記録計
電圧信号の変化を紙やメモリに記録する測定器。別名:レコーダ。記録計には大きく2種類ある。オシロスコープがデジタル化してメモリに記録できるデジタルオシロスコープになったように、記録計もデジタル化、メモリ化して、メモリレコーダになった。日置電機は1983年にメモリレコーダの初号機8801メモリハイコーダを発売している。三栄測器(現エー・アンド・デイの工業計測機器)もオムニエース
の通称でRAシリーズを作っている(最新モデルRA3100は2020年に発売)。横河計測はDL750/850/950/350というスコープコーダシリーズがある。
これらメモリレコーダとは別に、IA(インダストリーオートメーション)メーカがつくる記録計がある。DCSやPLC
などの計装機器のメーカである横河電機は、温度、流量、圧力などをセンシングして制御するために、センサからの信号を記録する各種の製品をラインアップしている。ペーパーレス、小型、遠隔操作・遠隔へのデータ送信などが特長である。工業用の記録計、チャートレコーダμR10000/μR20000やペーパレスレコーダ GX10/GX20、GP10/GP20、表示が無くユニットをスタックしてチャンネルを増やせるデータロガーのSMARTDAC+™データアクイジション システム GMなどがある。これらは計測器というより、計装用のセンサなので、操作部や表示部は極力無くし、印刷機能も無く、イーサネットなどでデータを中央に送る機能に優れている。
温度の計測・制御に特化したIAメーカであるチノーも、横河電機と同じような計装ユースの記録計をつくっている。日置電機、三栄測器、横河計測は、いわゆる電気計測器メーカだが、横河電機やチノーは計装(IA)メーカである(チノーは計測器である温度計もつくっている)。
計測器としてのメモリレコーダと、計装ユースの工業用記録計は用途やニーズ、仕様が違う。横河には2系統の記録計があり、知らない人は、そのモデルの記録計は(計装の会社である横河電機か、計測器メーカの横河計測の)どちらの会社がつくっているのかわかりにくい。
参考記事:
メモリレコーダの基礎と概要
・・・メモリレコーダのトップベンダ、日置電機の製品画像を多数掲載。
記録計・データロガーの基礎と概要
・・・レコーダ/データロガーの老舗である横河電機の製品画像を多く掲載(横河計測はメモリレコーダなので掲載していない)。