市場動向詳細

お客さまに使いこなしていただくために! サービスに注力するキーサイト・テクノロジーがトレーニングを語る

【概要】
 世界最大規模の電子計測器メーカー、キーサイト・テクノロジーズ・インクは、無線通信、航空・宇宙・防衛、半導体の市場を中心に、幅広い豊富な製品群を展開し、そのために多数のトレーニングを開催しています。
 今回は、日本法人のキーサイト・テクノロジー合同会社の本社にお伺いし、ソリューションエンジニアリング本部テクニカルコンタクトセンター長の田丸氏に、同社のトレーニングへの取り組みや展望についてお話しいただきました。


Q:田丸氏の社歴と現在のお仕事を教えてください
1982年に横河・ヒューレット・パッカード株式会社に入社し、その後日本ヒューレット・パッカード株式会社、アジレント・テクノロジー株式会社、現在のキーサイト・テクノロジー合同会社と分社により社名は変わりましたが、ほぼ一貫してエンジニアリング部門に従事してきました。今で言うところの、計測器AE(アプリケーションエンジニア)に配属され、高周波分野を長く担当してきました。初めて配属された当時のAEチームは数人しかおらず、無線機の計測システムを、主担当として任されました。社会人となり最初の大きな仕事は、パーソナル無線の計測システムでした。流行ったこともあり、数多くのお客さまにシステムを導入いただきました。その後は無線以外にも分野を広げて、低周波から高周波まで担当しました。当時から当社の製品ラインナップは広く、しかしAEが少なかったので、様々な分野に対応できないと仕事が回りませんでした。プリセールスやポストサポートの他に、システムの構築もやりました。
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田丸 寿幸 氏
キーサイト・テクノロジー合同会社
ソリューションエンジニアリング本部 テクニカルコンタクトセンター長

2000年頃から、いわゆるマネージメント職に就きました。いくつかのポジションを経験しましたが、現在はテクニカルコンタクトセンターという、お客さまをお電話やメールなどオンラインでサポートをする部署のセンター長をしています。エンジニアリング部門のマーケティングの仕事もしていて、その中に当社のセミナー・トレーニングのビジネスがあり、それを伸ばすことも私の仕事です。


幅広い製品群の、その全ての製品を、お客さまに使いこなしていただきたい


Q:御社の強み・特長を教えてください
大きく2つに集約できます。1つは製品ラインナップの豊富さです。DCからミリ波まで、信号源もあれば、スペアナ・ネットアナ、光測定器から半導体の計測器、と豊富な機種群があることです。製品形態もボックスの物もあれば、モジュール型やハンディタイプの物もありますし、ソフトウエアもあります。それらを組み合わせたり、さらにカスタマイズするなど様々です。このように多様なお客さまのニーズにお応えできるのが強みであり特長です。

2つめは、それらの製品を支えるエンジニアの存在です。お客さまがご購入された計測器を使いこなし、課題を解決していただけるまで、能力の高さと気概を持ってサポートできる人材がいることが強みだと思っています。計測器も複雑化し、測定そのものも難しくなり、計測器をお客さまのデバイス(製品)と接続すること自体も困難な場合があります。これらを考えると、お客さまにいち早く結果を出してもらうためには、それらに精通したエンジニアの存在が不可欠です。


Q:多数のトレーニングコースを開催している理由をお聞かせください
世の中にある電子機器が高度な機能を持ったり、IoTと叫ばれるようにいろいろな物がネットワークに繋がったり、さまざまな技術革新が行われるにつれて、弊社の製品も複雑になっています。そのすべての製品について“お客さまに使いこなしていただく”ためにトレーニングを多数用意しています。トレーニングコース・カタログ(冊子)に掲載しているのは、基礎的な計測器の使用方法を説明するトレーニングが多いです。正確に理解しないと正しい測定ができないような測定器にはトレーニングコースが設定されています。

例えばスペクトラムアナライザ(当社では、スペクトラム以外の信号も解析できるため、シグナルアナライザと呼んでいます)やネットワークアナライザは、高度な使い方も習得していただかないと使いこなせない製品です。皆さん非常に簡単にスペクトラムアナライザなどをお使いになりますが、正確に測定器のことを理解していないと、正しく測定できている保証はありません。測定に注意が必要な測定器は、スキルの獲得が必須です。正確に理解しないと正しい測定ができないような測定器にはトレーニングコースが設定されています。


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