計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

187

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

PWM(ぴーだぶりゅえむ)

(Pulse Width Modulation)パルス幅変調。スイッチング方式の、電源やDC/DCコンバータなどで使われている制御方式。パルス(電圧)の高さではなく幅(時間、デューテイ比)を可変することにより制御する。

PWMスイッチング方式(ぴーだぶりゅえむすいっちんぐほうしき)

PWMはPulse Width Modulation(パルス幅変調)の略記。直流電源の1種であるスイッチング電源の方式の1つ。入力信号の振幅を矩形波(くけいは)の長さに変換して、スイッチング電源を動作させる。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)参考用語:スイッチング電源、スイッチング方式、ドロッパ式直流電源、シリーズレギュレータ方式

PT(ぴーてぃー)

Potential Transformer の略。高電圧回路の電圧計測を行う場合に、絶縁した電圧を得るために使用する変圧器。

PD(ぴーでぃー)

フォトダイオード(photodiode)の略記。受けた光(入力)に比例した電流を出力する、光センサ。光ファイバ通信は送信装置にあるLD(レーザーダイオード)などで電気を光に変換し(Electrical signal / Optical signal conversion、E/O変換)、光信号を長距離伝送し、受信装置ではPDで光を電気に変換する。つまりPDはO/E変換器(O/Eコンバータ)である。 参考記事:「光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第1回)」・・光ファイバ通信システムの構成図がある。

PDLメータ(ぴーでぃーえるめーた)

PDL(Polarization Dependent Loss)は偏波依存性損失。光や電波などの電磁波は偏波といって、進行方向に垂直な面で電界と磁界が大きさを変えている。光の偏波状態によって光デバイスの損失も変わるのでPDLの測定が重要になる。つまりPDLメータは光デバイスの評価に使用される。 1990年代にはキーサイト・テクノロジーがラインアップしていたが2000年代の光海底ケーブルバブル以降の光製品の縮小で生産終了した。偏波関連測定器としては偏波消光比メータを(波長可変光源が世界トップの中部地区のメーカ)santec(サンテック)がつくっている。海外のOZ Optics社製品はオプトサイエンスが輸入販売している。 キーサイト・テクノロジーは光製品の内、光スペクトラムアナライザやOTDRなどは中止したが、光パワーメータと光源の2つの基本製品は継続した。従来、光コンポーネント評価に光測定器の力点を置いていたが、それを継続し816xシリーズ(OPM、可変波長光源、偏波コントローラなど)の後継機種としてN77xxシリーズを発売した。現在はN77xxCというCモデルが現役である(N7749C:OPMのメインフレーム、N7776C:波長可変レーザー光源など、2023年現在)。光コンポーネントテスト製品群として、N778xCシリーズのPolarization Test Productsがある。N7786C 偏波シンセサイザやN7788C 偏波コンポーネントアナライザなどがあり、従来のPDLメータや偏波コントローラを上回る、偏波関連の光製品をラインアップしている(2023年現在)。 PDLと文字が似ているが、PLD(Programmable Logic Device)だと、デジタル半導体のことである。 計測器情報:キーサイト・テクノロジーの偏波関連の光測定器の例

PDC(ぴーでぃーしー)

(Personal Digital Cellular) 日本で普及した第2世代携帯電話サービス方式(2G)の名称で、通信事業者(キャリア )各社の共通規格。 1993年3月に商用開始。1995年には小型の携帯電話mova(ムーバ)4機種が発売されている。

Pt100(ぴーてぃーひゃく)

RTD(測温抵抗体)のもっとも代表的なもの。材料は白金(Pt)で、温度が0℃の時の抵抗値が100Ωであることからこの名称がある。JIS で規定されている。JIS規格はIEC規格(国際電気標準規格)との整合を図るために1989年4月1日に改訂された。改訂前の旧JISのものをJPt100、改定後のものをPt100と呼んで区別している。Pt100とJPt100は、温度特性(抵抗値)が若干異なるので、使用時は注意が必要。

ヒートシンク(ひーとしんく)

