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2017/09/21

アナライザあれこれ 第2回「ロジックアナライザ」

第2回はデジタル機器の開発、ファームウェアのデバッグで活躍するプロフェッショナルのためのツール”ロジックアナライザ”です。


● 概要

ロジックアナライザは、通称ロジアナと呼ばれます。CPUボードなどのデジタル回路に流れる信号を測定し、その測定値から論理状態(2進の"0","1")を識別し、表示します。ロジックアナライザの最大の特徴は、測定チャネル(以下CH)数が多いことです。高速な信号を同時に多CHで測定します。測定は、大きく分けて2種類あります。タイミング測定とステート測定の2種類です。

主要メーカは、キーサイト・テクノロジーとテクトロニクスです。


● 種類・構成

ロジックアナライザ(一体型)

図2.
ロジックアナライザ(一体型)
TLA5204B

機器構成例

図1.
機器構成例: ロジックアナライザ本体 (モジュラー型) 、ディスプレイ、キーボード、マウスをつけて使用

2つの形態の機種があります。一体型とモジュラー型です。

A) 一体型
■構成 本体+POD+プローブ
■例 キーサイト・テクノロジー16802A、テクトロニクスTLA5204B
B) モジュラー型
■構成 メインフレーム+(モジュール+プローブ)×1 以上
■例 キーサイト・テクノロジー 16900 / 16700シリーズ

持ち運びが容易な一体型は、現地調整で活躍します。開発部門や工場での検査では、モジュラー型が使われます。大規模なシステムの検査では、1000CH以上を同時に測定することもあります。

モジュラー型は、メインフレームに各種ロジックアナライザモジュールを組み込んで使います。業務内容に応じて最適なモジュールの組み合わせで使用できるので、汎用性・拡張性の高さがメリットです。1台のメインフレームのスロットに、複数のモジュールを搭載可能な機種が主流です。各モジュールにプローブを装着します。拡張フレームを接続すれば、さらにCHを増設することができます。


● 操作

操作は、画面に表示されたメニューと、対話形式で行うのでフロントパネルのツマミ類は少なく、ロータリーノブやカーソルキーくらいです。マウス・キーボードを外付けで使用することも少なくありません。


● 画面

ロジックアナライザ画面 ロジックアナライザ画面

画面は、測定画面と設定画面があります。

A) 測定画面
- 1. チャート表示:主にタイミング測定(ハードウェアの解析)で使用
- 2. リスト表示:主にステート測定(ソフトウェアの実行状態の追跡)に使用
B) 設定画面
下記の測定条件を設定します。
- 1. Format (Pod指定、表示順の指定、測定CHへ名前を付ける etc.)
- 2. サンプリング
タイミング測定:内部クロックのサンプリング周期(**s)を指定
ステート測定:外部クロックの指定・設定(複数の外部クロックを組み合わることが可能)
- 3.トリガ条件の指定
複数のパラメータ(項目)を組み合せたり、トリガ条件をプログラミングすることにより、データを絞り込んで測定することができます。

CH数が多いことに加えて設定項目も多いので、外付けモニタを接続して広い画面に複数のウインドを同時に表示させると快適に使用できます。


● 最近は・・・

近年、デジタルシステム全体が一つのICチップに載るようになり、ICチップに入出力される信号の数が減少しています。また、信号の高速化に伴いプローブ接続の困難さが増大しています。このため、多CHの本格的なロジックアナライザが使用される機会は減少傾向です。

代わって増えてきたのが、ロジックアナライザ機能を搭載したオシロスコープです。CH数が少くて、手軽に使えそうに見えますが、そうではありません。ロジックアナライザ機能の設定は本格的な多CHロジックアナライザと同じなので、ロジックアナライザ使用経験の無い人が使うには、ロジックアナライザ機能の設定を基礎から学ぶ必要があります。

ロジックアナライザの測定対象は、ハードウェアとソフトウェア(ファームウェア)の境界領域です。ロジックアナライザの使用者は、両分野を深く理解している必要があります。ところが、両分野をカバーできるエンジニアの数は限られています。ロジックアナライザを使いこなしている技術者の方々は、ハード・ソフトの両分野に精通したスーパーエンジニアといえます。



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