TechEyes

2018/02/21

市場動向レポート 「パワーデバイス (電力用半導体素子) と評価用測定器」2018年2月号 TechEyes Vol.27

パワーを扱う半導体であるパワーデバイスは、モータを搭載したエアコンや洗濯機など、家電製品から産業用の大型機械、電力変換装置など、さまざまなパワーエレクトロニクスの分野で使用されています。最近、フランス、イギリス政府は相ついで、2040年をめどにガソリン車、ディーゼル車の新規販売を禁止することを発表しました。中国政府も2019年以降、電気自動車(EV:Electric Vehicle)を中心とした「新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)」を一定割合で生産・販売するよう自動車メーカに義務付ける規制を公表したばかりです。EV化が時代の大きな潮流となり、EVに搭載されるパワーデバイスに注目が集まるようになりました。市場規模の大きい自動車での活用が進めば、パワーデバイスの市場もますます大きな伸びが期待されます。技術面でも、SiCやGaN※1といった新材料に、飛躍的な性能の向上が期待され、多岐にわたる分野に応用が広がりつつあります。

今号は、パワーデバイスを概観した上で、市場規模、動向、応用分野、パワーデバイスの技術と評価用測定器などに触れます。

※1 SiC:Silicon Carbide(炭化ケイ素)、GaN:Gallium Nitride(窒化ガリウム)

パワーデバイスとは

図1. 各種パワーデバイスのパワーと動作周波数領域

パワーデバイスは、インバータやコンバータなど電力変換器などに用いられるアナログ半導体素子で、容量(定格電圧・定格電流)に明確な線引きはありませんが、一般にはパワートランジスタというときは、1W以上のものを指します。次章で触れる経済産業省生産動態統計でも1Wで区分し、統計データが報告されています。私たちの感覚に即していうと、パワーデバイスというと、もう少し大きな数十W以上のパワーをもつデバイスをイメージしている方が多いのではないでしょうか。

図1は、パワーデバイス応用製品の動作周波数[Hz]と出力容量[VA]をX-Y座標軸に取り、各種パワーデバイスの応用範囲をおおまかにプロットしたものです。パワーデバイスには、商用電力のスイッチ・調光器などに使われているサイリスタやトライアック、小電力・低速動作のバイポーラトランジスタ、小電力ではあるが高速スイッチング動作ができるMOSFET、比較的大きな電力のスイッチングに適したGTO(ゲートターンオフサイリスタ)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などが挙げられます。

小電力のMOSFETやバイポーラトランジスタは、PC用電源ユニット、照明・エアコン・洗濯機・冷蔵庫など家電製品、中電力のIGBTは、産業用モータのインバータ、UPS(無停電電源装置)や太陽光発電のパワーコンディショナなどに使われています。EV/HV用のモータ駆動インバータにも、IGBTが使われます。産業用では、圧延ラインのような製鉄機械には大電力のIGBTやGTOが活用されています。


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