計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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ゲージ抵抗(げーじていこう)

(gauge resistance)ひずみゲージの電気抵抗のこと。ひずみゲージは与えられたひずみに比例してゲージ抵抗が変化するため、物理量である応力(ひずみ)を検出できるセンサ。

ゲージヒステリシス(げーじひすてりしす)

(gauge hysteresis) ひずみゲージ にひずみ増加減少のサイクルを加えたとき、ひずみの増加過程と減少過程において、ひずみ及び温度が同一であるにも関わらず指示ひずみが一致しない現象。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

ゲージ率(げーじりつ)

(gauge factor)接着されたひずみゲージのゲージ軸方向に加えられた一軸応力によって生じる抵抗変化率と、ゲージ軸方向のひずみとの比。K:ゲージ抵抗、⊿R/R:抵抗変化率、ε:ゲージ軸方向のひずみ、の関係式は、K=(⊿R/R)/ε。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

限界過負荷(げんかいかふか)

(Ultimate Overload Rating)構造上損傷を生ずることなしに加えうる最大過負荷(%)。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

顕熱(けんねつ)

(sensible heat)[湿度関連の用語]温度が上昇または下降するときに変化する熱のこと。 この対義語として潜熱がある。冷凍空調の分野では、物質を冷却や加熱するときは 顕熱と潜熱の2種類の熱が作用する。 顕熱とは、気体の温度に従って気体中に存在するエネルギー。気体の単位質量あたりのエネルギー。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より) 参考用語:エンタルピー

現場測定器(げんばそくていき)

(field measuring instrument) 主に屋外(フィールド)で使われるハンドヘルド(可搬型)の計測器を指す。代表的な製品は可搬型のデジタルマルチメータ。電気工事や、産業分野の設備の保守・点検で使用される測定器が、現場測定器と総称される。メンテナンス用測定器(保守・点検用測定器)とも呼ばれる。工場などの生産現場で、PA(プロセスオートメーション)、FA(ファクトリーオートメーション)の設備の故障・トラブルの防止対策、安全管理のための保守保全ツールも含まれる。毎年5月頃に開催されるJECAフェア(電設工業展)にはほとんどの現場測定器、メンテナンス用測定器が出展される。 現場測定器の計測器メーカといえば、まずフルーク(本社:米国)。同社ホームページの会社概要には「工業用電子機器の取り付け、保守、修理から、正確な測定、品質管理までFlukeのツールは世界中の会社を支援している」旨が述べられている(2023年11月)。同社の製品カテゴリーはDMM、電気のテスタ、クランプ、非接触温度計(サーモグラフィ、赤外線放射温度計)、オシロスコープ(ハンディタイプ)、プロセスツール(圧力校正器)などがある(2023年11月)。 国産では、1965年に国内初のクランプメータを製品化した共立電気計器が老舗で、絶縁抵抗計(メガー)などの電気工事市場向けの製品に注力している。現場測定器に特化して、ベンチトップの製品(レコーダやデジタルパワーメータ、オシロスコープなど)が少なく、国内より海外の売上が大きいため、日置電機や横河計測ほどのネームバリューはない。他には三和電気計器、マルチ計測器、カスタムなどが現場測定器のラインアップが多い。 横河電機はPA/FA/IA、工業計器(計装)の大手企業である。そのためプロセスツールを手掛けている。プラント内の計器の検査に使われる「電圧電流発生器&マルチメータ」で、横河計測のプロセスキャリブレータと呼ばれるモデルはトップブランドである。横河電機の計測器は横河計測に集約され、同社ホームページには次の順に製品群が掲載されている(2023年11月)。オシロスコープ(波形測定器)、パワーアナライザ(電力測定器)、データロガー(データ収集、DAQ)、光測定器(旧安藤電気の製品群)、校正器/標準発生器、現場測定器。現場測定器の内訳はプロセスキャリブレータCA300/CA500、圧力キャリブレータCA700、ハンディDMM、接地抵抗計などである。 電気工事関連で使われる通信計測器として、LANなどのケーブルテスタのフルーク・ネットワークスや、オンラインモニタ(プロトコルアナライザ)の株式会社ラインアイも、現場測定器メーカとしてJECAフェアの常連である。 空調向けの温湿度、風速などの現場測定器(環境計測器)に注力しているテストー(testo)はハンドヘルドのサーモグラフィも手掛けている。環境測定器とは湿度、温度、風速、騒音、日射などの測定器を指す。騒音計のトップメーカであるリオンには現場で使用するハンディ製品が多くあるが、現場測定器といういい方はあまりされない。一般社団法人日本能率協会が毎年開催するイベントのメンテナンス・レジリエンスにはプラント・メンテナンスショーがある。工場の保守用機器として、フルーク、testo、FLIR(フリアー)、日本アビオニクスなどの各社のサーモグラフィが出展される。 強電の電気設備である保護継電器の測定器(リレー試験器)や耐圧試験器をつくる双興電機製作所やムサシインテックもJECAフェアに出展する計測器メーカだが、現場測定器というより障害試験器に分類される。 上記以外にも現場測定器はあり、網羅した説明は難しい。 現場測定器は安価なモデルも多く、趣味の電子工作をする技術者も使う。秋葉原の電気街にある電子部品販売会社(ショップ)では現場測定器を販売している。東洋計測器は最も大手の計測器販売会社で、店頭販売以外にネット販売(ECサイト)も運営している。同社の本社にある計測器メーカ各社のショールームには国内10社、海外9社の計測器がメーカ別に陳列されている(2023年11月)。

