計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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バースト発振(ばーすとはっしん)

連続しているのではなく、ある間隔をおいて送出される信号をバースト信号という。ファンクションジェネレータ(FG)にはバースト信号の発振機能がある。バースト発振にはオートバースト、トリガバースト、ゲート、トリガゲートなどの種類がある。 バーストの計測器というと、各種の高周波ノイズを発生するEMI試験器の代表であるバーストノイズシミュレータがある。計測器の品名にバーストが出てくるモデルが多くある。

波高率(はこうりつ)

最大値の実効値に対する比。 測定器の入力のレンジの何倍の入力まで線形に動作するかを表す。波高率=最大値/実効値。正弦波の場合、波高率=√2 / 1=1.41。別名:クレストファクター。(共立電気計器株式会社の用語集より)

パターン・エディタ(ぱたーんえでぃた)

信号発生器の統合編集ツールで、パターンの時間と振幅の両方を編集、変更することができる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

パターンジェネレータ(ぱたーんじぇねれーた)

(pattern generator) パルス波形とパルスパターン波形を作成して出力できる信号発生器。一般にパルスジェネレータは単純なパルス列(方形波)を1~2ch出力するが、より複雑なロジック・パターン(パルスパターン)を出力する特殊なパルス発生器をパターンジェネレータと呼ぶ。代表例はBERT(ビットエラーレート試験)に使う信号発生器であるPPG(パルスパターンジェネレータ)がある。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「パターンジェネレータ:ロジック信号発生器の一種で、多数のチャンネルのデジタル・パターンを生成する」とある。ロジックアナライザ(ロジアナ)の機能(オプション)にはパターンジェネレータ(任意のロジック・パターンを多chで出力する)があり、ロジック回路の論理機能試験に使われる。 このようにロジアナ(テクトロニクスやキーサイト・テクノロジー)や、伝送路の品質評価に使うPPGなどの通信の測定器(アンリツやキーサイト・テクノロジーなど)にパターンジェネレータは使われている。パターンジェネレータをデータジェネレータと呼ぶメーカもある。また前述のテクトロニクスの用語解説でわかるように、同社はロジック信号発生器という呼称を好んで使っているが、キーサイト・テクノロジーやアンリツはパターンジェネレータやパルスパターン発生器のような表現が多い(「ロジック信号発生器」なる表現はしていない)。 また上記のテクトロニクスの説明では「パターンジェネレータは多ch」といっているが、通常、パターンジェネレータは1ch(または2ch)で、多チャンネルの場合はparBERT(パラバート、キーサイト・テクノロジーの多chのBERT、パラレルバート)などの製品になる。テクトロニクスの解説はロジアナについての解説で、一般的なパターンジェネレータは、アンリツやキーサイト・テクノロジーなど、BERTをラインアップするメーカのモデルを指していることが多い。メーカによって解説が異なる好例といえる。 TV信号には国別に違う方式があり(NTSCやPAL、ISDB-Tなどの規格)、それらのパターンの発生器をパターンジェネレータと呼称している。このようにロジアナや通信計測器、テレビ・映像測定器で使われる用語だが、それ以外の測定器にも使われているケースもある。

発信器(はっしんき)

(transmitter)変調をしない正弦波やパルス波形を一定の周波数で連続して発生する安価な信号源。最近はファンクションジェネレータ(FG)が安格になったため、発信器は少なくなった。「発信器(発信機)は英語でtransmitter」、読み方は同音だが「発振器はoscillator」。発信は「信号を発する」、発振は「振動を発する」という意味。RC発振器は発信器ではない。現在の計測器では信号発生器のような発生器(generator)が多い。参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・・さまざまな信号発生器・発振器を列記して概説している。

発振器(はっしんき)

(oscillator) 日本語でオシレータと呼称されることも多い。発生器(generator、ジェネレータ)よりも古く、計測器では、オーディオで使われるRC発振器がある。1920年代の最新の記録計に電磁オシログラフがある。オシログラフとは「oscillation(発振)やoscilator(発振器)のgraph(図、形状)」という意味で、発振の波形記録が当時のレコーダの役目だったことがわかる。「oscillation(発振)を見る(観測する)機器」がoscilloscope(オシロスコープ)である。このようにオシレータ、発振器は計測器の基礎となる機器(用語)であるが、現在の現役モデルは圧倒的に発生器(ジェネレータ)の方が多い。 発振は「振動を発する」という意味で、同じ発音の発信器は「信号を発する」ものである。以前は計測器として安価な発信器(transmitter)があったが、現在は発生器(generator)が安価になったので、それに取って代わり、発信器はほとんどなくなった。

発生器(はっせいき)