(heat sink)日本語では「放熱板」だが、「ヒートシンク」という表現が一般的に使われる。「heat sink」を直訳したら「熱・流し」。吸収した熱を空気中に放熱することで冷却を行う部品。マイクロプロセッサやSSDなど、温度上昇する電子部品に装着される。材質は熱伝導率が高いアルミニウムが多い。表面積が放熱量に相関するため、狭い範囲で表面積を大きくする構造をしている。電子部品は電流が多く流れると発熱も大きくなる。熱による温度上昇は電子部品を破損するため、電流によって生み出される熱をジュールの法則に当てはめて計算する。算出された熱量を放熱できる仕様のヒートシンクが必要になる。プリント基板に実装された電子部品、半導体のどれにどんなサイズのヒートシンクが必要かは、設計技術者が事前に計算しておく事項である。作った後で、ヒートシンクのサイズが大きくて取り付けられなかったら設計ミスである。

pp(ぴーぴー)

単にpp(またはPP)と記載すると各種の意味の略語として使われるが、電気工学の分野では正弦波のような交流の値(大きさ)を示す記載方法の1つで、ピークピーク値のこと。ピークツーピーク、ピーク値、ともいわれる。 交流は直流のように一定値でないため、その値を表すのに実効値、平均値、最大値(ピーク地、ピークピーク値などがある。電気信号は正弦波などの波のため、最大値と最小値がある。その差を「ピーク(最大値)ともう一方のピーク(最小値)の間の値」という意味でピークピーク値(peak-to-peak value)と呼んでいる。表記はpp、p-p、p.p.などがある。実効値(rms)や平均値、ppは用途によって使い分けられる。 オシロスコープのピーク間電圧の表記を各メーカの機種で調べたら、Vp-p (横河電機 、横河計測やテクトロニクス)、Vpp (アジレント・テクノロジー、現キーサイト・テクノロジー)だった。これはある範囲のモデルでの表記の例で、同一メーカでも同じ表記とは限らず、モデルによって違っている場合も多々ある。つまり、略記は同一メーカですら不統一である。 化学分野では、代表的なプラスチック樹脂であるポリプロピレン(polypropylene)をPPと略記し、PE(ポリエチレン)と区別している。ゲームやX(旧ツイッター)、YouTubeでは「P-P」という表記が多く使われている。一般的には電気や計測器のppはマイナーな存在(ニッチな用語)である。ただし、計測器の仕様覧では電圧にppやrmsなどの、ピークピーク値や実効値であることを示す記号が記載される。製品カタログを見る電気エンジニアはその記号の意味を理解している。ppは電気の基礎用語で、これを知らないと計測器の仕様を理解することはできない。

PPAモデル(ぴーぴーえーもでる)

(Power Purchase Agreement Model)初期費用0円で太陽光発電システムを導入できる方式。自社でシステムを購入し自社の土地に設置して発電した電力を使う、従来方式を自家消費型と呼ぶ。それに対してPPAモデルはPPA事業者がシステムを購入し設置する。電力はPPA事業者から購入する。2012年から始まったFIT制度による新設に代わり、2022年からはPPAモデルによる新設が増えている。

bps(びーぴーえす)

(bit per second)データ通信の転送速度の単位。1秒間に何ビットを転送するかをbpsやb/sと表記する。PCに標準装備している有線ネットワークのLANは10Gbpsである。これは1秒間に10G(ギガ、10x6乗)ビットのデータを転送できることを示している。低速の通信方式では変調回数を指すボーレート(ボー)はほとんどbpsと値が同じため、たとえば9600bpsは9600ボーといわれることも多い。1変調が1ビットに相当しない変調方式ではbpsとボーの値は異なる(たとえばPAM4など)。

PBX(ぴーびーえっくす)

(Private Branch Exchange)企業内に設置される交換機。公衆電話回線がNTTやKDDなどキャリアの電話局内に設置された交換機によって回線がつながっていた時代に、1つの企業や、オフィスビル内にPBXが設置されることが多かった。企業内やビル内で内線のように短縮番号でダイヤルできた。外線につなぐときは「0」や「9」など特定の決まった数字を押すとダイヤルできた。IPネットワークが普及して交換機がなくなってくるとPBXも流行らなくなった。

