計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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入出力ケーブル(にゅうしゅつりょくけーぶる)

(Input/Output Cable)変換器から取り外しのできない結線されたケーブル。参考「付属ケーブル:変換器から取り外しのできる、標準として付属している入出力用のケーブル。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

入出力抵抗(にゅうしゅつりょくていこう)

(Input/Output Resistance)無負荷で入力および出力端子を解放した状態で測定した入力および出力端子間の抵抗(Ω)。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

ニューラルネットワーク(にゅーらるねっとわーく)

問題解決能力を持った人工ニューロン(neuron:神経細胞)のモデルのこと。

入力インピーダンス(にゅうりょくいんぴーだんす)

オシロスコープの入力端子から見たインピーダンスを入力インピーダンスと呼ぶ。下図のように1MΩ入力のオシロスコープには、一般に入力抵抗1MΩと等価的に10~30 pF程度のコンデンサが入力端子とGND(グランド)の間に結合された形となる。オシロスコープで特に注記されているが、入力がある機器(計測器)には入力インピーダンスが存在し、低周波の測定器では「入力抵抗」と表現されていることもある。

入力カップリング(にゅうりょくかっぷりんぐ)

(input coupling) オシロスコープの機能の1つ。入力端子に接続した信号を垂直軸回路と結合させる回路を入力カップリングと呼ぶ。カップリングには下図のように3種類ある。 (1)ACカップリング:コンデンサを通して結合する。直流成分がカットされる。ほぼ同じ機能にオフセットがあり、場合によって使い分けられている。 (2)DCカップリング:直接入力信号を垂直軸回路に結合する。(3)GNDカップリング:垂直軸回路をGND(グランド)に接続する。ゼロボルトの表示ラインを目盛りに合わせるのに使用する。 オシロスコープのトップベンダ、テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年発行)には次の説明がある。「カップリング:2つの回路の接続方法。導線で直接接続されているのがDC(直接カップリング)であり、コンデンサまたは変圧器で接続されているのがAC(間接カップリング)。」 入力カップリングを「入力結合」と表記している場合もあるが、結合の英語はcombiningやjoinである。テクトロニクスの解説のように、英語のcouplingをそのままカタカナで「カップリング」という日本語にするのが妥当(適切)といえる。 入力信号をトリガ回路に接続するトリガカップリングもある。 計測器には「入力カップリング」という名称の製品はほぼないが、「カップリングアダプタ」が品名のモデルはある(以下の計測器情報を参照)。

入力感度(にゅうりょくかんど)

(input sensitivity) オシロスコープ(オシロ)の仕様の1つ。画面の縦軸目盛りを基準に定義されている、電圧感度のこと。オシロは入力に印加された電圧に比例して縦軸方向に輝線の位置が変化して信号(電圧の)変化を観測する。入力電圧に対して輝線が何目盛り振れるかが感度となる。入力感度はV/div(divは1目盛りで、1目盛りあたりの電圧)で設定する、縦軸の感度である。オシロの画面にどの程度の大きさで(縦軸、つまり電圧)を表示するかの設定のことなので、「縦軸の描画範囲」といえる。感度というとまるで精度のように感じるが、電圧の測定精度は分解能(A/D変換器のビット数)で決まっている。精度ではなく、どのくらいの大きさで画面に描画するかの設定を入力感度(電圧感度)と呼んでいる。デジタルの数値表示をするDMMなどのレンジに相当するともいえる。 安価なモデルは入力感度の幅が狭く、ミドルクラス以上になると広くなる。モデルによって入力感度が異なるため小振幅の信号を観測する際は注意が必要である。通常のベンチトップモデルは10div(10目盛り)だが、ポータブルになると8divのモデルも多い。

入力雑音電力(にゅうりょくざつおんでんりょく)

(Input noise power) 雑音源から回路に入力される雑音電力。入力雑音電力Ni[W]は計算上、雑音電圧の2乗を入出力インピーダンスの4倍で割った値となり、下式で与えられる。電気通信分野における増幅器(アンプ)等の雑音計算や雑音評価には、この(等価)入力雑音電力が使用される。

