AFM
(Atomic Force Microscope)
原子間力顕微鏡。カンチレバー(片持ちバネ)の先端にある探針を試料(測定対象)に近づけると、表面原子間に働く力(原子間力)によってカンチレバーがたわむ。微小なたわみをレーザーで検出して形状を画像化する。探針は先端が非常に鋭い針になっていて、物質の表面をなぞることで原子レベルの解像度で3次元形状を観察・測定する。絶縁体や湿った環境でも測定でき、ナノテクノロジー分野で利用される。SEM(走査電子顕微鏡)と並び、nm(ナノメートル)オーダの分解能があり、最も小さい物が見られる顕微鏡である。
SEMは導電処理が必要だがAFMは不要。ただし測定できる範囲が狭い。分解能は高いが、水平測定範囲(スキャンサイズ)は最大100μm(マイクロメートル) x 100μm(= 0.1mm四方)程度まで、垂直測定範囲(高さ)は数μmまで。測定領域が数μm〜100μmに限られ、高低差が数μm以上あるような凹凸の試料の測定は難しく、操作にも熟練が必要。つまり高倍率で狭い範囲を見るのに適していて、低倍率には向かない。
測定機器には測定できる範囲と分解能があり、顕微鏡も光学顕微鏡、SEM、AFM、レーザー顕微鏡、マイクロスコープなどが用途によって使い分けられている。余談だがこれら機器の正確な定義や違い(性能、測定範囲など)を説明するのは難しい(各メーカが自社に優位な主張をしているため、この分野のオーソリティーでも公平な見解・解説は難しいと筆者は思う)。
AFMのメーカはオックスフォード・インストゥルメンツ(Oxford Instruments、1959年にオックスフォード大学から独立して創業)やブルカー(BRUKER、1960年にドイツで設立、核磁気共鳴や質量分析計、X線回折装置などの科学分析機器の世界トップメーカ)がある。国産では、日立ハイテクはAFM100やAFM5500などのラインアップがある。JASIS(科学分析機器の専門展示会)やJSAP EXPO(半導体製造分野の機器が並ぶ応用物理学会の展示会)にはAFMを含む多くの分析機器が出展されている。
微細な先端の探針を走査して物質表面をなぞり、ナノレベルで形状を観察する顕微鏡を「走査プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)」という。AFMはSPMの最も代表的な手法である。
一般に業界内では「原子間力顕微鏡」ではなくAFMと呼称されているので、すでにAFMは日本語といえる。
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