BPF(びーぴーえふ)

(Band Pass Filter)特定の周波数範囲の信号だけ通過させるバンドパスフィルタ。BPFの略記で測定器や文献に記載される。フィルタにはほかにHPF(ハイパスフィルタ)、LPF(ローパスフィルタ)、BEF(バンド阻止フィルタ)がある。用語「フィルタ」に図解があるので、参照されたい。

ppm(ぴーぴーえむ)

parts per millionの略。百万分率。100万分のいくらかという割合を示す数値。

PPG(ぴーぴーじー)

(Pulse Pattern Generator)パルスパターン発生器の略記。デジタル通信をしている伝送路やシステムの評価をするBERT(Bit Error Rate Test、ビット誤り率試験、バート)はPPGとED(Error Detector、エラー検出器)の組み合わせて構成される。以前はPPGとEDは別筐体だったが、最近はモジュール化されて1台でBERTができるモデルが多い(たとえばアンリツMP1900Aシグナル クオリティ アナライザなど)。

ppt(ぴーぴーてぃー)

parts per trillionの略。1兆分率。1兆分のいくらかという割合を示す数値。

ppb(ぴーぴーびー)

parts per billionの略。10億分率。10億分のいくらかという割合を示す数値。

PV(ぴーぶい)

(PhotoVoltaic) 太陽光発電。太陽電池パネルを使った発電。日本では全量買取制度(FIT、フィット)によって2012年から敷設が加速して広まった。 PVの保守・運用には日射計やPV用カーブトレーサであるI-Vチェッカが使われる(英弘精機が有名)。またパワコンなどの電力変換効率を確認にはデジタルパワーメータが使われる。PV用の保守測定器としては、電力関連機器&探査・試験器メーカの戸上電機製作所が、PVドクターシリーズという機種群をつくっている。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の3ページ目・・英弘精機の太陽光発電関連の測定器を取材。今後の再生可能エネルギーの動向も解説。 計測器情報:品名に「太陽光」が付く製品の例、英弘精機の製品の例、戸上電機のPVドクターシリーズの製品例

PV絶縁(ぴーぶいぜつえん)

太陽光発電(PV )で、活線状態で絶縁抵抗を測定する事、またそれができる測定器のこと。「PV絶縁抵抗計」の略記。一般的な絶縁抵抗計ではPVの絶縁抵抗は測定できない。PVの普及に伴い、マルチ計測器は「PVメガー」シリーズMIS-PV1/PV2/PVSを発売した。日置電機もPV用絶縁抵抗計IR4053/4055がある。絶縁抵抗計、接地抵抗計のラインアップが豊富な共立電気計器のPV絶縁抵抗計KEW6024PVの品名は「太陽光発電システム総合試験器」で、通常の絶縁抵抗計(メガー)、接地抵抗計(アース)、電圧計にPV絶縁抵抗計の機能がある。製品カタログには、「日中の発電状態でも短絡なしで、正確な絶縁測定が可能」とある。

pMOTION(ぴーもーしょん)

パワーエレクトロニクス関連の大手メーカであるMywayプラスのインバータエミュレータの名称。近年、各種のモータはインバータで制御されている。たとえばエアコンはインバータがモータの回転数を適切に制御して省エネを実現する。自動車のEV化は、モータ、インバータ、バッテリなどの進化によっている。モータを試作しても、インバータがないと(モータを回せないので)評価ができないが、pMOTIONを使うと(pMOTIONはインバータの代わりをするインバータエミュレータ、インバータを模擬する製品なので)、インバータが開発されるのを待たずにモータを駆動させて各種の性能を計測することができる。 Mywayプラスの事業は大きく3つあり、開発ツール(回路シミュレータのPSIM(ピーシム)や、モデルベース開発ツールのTyphoon HILなど)、試験用電源・バッテリ充放電試験システム(電力回生型双方向電源のAPL2やpCUBEなど)、モータやインバータの評価システム(インバータエミュレータ pMOTION、リアクトル評価装置、モータエミュレータ)である。