計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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ATA(えーてぃーえー)

(AT Attachment、advanced technology attachment 読み方:えーてぃーえー、あた)。PCと外部記憶装置(ストレージ、HDなど)を接続するためのインタフェース規格。従来、標準的に使われていた規格のIDE(Integrated Drive Electronics)を1989年にアメリカ規格協会(ANSI)が正式に標準化した名称がATA。

ADSL(えーでぃーえすえる)

(Asymmetric Digital Subscriber Line)既存の銅線電話加入者線を使って高速データ伝送をする技術。直訳すると「非対称デジタル加入者線」。上り(端末から局への通信)と下り(局から端末への通信)の通信速度が異なる事から非対称といわれる。ADSLは固定電話のサービスとして1999年に商用開始され2000年代前半に普及が進んだ。ソフトバンクのブロードバンド・インフラ事業のひとつであるYahoo! BB(ヤフービービー)は2002年にADSLを使った格安通信サービスを開始した。それまでの日本の通信料金は北米・韓国などに比べて高く、世界一高額といわれてきた。「日本に安価で高速なネットワークができなければIT(情報技術)ビジネスは広がらない」という信念のもと、ソフトバンクは自らがキャリア(通信事業者)となってその様なネットワークの普及に邁進した(いまでこそソフトバンクはNTT、auに次ぐ携帯電話の通信事業者だが、当時はそうではなかった)。街頭でのADSLモデムの無料配布、NTT回線初期費用無料、などの過激なキャンペーンで、ヤフーBBの加入者は激増し、基幹通信の通信料金の価格破壊の元となった。普及から20年を経た2024年にはADSLはサービスを終了し、後継は(同様に普及が進んだ)光通信(正式には光ファイバ通信)となる。ソフトバンクは2018年5月に、ADSL各種サービスを2024年3月末で終了すると発表した。NTT東日本とNTT西日本も2018年11月に「フレッツ光」の提供エリアで「フレッツ・ADSL」を2023年1月に終了予定と発表している。 ADSLに限らずIPネットワークの普及を推進した通信サービス(FTTHやCATVなど)は、2000年代前半までの(SDHに代表される)高安定高額方式(ギャランティ型)とは異なりベストエフォート型と呼ばれた。そもそもインターネットは、送信したデータが確実に相手に届く事を保証していない典型的なベストエフォート型の通信システムとして導入された。これはキャリア側がすべての加入者に一定の仕様を保証する(その見返りが応分に高額な回線使用料金となる)のではなく、「最大8Mbps」などベストでの仕様を提示し、全ユーザにこれを保証しない。そのためキャリアはギャランティ型のように高額測定器を常時設備せず、全営業地域で最大通信速度を保証する訳ではないので加入者料金が安価になる、という構造である。これは昨今の金融商品の自由化で謳われている利用者の自己責任でサービスを選択する事に類似している。2000年代前半に導入が始まったベストエフォート型のサービスは現在では当たり前で、家庭のパソコンをWi-Fiにつないでも、日々の状況など環境によって通信速度は変化して遅くなる場合がある。 有線の通信計測器も、インターネットの普及によって(以前のように)高額な専用器を通信インフラの保守会社が設備しなくなった(というかできなくなった)。無線通信でも、2021年に商用開始した楽天モバイルは、無線通信や電話の装置は高額なため導入せず、パソコンとソフトウェアでその機能を行うことで、格安な契約料金を実現しているといわれる。計測器だけでなく、高額な通信機器も導入が見送られる時代となった。2022年現在、楽天モバイルの品質は決して良くない(筆者は2021年4月から使用している)が、今後知見を積んで、品質改善や新サービス開始につながることが期待される。 参考用語:SDH/SONETアナライザ 計測器情報:ADSLが品名につく製品の例

SPI(えすぴーあい)

(Serial Peripheral Interface) コンピュータ内部で使われるデバイス同士の通信に使われる規格の1種。モトローラ社によって提唱されたコンピュータ内部で使われる低速シリアル通信で4本の信号線を使ってデータを伝送する。 参考記事:自動車ECUのインターフェイス・・ECU内部で使われるSPIやI2C、情報系のLVDSなどを概説。シリアル通信についてはCAN、LINから最近のPSI5まで解説。

HDMI(えっちでぃーえむあい)

(High Definition Multimedia Interface) 家電やAV機器向けの映像・音声のデジタル・インタフェース規格。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を送受信する。PCとモニタとの接続にも採用が進んでいる。

HP-IB(えっちぴーあいびー)