(generator) 電気的な物理量を出力する機器のこと。計測器としての代表的な発生器としては信号発生器(signal generator)がある。具体的にはパルス発生器(パルス信号発生器)や任意波形発生器、RF信号発生器 、映像信号発生器、ファンクションジェネレータ、白色雑音発生器、デジタル信号発生器、掃引信号発生器、FG、SGなどたくさんの機種群がある。必ずしも「信号発生器」という名称ではない。 信号以外には、圧力発生器や直流電圧電流発生器、SMUなどがある。 電源(計測用電源としての安定化電源)や光源も発生器だが、「源(source)」という漢字を使い発生器とは呼ばれない。信号発生器と電源では信号かそうでないか(電源は電力を発生する源)で区別されるが、圧力は圧力発生器ではなく「圧力源」でもおかしくないが、源でなく発生器と呼ばれている。光通信測定器の光源は「光信号発生器」であるが、あまり「光信号」という表現はせず、光源と呼称されている。使い分けの正確な定義は難しい。電流電圧発生器と安定化電源(CV/CC電源)との違いは、SMUなどの電流電圧発生器は安定化電源より出力精度が高いことで、交流電圧電流発生器は標準器も多い。SMUとCV/CC電源の違いは以下の記事を参照のこと。 参考用語:発信器・・発振器とは違う。

パラレル・デジタル出力(ぱられるでじたるしゅつりょく)

デジタル出力の一種で、信号発生器のメイン・アナログ出力と同じメモリからデジタル・データを出力する。メモリには、アナログ出力上に存在する波形サンプル値と等しいデジタル値をストアできる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

パルスジェネレータ(ぱるすじぇねれーた)

(pulse generator) 半導体素子やその回路の試験用にパルス波形を発生する測定器。別名:パルス発生器、パルス信号発生器。略称:パルジェネ。略記:PG。周波数、デューティ、出力電圧などのパルス・パラメータを任意に設定できる方形波発生器。高速シリアル伝送の評価用に疑似ランダムパターンを発生できるモデルもある(キーサイト・テクノロジーの81134Aなど)。出力は普通1~2chで、単純なパルス列を発生する機能しかない。複雑なパルス・パターン(ロジック・パターン)を多chで出力するものに、パターンジェネレータがある。パルス・パターンを多chで出力できるので、ロジックアナライザのオプションだったり、PD(パターン検出器)とペアでBERT(ビット誤り率試験)だったりと、特定のアプリケーションに対応している。 参考用語:方形波、擬似ランダム・ビット・ストリーム 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・パルスジェネレータ(パルス信号発生器)を含む、信号発生器のおおまかな種類の説明が冒頭にある。 計測器情報:品名に「パルスジェネレータ」が付く製品の例

パルス・タイミング・ジェネレータ(ぱるすたいみんぐじぇねれーた)

テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説によれば「パルス・ジェネレータに類似しているが、遅延やチャンネル間のスキューなどのパルス・タイミング制御が追加されている。出力信号電圧および立上り時間のパラメータ制御も用意されている。」とある。つまり、パルスジェネレータにタイミング機能があるものと読み取れるが、同社HPで「パルス・タイミング・ジェネレータ」を検索してもヒットしない。同社にはこの品名の現役モデルはない(2022年3月)。

パルスパターン(ぱるすぱたーん)

(pulse pattern) デジタル信号はhigh/low(1/0)の組み合わせの特殊な方形波で、意味のあるデータを2進数にして伝送する。1と0がランダムに続く信号をパルス列やパルスパターンと呼ぶ。デジタル伝送の送信機器~伝送路~受信機器までのシステム全体の品質評価をする指標にBER(ビット誤り率)がある。この測定は任意のパルス列(パルスパターン)を出力できる特殊なパルス発生器であるPPG(パルスパターンジェネレータ)と、ED(エラーでテクタ)の組み合わせで行う(現在はPPGとEDが1筐体に収まった製品が多い)。

パルス・パターン・ジェネレータ(ぱるすぱたーんじぇねれーた)

(Pulse Pattern Generator)通常はPPGと略記される、パルスパターン発生器。エラー検出器(ED:Error Detector)との組み合わせでビット誤り率試験(BERT:Bit Error Rate Test、バート)を行う。光通信などのデジタル通信の伝送品質の評価に使われるため、パルス列のパターンを作成し、高速に正確に出力できるパルスジェネレータ(PG)の1種。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「ロジック信号発生器の一種で、少数の出力チャンネルから方形波またはパルスの列を、通常は非常に高周波で生成できる。パルス・ジェネレータとも呼ばれる。」とある。PPGはPGの1種だが、両者の区別は、BERTの時はPPGと呼ぶなど特別なアプリケーション時にPPGという表現が使われている。

パルス発生器(ぱるすはっせいき)

(pulse generator) 精度の良い方形波 (矩形波)を出力する信号発生器。英語をそのままカタカナにしたパルスジェネレータと呼ばれることも多い。略記:PG。 標準信号発生器(SG)などは主に正弦波 (サイン波)を出力する。パルスジェネレータは矩形波を出力する。その他の三角波やのこぎり波などの波形はファンクションジェネレータ(FG)が出力する。より複雑な波形パターンは任意波形発生器(AWG)による(ただし、最近はFGとAWGの境が曖昧になっている)。 ロジックアナライザで使うロジックパターンや、デジタル通信で使うパルス・パターンはパターンジェネレータが出力する。たとえばビット誤り率の測定用のパルス発生器はPPG(パルスパターンジェネレータ)と呼称されている。 参照用語:発生器、データ・パターン・ジェネレータ

