TechEyes

2018/07/25

市場動向レポート 「IoTを支える無線通信システム(5G/LPWA)と開発用の測定器」2018年8月号 TechEyes Vol.30

総務省の平成29年(2017年)版 情報通信白書によると、インターネットにつながるモノ(IoTデバイス※1)の数は、2020年には約300億に規模が拡大する見通し※2です。米国では、2023年に年間1兆個を超すセンサを活用する「Trillion Sensors Universe」構想が提唱されていますので、この見通しはセンサの個数と比べて控えめな数字かも知れません。IoT時代においては、多様なニーズに対応できる通信技術が求められます。水道・ガス・電力メータやセンサのような広域に拡散したIoTには、低消費電力で広域をカバーする低コストのLPWA※3通信ネットワークが提案され、建機の遠隔操作、遠隔手術、自動運転車のようなミッションクリティカルなIoTには、msオーダの低遅延時間で、高精細の画像をストレスなしで伝送できる広帯域の第5世代移動通信システム(5G※4)規格の策定が進んでいます。今号では、IoT市場の動向とIoTの基盤技術ともいえる5GとLPWAを概観し、開発用の測定器について触れます。

※1 (白書の注釈)IoTデバイスとは、固有のIPアドレスを持ち、インターネットに接続が可能な機器を指す。センサーネットワークの末端として使われる端末から、コンピューティング機能を持つものまで、エレクトロニクス機器を広範囲にカバーするものである。

※2 (白書の予測)第1部 特集 データ主導経済と社会変革-第3章 第4次産業革命がもたらす変革-第3節 IoT化する情報通信産業-1 爆発的に増加するIoTデバイスの項-図表3-3-1-1 世界のIoTデバイス数の推移及び予測を参照。2016年時点では約173億個である。

※3 Low Power Wide Area

※4 5th Generation、以下1G, 2G, 3G, 4Gも同様に各世代の通信システムを表す。

IoTの成長を支える無線通信技術5G、LPWAの概要

無線通信システムには様々な方式がありますが、ユースケースごとに最適な、信頼性の高いシステムが構築されてきました。図1に、X軸を通信距離、Y軸を通信速度にして、代表的な通信システムの中での5GとLPWAの位置づけを示します。私たちが使っている携帯電話はアナログ方式の第1世代(1G)から、2G、3Gと進化を遂げ、現在では4Gのスマートフォンが大半を占めるようになりました。そして、次に来るのは5Gで、わが国をはじめ世界各国で5Gの早期実現に向けた取り組みが行われています。冒頭に記したように、5Gは、高速通信と低遅延を実現した通信方式になることが検討されていますので、この特性を活かした応用がIoTの世界でも広がっていくと期待されます。一方LPWAは、携帯電話にくらべて通信速度は遅いものの、低消費電力が特徴で、数10kmの広域な信距離をカバーでき、低コストで通信システムが構築できます。LPWAの実用化で先行しているIoTサービスプロバイダの仏Sigfox社から、水道メータをスマート化した大規模のLPWAネットワークが水企業に数年前から実導入されるなど、LPWAの応用が広がりつつあります。

図1 各種通信システムの中での5GとLPWA通信システムの位置付け
図1 各種通信システムの中での5GとLPWA通信システムの位置付け

注)図の各通信方式のカバー範囲はイメージで、通信距離、通信速度ともに、正確なものではない。 オレンジ文字はセルラー系を示す。

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