計測関連用語集

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詳細説明

三栄測器

読み方:

さんえいそっき

カテゴリー:

#レコーダ・記録装置 #データ集録機器 #物理量測定器

1948年に創業し、1983年まであった老舗の計測器メーカ。正式な会社名は三栄測器株式会社。「レコーダのサンエイ」として有名で、東京都小平市(天神町など)に工場があった。計測器(記録計など)とME機器(医療機器)の事業をしていた。1983年に会社名はNEC三栄(株)になり2012年にNEC Avio赤外線テクノロジーとして終焉(日本アビオニクスに吸収)。三栄測器で約35年、それ以降はNEC傘下で約30年続いた会社。レコーダとアンプがエー・アンド・デイの工業計測器として継続している。
主力の機種群はレコーダとアンプ(絶縁アンプやひずみアンプ、シグナルコンディショナ)で、横河電機製作所(YEW)の計測器と似たラインアップである。計測器の代表的な機種群である記録計の主要なメーカは、1970年代までは横河電機、三栄測器、渡辺測器(現グラフテック)の3社である(日置電機がメモリハイコーダの初号器8801を発表したのは1983年)。3社のレコーダには各社特長があるが、3社ともに「レコーダの老舗で、わが社の歴史がレコーダの王道(当時としてはオシロスコープと並ぶ計測器の主要機種)」という自負が伺える。三栄測器のレコーダはオムニエースの通称(形名RT1000~RT3000、RA1000など)で普及した。鉄道関係に強く、たとえばひずみアンプAS1803Rは対ノイズ性能が高く、新幹線の応力測定で採用されている。
自動車メーカが多く採用していたDEWETRON(デュートロン)社のデータロガーの販売代理店を1990年代にしている。2007年頃に販売契約は無くなり、三栄測器(当時はNECが資本参加して社名は「NEC三栄」)はDEWETRONと競合するモデルを開発している。NEC三栄でDEWETRONを販売していた部署(特販部)は独立してデユートロン・ジャパンになった(現在はデュージャパン株式会社で、DEWETRONから分離したDEWEsoftを取り扱っている)。

NEC三栄は非接触温度計(サーモグラフィ)もラインアップしていた。同じくNEC系列でサーモグラフィをつくっている日本アビオニクス(※1)に、NEC三栄の計測器部門は吸収された(同社のME機器はNECの医療部門に統合吸収されている)。後にサーモグラフィ以外の計測器(レコーダやアンプ)は株式会社エー・アンド・デイ(秤などの計量器のメーカ)に譲渡された。結果だけ見れば、NECの事業再編によって、サーモグラフィをNECグループ内に強化し、それ以外の三栄測器の創業からの計測器は売却された。レコーダやアンプはエー・アンド・デイの工業計測機器として現在もラインアップが健在で、2020年3月にはデータアクイジション装置RA3100を発売している。
(※1) 日本アビオニクスは1960年に日本電気株式会社(NEC)と米国 ヒューズ・エアクラフト・カンパニーの合弁会社として設立(NECの連結子会社)。2019年に別の親会社(NAJホールディングス)の傘下になり、NECとの資本関係はなくなった。

三栄測器の計測器は社名変更が多いので、以下に概要を述べる。1971年11月にNECが資本参加。1983年4月にNEC三栄株式会社に社名変更。2006年6月に日本アビオニクスがNEC三栄を子会社化。2008年4月に社名をNEC Avio赤外線テクノロジー株式会社に変更(計測の老舗である三栄の名前は消滅)。日本アビオニクスは1976年に国産初のサーモグラフィを開発した老舗で、同社の赤外線技術部門をNEC三栄に移管してNEC Avio赤外線テクノロジーとした(サーモグラフィ用の初の国産センサはNECが2000年に開発している)。日本アビオニクスの沿革には「2008年にNEC三栄の赤外線事業を承継」とある。同社は2012年10月にNEC Avio赤外線テクノロジーを吸収合併し、三栄測器の後継会社は消滅した。2013年4月に三栄インスツルメンツ株式会社が設立される(旧三栄測器の営業マンが日本アビオニクスから独立)。2015年7月に株式会社エー・アンド・デイに計測事業(レコーダやアンプ)を譲渡。2021年4月にエー・アンド・デイは三栄インスツルメンツを吸収合併。こうして、三栄測器の計測器はエー・アンド・デイの工業計測機器として存続している。

三栄測器は1980年代から2006年までNEC三栄(日本電気三栄 ※2)としてレコーダ(オムニエースやビジグラフなど)と絶縁アンプという低周波の基本測定器の老舗メーカとして存在感を示した(2006年以降は社名から「三栄」の名前はなくなった)。現存する過去の記録計などの製品カタログは1980年代~2000年代の日本電気三栄名義のものが多い。1980年代は三栄のビジグラフと横河のフォトコーダ電磁オシログラフの代名詞で、記録計では三栄と横河はお互いに認めるコンペチタだったと筆者は思う。
(※2) NEC三栄とは別に日本電気三栄という会社名がある。三栄測器は日本電気三栄に社名変更したが、NECが1996年4月に三栄エンジニアリング(1977年設立)に出資するのと同時に、日本電気三栄の通称だったNEC三栄に社名変更した、という記録がある(ただし、いつ日本電気三栄が生まれたかはわからない)。筆者は1998年にNEC三栄と名刺交換している。三栄測器は会社名が何度も変わり、記録は散逸してわからないことが多い。

計測器情報:
レコーダ(オムニエース)の製品例
ACストレインアンプASシリーズ
チャージアンプAG3103

参考用語
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