PRBS(ぴーあーるびーえす)

有限長のビットパターンを周期的に発生させ、(なるべくパターン長を長くして)ランダム信号に近づけたもの。伝送用のテストパターンとして使われる。日本語では「擬似ランダム信号」だが、他の言い方もされている。Pseudo Random Bit Sequence(擬似ランダム・ビット・シーケンス)。Pseudo-Random Binary Sequence(疑似ランダム2値信号列)。

PG(ぴーじー)

2つ意味がある。 1.Pulse Generator の略記。信号発生器の代表的な1つで、日本語ではパルス発生器、パルス信号発生器、パルスジェネレータ、パルジェネなどと呼称される。方形波(矩形波)の発生器の1種で、デューティ を可変できる。ファンクションジェネレータは正弦波、三角波、方形波など多くの波形信号を出せるが、方形波に限定して、精度よく出力できる発振器をPGと呼ぶ。パルスの幅(時間)は特に規定が無い。高速有線通信の伝送評価用に誤り率試験機(パルス発生器と検出器のセット)があり、この場合のPGをPPGやパターンジェネレータと呼称している。 2.Power Groundの略。大電流が流れるパワーラインの、電源コモンへのリターン回路をパワーグランドという。プリント基板では、SG(シグナルグランド)とは別に設計される(アートワーク)。 当サイトでは「PGはパルス発生器」と解釈して、カテゴリー「信号発生器(汎用)」に登録しているが、厳密には通信の測定器でもある(PGには高周波のRF帯域まで出力できるモデルが多い)。 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・PG(パルス信号発生器)を含む、信号発生器のおおまかな種類の説明が冒頭にある。 計測器情報:品名に「パルスジェネレータ」が付く製品の例

PPG(ぴーぴーじー)

(Pulse Pattern Generator)パルスパターン発生器の略記。デジタル通信をしている伝送路やシステムの評価をするBERT(Bit Error Rate Test、ビット誤り率試験、バート)はPPGとED(Error Detector、エラー検出器)の組み合わせて構成される。以前はPPGとEDは別筐体だったが、最近はモジュール化されて1台でBERTができるモデルが多い(たとえばアンリツMP1900Aシグナル クオリティ アナライザなど)。

評価(ひょうか)

信号発生器の用語として次の解説がある。「コンポーネントやデバイス、システムの動作や性能限度を決定すること。これは、信号発生器の一般的な用途であり、ストレス・テストやマージン・テストもその一環として行われる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)」

ピンクノイズ(ぴんくのいず)

(pink noise)低周波になるほど大きくなるノイズ。高周波になると小さくなる(パワーが周波数に反比例する)。別名:フリッカ雑音、1/f(えふぶんのいち)ノイズ。ピンクノイズジェネレータは音響機器の周波数特性評価に使われる(通販で購入できる)。雑音にはその他に白色雑音(ホワイトノイズ)などがある。 参考用語:雑音指数測定器、雑音発生器、白色雑音発生器

ファンクションジェネレータ(ふぁんくしょんじぇねれーた)

(Function Generator)サイン波や方形波など様々な波形を発生する汎用的な信号発生器。FGと略記されることが多い。高周波の信号発生器である標準信号発生器(Signal Generator:SG)は原則サイン波しか出力しないが、FGは多くの機能(Function)があることが語源と思われる。国産No.1メーカのエヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)は「マルチファンクションジェネレータ」を品名にしている。その名の通り、excelで作成したデータをインポートして出力できるなど、任意波形発生器(AWG)に近い機能を備えている。テクトロニクスは高周波も出力できる機種群をラインアップするなどAWGのNo.1メーカだが、2000年代に同社はAFGシリーズという、表示画面に出力波形が表示され、従来よりサイズが小さいモデルのFGを発売した。以降、エヌエフやキーサイト・テクノロジーというFGの主力メーカも小型の波形表示タイプをこぞって発売した(たとえばエヌエフのWF1973/1974など、AFGの発売から1年後には発売されている)。デジタルマルチメータ(DMM)やFGは長年、デジタルの数値表示だったのが、今では波形が表示されるモデルが主流である。 岩崎通信機が2020年発売のSG-42xxシリーズの品名は「任意波形/ファンクション・ジェネレータ」で、FGとAWGは境界があいまいになる傾向である。FGがアナログ方式からDDS技術によって任意波形の作成ができるようになったため、FGとAWGの堺がなくなりつつある(以下の参考記事を参照)。 計測器メーカとしては世界的にはキーサイト・テクノロジーが有名だが、日本ではエヌエフがシェアが高い。テクトロニクスや岩崎通信機もラインアップがある。横河計測は2021年現在、現役モデルが無く撤退したと思われる。テクシオ・テクノロジーやリゴルなどの中華系メーカもラインアップを増やしている。FGは、オシロスコープやDMMと並ぶ、汎用測定器の代表カテゴリーである。 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・FGがDDS方式になりAWG機能をもったことが解説されている。 計測器情報:ファンクションジェネレータの製品例、任意波形発生器(AWG)の製品例

フォーティブ(ふぉーてぃぶ)

(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器