがICEを作っていたが、ソフィアシステムズなどのICE専業メーカがシェアを伸ばし、横河電機は分社化してadvice(アドバイス)というブランドを作り、90年代にソフィアシステムズと市場を2分した(現在もDTSインサイト社が後継機種を継続している)。日本に携帯電話メーカが複数ある時代は、高額なICEを大量に使い開発にしのぎを削ったので、レンタル商材としても2000年代までは花形だった。現在は岩崎通信機やアンリツなどの計測器メーカや、ソフィアシステムズなどの専業メーカもほとんど撤退した。理由は、基板検査のための規格として登場したJTAG(ジェイタグ)が拡張して「総合デバッグインタフェース」となり、高額なICE(フルエミュレータ)を使う必要がなくなったためである。現在のICEはJTAGやROMエミュレータなどのオンチップエミュレータが主流となった。従来のフルエミュレータに比べて安価なため、ICEの市場規模は激減して、乱立していた計測器メーカや専業メーカは一掃された。マイコンの黎明期から普及に伴い活躍したICEは、マイコンの成熟とともに計測器の主流ではなくなった。

I2S(あいすくうぇあえす)

(Inter-IC Sound) フィリップス社(※)が提唱した、デジタル音声を伝送するためのIC間通信の規格。I2Sバスには、LJ、RJ、TDMと呼ばれるバリエーションがある。主に電子基板上で半導体チップ(IC)間の音声データ伝送に用いられる。家電製品から半導体、医療機器まで手掛けていたオランダのフィリップスが1986年に策定し、業界標準として広く普及した。オーディオ機能を持つ電子機器内部で使われている。同期式シリアル通信であるI2Cと似た方式である。最近のオシロスコープはシリアル通信などの規格の解析にオプションで対応している。I2Sに対応したモデルもある。 (※)(Philips) 1891年にヘラルド・フィリップスがオランダで電球工場として設立。ヨーロッパの代表的な総合家電メーカになった。日本では電気かみそりや電動歯ブラシで知られるが、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)、などの医療機器・ヘルスケア事業に注力している。以前は音響・映像(オーディオ・AV)分野の、レーザーディスク(LD)、コンパクトディスク(CD)、Blu-ray Discなどの開発や規格提唱をしたメーカの1社である。半導体の事業は、2006年にNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)として独立している。日本のソニーやパナソニックが半導体もつくっているのと同じ。

I2C(あいすくうぇあしー)

( Inter-Integrated Circuit) フィリップス社が提唱した周辺デバイスの通信方式。同一基板内で400 kbps程度を想定している。低速シリアル通信と総称されている規格の1つ。 500MHz程度の周波数帯域のミドルクラスのオシロスコープで、I2Cのバスモニタやデータ解析ができるオプションを持つモデルが多くなった。

I0r(あいぜろあーる)

「抵抗分漏れ電流」のことで、「有効漏洩(ろうえい)電流」と表記することもある。I0rとは「I0(漏れ電流、アイゼロ)のr(抵抗)成分」、という意味。漏れ電流測定器(漏れ電流計)のことをI0rと略記していることがある。「I0r測定器」とは漏れ電流計のことを指す。I0R(3文字目が大文字)やIor(2文字目のゼロが下付き小文字)の表記もある。 本来、零相電流(※)のことをIoと記述し、抵抗成分によるものなのでIorやIoRと記述するのが正しいと思われるが、ゼロを通常表記の「0」にしている場合も多い。これらの記述は間違いではないが、間違えて「アイオーアール」と発音すると、低周波の電力測定の基礎知識がないことが露見してしまう。2文字目が英字のO(オー)ではなく数字の0(ゼロ)であることに注意が必要。「or」と表記されているとつい「オーアール」と読みたくなる。 Io(漏れ電流)はIorとIoc(容量分漏れ電流)の合計になっている(cはcapacitor、静電容量)。Iocが大きいと高調波が多いということで、機器の誤動作を起こす原因になる。Iorは機器や配線の劣化により流れる漏れ電流で、感電や火災の原因となるため、正確にIorを測定することが電気機器の維持管理(定期点検などの保守)では求められ、漏れ電流測定器がIorを測定するのはそのためである。I0rは、電気回路上の機器や電線の損傷など、抵抗成分により流れ出る漏れ電流で、「対地絶縁抵抗漏洩電流」とも呼ばれる。経産省の法令で絶縁性能の判断基準に規定されている。 計測器メーカの名称や形名、仕様の記載例は次の通り。日置電機の「Iorリークハイテスタ3355」は「漏洩電流(Io)や有効漏洩電流(Ior)を測定」と記載されている。三和電気計器の「I0RロガーI0R700V」には「測定モード:Iorモード/モータモード」の記述がある。そのほか、共立電気計器の「Ior用リーク電流検出型クランプセンサKEW 8177」、マルチ計測器の「非接触Io/IorクランプリーカーMCL-500IRV」などがある。三和電気計器の形名は直球(そのものズバリ)である。 漏れ電流とリーク電流は同義。 (※)Io(アイゼロ、ゼロの電流)とは零相電流のこと。多相の不平衡交流回路で、各線に同相で流れる電流を「零相電流」という。零相電流は通常は存在しない(大きさが0である)。各相のバランスが失われていると零相電流が流れる。クランプメータ(クランプ電流計)で各線を一括して測定する(各相の線をすべて挟む)と測定値は0になる。ただし回路に漏電があると、零相電流が流れるので0以外の値になる。これを利用し漏電の有無を調べるのが漏れ電流計である。特に災害の原因になるIor(抵抗分漏れ電流)を測定している。

I0r測定器(あいぜろあーるそくていき)

R(抵抗)成分に起因する漏れ電流だけを正確に測定する漏れ電流計の呼称。漏れ電流には容量負荷に流れる高調波成分もあるが、それを除いた測定ができる。「リークカレント」や「リーク電流」を品名にするメーカもあり、I0r測定器の呼称は様々である。 2文字目のゼロを小さく書いたり、3文字目のアールを大文字にするという表記も見かける。メーカによって表記は違っている。「アイゼロアール」でなく「アイオーアール」と素人は間違いやすい(特に2文字目のゼロがこの表題のように大きな文字で書かれていると)。