入力電源(にゅうりょくでんげん)

通常、商用交流電源のこと。直流電源装置や交流電源装置の入力電源は、国内ではAC100V単相、AC200V単相、AC200V三相のいずれかで周波数は50Hzまたは60Hz。DC/DCコンバータ、DC/ACインバータなどの入力電源は、バッテリーなどの直流入力なる。(株式会社高砂製作所の用語集より)

任意(にんい)

(arbitrary) 信号ジェネレータにあらかじめ用意されている標準波形ではなく、個別の希望やニーズに合わせて定義される波形(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。任意の波形を出力できるのが、任意波形発生器(AWG:Arbitrary Waveform Generator)である。

任意波形ジェネレータ(にんいはけいじぇねれーた)

(Arbitrary Waveform Generator) 「任意波形発生器」のこと。計測器の名称としては任意波形発生器のほうが一般的。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では以下の説明がある。「任意波形ジェネレータ:アナログ信号発生器やミックスド信号発生器の一種で、メモリ上で作成された任意のアナログ信号を出力できる。ストアされたデジタル・データ(AC 信号の絶えず変化する電圧レベルを記述したもの)に基づいて波形を発生する高機能の信号再生システム。」。同社にはAWG5200、AWG70000Bなどのモデルがある(2022年3月現在)。AWG70000Bの周波数は最大20GHzで、MIMOなどの移動体通信の開発に使われるなど、通信のアプリケーションもあるが、当サイトではAWGは信号発生器(通信)ではなく信号発生器(汎用)に分類している。AWGのことを「任意信号発生器」と表現している計測器メーカもある。

任意波形発生器(にんいはけいはっせいき)

(Arbitrary Waveform Generator) 任意の波形信号を作成し、発生する測定器。AWGやアービタリージェネレータと表現、表記されることも多い。信号発生器の1種だが、SG(高周波の標準信号発生器)と区別して、ファンクションジェネレータ(FG)と同じ、低周波(RFではないという意味)の発生器に分類されることが多い。ただしパルス発生器(PG)や、一部のAWGは十分にRF帯域の周波数を出力できるので、それらはSGと同様に高周波の測定器である。たとえば無線通信規格のMIMOの評価には高周波の仕様の高額なAWGが使われる。余談だが、FG、SGなどの定義は難しく、広義には色々な意味で使用されるので、文献によっては何をさしているかを見極める必要がある。

任意波形/ファンクション・ジェネレータ(にんいはけいふぁんくしょんじぇねれーた)

(Arbitrary waveform Function Generator) アナログ信号発生器やミックスド信号発生器の一種で、安定した標準的な形状の波形を生成する(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。同社はAFGと略記している。同社はAFGとAWG(任意波形発生器)を別の機種群に定義している。当サイトではカテゴリー「信号発生器(汎用)」の中で、FG(ファンクションジェネレータ)とAWG(任意波形発生器)を別区分にしているが、ひとつのカテゴリー「FG/AWG」にしている解説書もある。FGとAWGは以前は別の機種群だったが、最近は両方の機能を持った、どちらに分類してよいか迷うモデルがある。FGが機能を進化させて、AWGの機能を取り込んできたために、「単なるFGではない、AFGである」というメーカの主張かもしれない。岩崎通信機が2020年にFGの新製品、SG-4200シリーズを発売した際、「FGとAWGのどちらか?」と聞くと「両方である」とはっきり即答されたことが印象的であった。テクトロニクスはAFGを以前からラインアップしていて、「任意波形/ファンクション・ジェネレータ:テクトロニクスのFGの品名」だったが、最近は他社製品もあり、そうは言えなくなった。テクトロニクスにはAFG1000、AFG2000、AFG31000などのモデルがあるが、同社HPの品名は「任意関数発生器」である(最近変更になったと思われる。2022年3月)。