(Hewlett Packard Interface Bus)計測器の自動計測を目的として、HP(現キーサイト・テクノロジー)がコンピュータと計測器を接続するためのインタフェース仕様として開発した。後に正式な規格として認証され、現在のGP-IB(General Purpose Interface Bus)の元となった。今ではHP-IBという呼び方はほとんど聞かないが、HPが計測器の世界的No.1メーカであり、最先端の開発をしていたことを伺わせる。

NICT(えぬあいしーてぃー)

(National Institute of Information and Communications Technology) 「国立研究開発法人 情報通信研究機構」。情報通信分野を専門とする日本で唯一の公的研究機関。JAXA(宇宙航空研究開発機構、ジャクサ)と同じく総務省が所管する、「研究開発の最大限の成果の確保」を目的とする「国立研究開発法人」である。 総務省が2020年から推進しているBeyond 5G(5Gの次、つまり6Gのこと)の研究などを行っているが、味覚センサ(バイオセンサ)の研究などもしている。 本部は東京都小金井市(JR中央線の武蔵小金井駅と国分寺駅の中間で線路より北側)だが、複数の事業所がある。たとえばワイヤレスネットワーク研究センターはNTT DoCoMoの研究部門がある横須賀リサーチパーク(YRP)内にあり、HAPS(携帯電話の基地局を高高度を飛ぶ無人飛行機に搭載し、従来より広範な移動体通信をする仕組み)などを研究している。 略語であるNICTの正式な読み方は「エヌ・アイ・シー・ティー」だが、世間では「ニクト」や「情報通信機構」と呼称されることも多い。

NCSLI(えぬしーえすえるあい)

(National Conference of Standards Laboratories International) 直訳すると国際国立標準研究所会議。 計量・計測標準や計測器校正分野の国際団体。日本NCSLIが毎年秋に開催する総会は、日本の計量・校正の大会で、東京・蒲田の大田区産業プラザで行なわれている(新型コロナウイルスの感染対策で2020年のNCSLI技術フォーラムは中止になった)。 日本NCSLI(National Conference of Standards Laboratories International - Japan)は、計量・計測標準、計測器校正、試験・計測分野の技術と管理を進歩させることを目的に、会員のボランティアにより技術フォーラムの開催を中心に活動を行っている団体である。 計量法に関係する国内のイベントは、隔年秋に開催されるINTERMEASURE (計量計測展、インターメジャー)がある。

FR2(えふあーるつー)

5Gの周波数帯域は、4G以前から使ってきた6 GHz以下(FR1:Frequency Range1)と24 GHzからミリ波を含むFR2の2つがある。

FCC(えふしーしー)

(Federal Communication Commission)日本語では、「(米国)連邦通信委員会」。米国では大統領直属の独立政府機関。通信・電波の規制を行う連邦政府の組織。米国の電話、TV、ラジオなどの事業の許認可権限をもつ。1934年に通信法によって設立。大統領が指名し上院議会が承認する5人の委員によって構成され、5年の任期で改選される。日本では総務省が行っている「周波数の割り当て」や、「無線機器・電子機器の規制」をする。EMCの内エミッション(電子機器からの電磁波の放出)は米国ではFCC規格に準じないといけない。国際的なエミッションであるCISPR規格とは別に、米国にはFCCがある。

fps(えふぴーえす(ふれーむぱーせっく))

(frames per seconds) 1秒間あたりに表示される画像(フレーム)数。数が大きいほど1秒間の動画を構成する画像が多いため、滑らかな動画になる。「フレームレート」や「撮影速度」と呼称され、表記は「コマ/秒」もある、動画の代表的な指標(単位)。 フォトロンやナックイメージテクノロジー(nac)の高速度カメラは、VGA解像度(画素数640×480ピクセル)で10,000(1万)fps以上のモデルが多い。2社はハイスピードカメラの代表的な国産メーカである。ハイエンド製品は米国のVision Research社(Ametekグループ)がトップブランドである。一般にハイスピードカメラというと高速で高額な製品であるが、数千fps以下の低速域で使われるモデルもあり、株式会社ディテクトは産業用途からスポーツまで幅広く販売し、売上を伸ばしている。同社の一番の売れ筋モデルHAS-U2のメーカ価格は95万円である。ハイスピードカメラは1千万円するモデルも珍しくはないので、ディテクトの低速域の製品群はフォトロン、nacとは位置づけが異なるハイスピードカメラといえる。 撮影速度は「フルHD(Full HD)で○○コマ/秒」、「最高撮影速度△△fps」など、前述のVGA解像度とは別の表現がハイスピードカメラメーカ各社のカタログには書かれている。各メーカは(他社と簡単には比較できないように)自社モデルの優位な仕様が目立つような表現をしている、と筆者には思える(一般に商品はそのように特長をPRするのは普通であるが)。fpsの定義は明瞭で、動画撮影の代表製品であるハイスピードカメラの仕様を示す最も基本性能の1つだが、各社製品の比較にはfps以外の基礎知識が必須である。 余談だが、ローデ・シュワルツ(R&S)のスペクトラムアナライザの主力モデルの形名はFPSxx(xx:数字)である。