高圧水素対応シース熱電対(こうあつすいそたいおうしーすねつでんつい)

ゼロエミッションにより、社会インフラとしての水素の活用が広がり、水素自動車のための水素ステーションが整備されようとしている。水素を供給するディスペンサーの流量は温度に関連するため、温度管理が重要になる。そこで、高圧水素対応シース熱電対が使われる。産業向けの熱電対メーカの山里産業株式会社では高圧水素タイプを2017年頃から開発を始めている。顧客と仕様打合せを行うオーダーメイド製品のため、たとえば船で水素を運ぶのか、自動車(タンクローリー)なのかによって、センサ形状や取り付け方が違う。前述のディスペンサーの温度管理など、様々なアプリケーションにカスタマイズで対応している。シース熱電対の中で高圧水素モデルの同社の売上比率はまだ5~10%程度(2022年初)だが、今後は、年々この比率が高まると見込んでいる。

広角レンズ(こうかくれんず)

非接触温度計(サーモグラフィカメラ、サーモトレーサ、熱画像計測装置)の用語。走査角を広げるため検出部に装着されるオプションレンズ。関連用語:近接拡大レンズ。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

校正機能(こうせいきのう)

(Calibration Function)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。別名:EU機能 (EU Function)。測定値は電圧値として読み取られるが、測定対象の加速度、圧力、音、などの信号の基準値が決まっていれば、電圧値を基準値に校正することにより物理量で読み取ることができる。例1:加速度ピックアップの感度が1m/s2 のとき100mVなら0.1V/EU(得られた電圧値を10倍)、単位を m/s2 にする。例2:マイクと音響校正器、騒音計の校正の場合は、パワースペクトルデータでオーバーオール(dB値)を校正値になるようにする。

校正用加振器(こうせいようかしんき)

加速度ピックアップを校正する機器。(=加速度ピックアップ校正器)

硬度計(こうどけい)

物の硬さを測定する機器。

コールドミラー(こーるどみらー)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)に使われている。可視光は反射して赤外線のみ透過するミラー。直視ファインダーを赤外光学系と同一光軸上に置く場合に使う。関連用語:熱線吸収ガラス 。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

黒体(こくたい)

