アクティブプローブ
(active probe)
オシロスコープのプローブにはパッシブプローブ(受動プローブ)とアクティブプローブ(能動プローブ)がある。受動素子(LCR:コイル、コンデンサ、抵抗器)で構成されたのが受動プローブ、トランジスタのように電源供給が必要な能動素子を使っているのが能動プローブ。
広義のアクティブプローブは上記だが、狭義には(通常は)「電圧プローブでシングルエンド(差動ではない)プローブ」を指している。別名、FETプローブやシングルエンドプローブ。メーカによっては「シングルエンドプアクティブローブ」と呼称している場合もある。
アクティブプローブはパッシブプローブよりも入力容量が小さいため(約1pF)、高い周波数を測定できる(パッシブプローブの周波数帯域は500MHz程度)。2005年に広帯域オシロスコープの走りであるキーサイト・テクノロジーの54855A(周波数帯域6GHz)が発売されたとき、シングルエンドか差動のどちらかのアクティブプローブを選択した。つまり、G帯域のモデルではアクティブプローブを選択して使用することになり、ミドルクラスの500MHz(~1GHz程度)までのモデルのように標準プローブは添付されていない。測定対象や条件によって使用者が適切なプローブを選択する。
2000年代以降に広帯域オシロスコープの周波数帯域が数十GHzに性能アップしたので、アクティブプローブも進化して、数十GHzに対応するモデルが発売されている。特に差動プローブは高速なシリアル通信だけでなくパワーエレクトロニクス分野でも需要があるり、高速オシロスコープのメーカ(テクトロニクス、キーサイト・テクノロジー、テレダイン・レクロイなど)は、注力してラインアップを増やしている。(以下の参考記事、「プローブの種類」が詳しい)
電源が必要なため、別筐体の電源ユニット(ACコンセントにつないで、プローブにDC電圧を供給する)、内蔵電池、オシロスコープからの電源供給、のどれかで電源供給を行っている。最近のオシロスコープは高機能化していて、プローブとの勘合が単なるBNCコネクタではなく、メーカ独自の規格(プローブ・インタフェース)になっていることが多い。そのため、アクティブプローブやAC/DCプローブはオシロスコープとプローブを同一メーカで揃えることが多い。プローブ・インタフェースによってオシロスコープ本体がプローブを認識するので、補正や表示など、同一メーカだと使い勝手が良くなる。