2018年9月現在の情報を掲載しています。概要
周波数を24GHz帯から70GHz超に拡張しようとすると、無線信号がRF/マイクロ波帯とは異なる動作をするため様々な課題が生じます。
W1908 オートモーティブ・レーダー・ライブラリには、そのような課題に直面している車載レーダーシステムの設計者/開発者向けに特化したリファレンスデザインが含まれています。
このライブラリは、W1905 レーダー・モデル・ライブラリの一部のブロックに加えて、車載レーダー向けに新たに用意されたブロックを含め、40種類以上のモデルを提供します。
さらに、リファレンスデザインや車載レーダー用のサンプルが付属しています。W1908オートモーティブ・レーダー・ライブラリのユニークな歩行者(pedestrian)モデルを使用すれば、ユーザー独自のシナリオを反映した信頼性の高いデザインを実現できます。
W1908 オートモーティブ・レーダー・ライブラリの対象者
・ 独自のレーダー波形デザイン、到来方向(DoA)の計算、マイクロドップラー効果検出などの検証をしたい車載レーダー・ベースバンド・アルゴリズム開発者
・ 送受信アンテナチャネル数、天候、クラッターなどの影響を評価したい車載レーダーシステム設計者
SystemVueは、他のさまざまなドメインとベースバンドアルゴリズム開発者との連携をサポートします。
SystemVueを使用して、テスト機器にダウンロードする基準信号を作成できるだけでなく、テスト機器で捕捉した信号を後処理することも可能なので、仮想検証システムを低コストで実現できます。
図1. SystemVueのW1908 オートモーティブ・レーダー・ライブラリでFMCW波形を作成して、キーサイトの任意波形発生器にダウンロードできます。
これにVDI小型アップコンバータとLO信号源を組み合わせて、70 GHz超の周波数帯で信号を出力できます。
オートモーティブ・レーダー・ライブラリには複数のサンプルが付属しており、シナリオ作成を容易に開始できます。そのうちの1つにマルチターゲット検出があります。
このサンプルでは、送信信号、複数のターゲットエコー、ターゲットの速度/距離を表すビート周波数などの信号を生成します。ダウンサンプラで
サンプルレートを落とすことで、車載レーダーのベースバンド用で一般的なADCをシミュレートし、その信号をFFT処理してビート周波数のピークを検出できます。
さらに、MATLABスクリプトを使用してマルチターゲット検出を実行し、ターゲットプロットに測定距離と速度の結果を表示できます。
図2. SystemVueはFMCW車載レーダー信号を使用してマルチターゲット検出を実行し、すべてのターゲットの測定距離/速度を距離対速度ダイアグラムに表示します。
図3. SystemVueのW1908 オートモーティブ・レーダー・ライブラリでは、3つのレイヤ(軌道レイヤ、アンテナレイヤ、信号レイヤ)で信号を定義することで、車載レーダーの3次元スキャシミュレーションが実行できます。
詳細な情報
ライブラリおよび関連のトレーニング/コンサルティングサービスについては、計測お客様窓口に直接お問い合わせください。
SystemVueのすべての構成を見るには、SystemVueの製品構造とオプションのまとめを参照してください。
◆実例に沿った車載Radarシミュレーションをご紹介するSytemVue 体験セミナーを開催しています。(無料、事前登録制)
ぜひご参加ください。
■主な特長と仕様
・ 送信信号の作成、送信チャネル/アンテナ、ターゲット/環境、受信チャネル/アンテナ、信号処理などの包括的なモデルをデザインフローで使用して車載レーダーの開発/検証が可能です
・ 線形FMCWマルチターゲット検出や車載レーダー3次元スキャンなどの実用的なワークスペースサンプルを使用して、すぐに検証を開始できます
・ キーサイトの計測器(任意波形発生器、ベクトル信号発生器、ベクトル・シグナル・アナライザ)へのハードウェアインタフェースを利用して、シミュレーションと測定データの比較による現実的な考察が可能です