非接触温度計(放射温度計、サーモグラフィ)の校正に使われる。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には次の解説がある。 入射される赤外線をすべて吸収する物体。完全放射体ともいう。黒体はまたその温度だけで決まる放射エネルギーを放射し、その値は黒体以外の同温度のどの物体よりも大きい。放射率は1と定義されている。放射率:同じ温度の物体と黒体との、同じ波長の放射に対する放射発散度の比。反射率:物体から反射された放射エネルギーと物体に入射する放射エネルギーとの比。 参考用語:環境温度補正

黒体炉(こくたいろ)

赤外線温度計の検査や校正に使用する機器。

混合比(こんごうひ)

(mixing ratio、humidity ratio)[水分用語]大気中に含まれる水蒸気量の表現の1つで、気象で良く使われる言葉。 「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」では次の説明がある。混合比とは、関係している空気中の乾燥空気の単位質量あたりの水蒸気の質量。無次元の比ではあるが、乾燥気体1kg(キログラム)あたりの水のg(グラム)数[g/kg]、あるいは他の質量単位で表されることが多い。水分含有量が少ないときは質量百万分率で表わされる。すなわち乾燥気体の質量の百万分の一単位で水蒸気質量が表わされる(ppmw、またはppm(w))。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より) 参考用語:比湿、重量/質量百万分率

差圧(さあつ)

2つの圧力の差を表す圧力。計測器としての圧力計にはゲージ圧、絶対圧、差圧など測定可能な圧力が仕様で謳われている。

差圧計(さあつけい)

差圧(2点間の圧力の差)を測定する機器。

サーマル(さーまる)

(thermal)サーマルは熱、温度のこと。計測器としては、熱を使った機器であるサーマルカメラ、サーマルレコーダなどの略称。

サーマルカメラ(さーまるかめら)

「サーマル(thermal:熱、温度)を検知するカメラ」の意味。サーモグラフィとほぼ同義。物体表面からの発熱を赤外線で検知して、温度分布として色表示するカメラ。温度のある物(や人)は赤外線を発している。それを検知するセンサがサーマルカメラには搭載されている。赤外線のエネルギーの強さは温度の高さに相関するので、赤外線の強弱を検知することで温度を計測することができる。ある範囲(2次元)で計測した温度に、画像処理で色を付けると視覚的に温度の分布になる。原理は温度ではなく赤外線を計測していることである。1点の温度を計測するのではなく面で温度分布を計測・記録する製品群を、サーマルカメラ(略して「サーマル」)と呼んでいる。監視カメラに温度検知機能が付加された海外製品が、SARS(サーズ)や新型コロナウイルス対策で普及したため、最近の数年間で急増した(発熱者検知用と称したサーマル製品は2020年度におよそ8万台が普及したとされる)。従来の非接触温度計測器である「サーモグラフィ」や「熱画像計測装置」よりも「サーマルカメラ」が、面で温度分布を測定する非接触温度計の通り名になりつつある。この機種群の先駆者で世界No1のFRIA(フリア)社は「サーモグラフィカメラ」「サーマルカメラ」という表現をして「カメラ」であるという主張が伺える。日本の計測器各社は「(赤外線)放射温度計」や「サーモグラフィ」「熱画像計測装置」などの表記で“「カメラ」ではなく「温度計、計測器」”という主張が伺える(「カメラ」という表現はエー・アンド・デイでは一部製品で使われている)。Fluke系の製品は総称では「放射温度計」と「サーモグラフィー」だが、製品の品名は「赤外線カメラ」や「サーマルカメラ」が多い。このように、放射温度計とサーマルカメラ(サーモグラフィ)の区別は、メーカ各社によってバラバラで、1点測定か、面で測定かは、名称や製品名からは判別できない。“サーマルカメラ(サーモグラフィ)も放射温度計である”という解釈で、1点測定モデルを「スポット放射温度計」と表記しているメーカもある。防犯カメラメーカやITベンチャー企業の製品名はサーモグラフィではなくサーマルカメラが多い。

サーミスタ温度計(さーみすたおんどけい)

センサ としてサーミスタ を利用した温度計。