MWE(えむだぶりゅいー)

(Microwave Workshop&Exhibition) 電子情報通信学会 APMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術の学術、産業、教育に関する国内最大級のイベント。MWEと略記されることが多い。パシフィコ横浜の展示ホール/アネックスホールで開催され、マイクロウェーブワークショップ(マイクロ波工学の初学者を対象にした基礎・入門講座、一流研究者が先端技術の発表を行う特別セッションなど)とマイクロウェーブ展 (Microwave Exhibition)で構成される。 展示会には主要なRFの計測器メーカが出展する(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツ、森田テックなど)。計測器としてはスペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータなどが出展する。無線給電や5G、6Gなどの最新の無線通信方式も技術展示される。当サイトでは2回、展示会を取材している。 MWEのHPによると、古くは1990年に池袋サンシャインシティで開催された記録がある。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催(リアルな展示会などは中止)となった。

MPEG(えむぺぐ)

Moving Picture Experts Group の略。映像データの圧縮方式の一つ。

LXI(えるえっくすあい)

(LAN eXtensions for Instrumentation) 計測器向けに規格化された通信インタフェース。国内メーカでは菊水電子工業がLXIと表記したモデルを見かける。菊水電子工業の製品総合カタログの用語集には次の記述がある。「LXI:Ethernetを利用した計測器向けに標準化された通信規格。この規格に従った計測器にはLXIのロゴ表示がなされている。規格化はLXIコンソーシアムという測定器業界の大手企業を中心とした非営利法人によって推進されている。」

LPWA(えるぴーだぶりゅえー)

(Low Power Wide Area)低消費電力、低コスト、長距離通信が可能(10 km~)、小データサイズ、低スループットという特徴がある。その中で大きく分けるとセルラー系のLTE-M、NB-IoTという規格と、携帯電話事業者でなくても誰でも使えるLoRa(ローラ)という規格の2種類がある。2018年から携帯電話事業者がサービスを開始した。

LVDS(えるぶいでぃーえす)

(Low Voltage Differential Signaling) 翻訳すると「低電圧差動伝送」。漢字の日本語よりLVDSという表現のほうがよく使われる。短距離のデジタル伝送技術。省エネ型のシリアル通信。低消費電力で比較的高速なインタフェースである。 1994年にANSI/TIA/EIA-644として標準規格となり、コンピュータ関連から採用が始まった。 LVDSは現在流行りのシリアル通信の基礎的な技術で、他の高速規格にも参考にされている。そのためシリアル通信の歴史を切り開いたといわれる。

LVTTL(えるぶいてぃーてぃーえる)

(Low Voltage Transistor Transistor Logic) 現在のICの主流である3.3Vを基準にしたデジタル電圧レベルのこと。TTL(5V)よりも動作電圧が低いという意味。2000年代まではでは電圧はTTLレベルが多かったが、ICの低消費電力化で、2010年代には3.3Vに移行した。LVTTLはCMOSレベルに近い電圧である。

エレクトロニクスショー(えれくとろにくすしょー)

毎年秋に開催される「IT技術とエレクトロニクスの国際展示会」CEATEC(シーテック)の2020年以前の展示会名。1960年代の高度経済成長期から始まったエレクトロニクスの大きな展示会で、エレクトロニクスを支えたマザーツールである電気計測器も毎年、多数出展された。「エレショー」と呼称され、1980年代には秋に開催するエレショーと12月開催のセミコンショー(現在のSEMICON Japan、半導体業界の展示会、デバイスから材料、半導体製造装置まで最新技術を展示)が2大展示会だった。エレショーは水曜日から土曜日まで4日間開催し、土曜日には家族連れで見学する社会人もいた。 CEATECなどのJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)が主催するイベントの運営を行う独立した組織は、一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会(JESA:Japan Electronics Show Association)という。ここにはまだエレクトロニクスショーという名称が残っている。

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