カテゴリー検索
索引検索
検索用語一覧
10件
各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。
- 回路計(かいろけい)
-
(multimeter、circuit meter)電子回路の基本的な物理量である電圧、電流、抵抗を測定する計測器のこと。電圧計や電流計のような単一の物理量だけの測定ではなく、複数に対応した計測器なので、別名、マルチメータ。マルチな(多種類に対応した)メータ(測定器)という意味。俗称ではテスタとも呼ばれる。 日本では別名、回路試験器(circuit tester)と呼ばれることもある。電気・電子回路を試験(テスト)する機器なのでテスター(tester)が通称。欧米ではmultimeter(マルチメータ)と呼ばれることが多いらしい(海外ではtesterは計測器全般を指すことばである)。 回路計は指示計器(指針が目盛盤上を動き、止まった位置を読み取るアナログ表示の機器)の1種といえる。外観は小型の立方体で、可搬型である。デジタル表示になると携帯に適した名刺サイズの薄型モデルもある。プロの電気工事士の必須のツールだったが、最近はデジタル式の計測器に置き換わっている。趣味の電子工作を楽しむ愛好家はほぼ1台は保有して、重宝に使っている。日本では「テスター」(またはマルチメータ)と呼称されることが多いが、正式には回路計である(ただしこの呼称はほとんど会話では使われない)。海外ではmultimeterなので、circuit meterは回路計を英訳した和製英語かもしれない。 JIS C1202 : 2000 回路計 Circuit Testersは冒頭に「直流電圧、直流電流、交流電圧、交流電流及び抵抗のうち、3種以上を測定するアナログ式及びディジタル式回路計と標準付属のテストリードについて規定する」とある。つまり、JISでは回路計はマルチメータと同義である。ただし、一般に回路計というと、アナログのテスタをイメージする人が大多数と思われる。
- 活線(かっせん)
-
(live wire) 電流が流れている状態の電線のこと。場合(使い方)によっては、反対語(対比)は「停電」になる。点検作業や故障修理などのため、電気がとめられている電線に対して、稼動しているという意味で使われる。 「活線」は英語ではlive wireやlive lineで、「生きている線」である。計測器で電気設備などを測定する場合は、通常は活線ではなく停電にして行う。そのため活線でも測定できる場合は特別にその旨が明記される。たとえば活線メガーは、(普通、絶縁抵抗計は活線では測定しないのに)活線で抵抗測定ができるので、そのような品名(名称)である。PV(太陽光発電)用のメガーは活線メガーといえる(PV絶縁)。 電力系統などの送配電線で、電気を止めずに(大電流、高電圧の状態で)点検・補修作業を行うことを活線作業(live-line working、hot‐line work)という。活線は「生きている、電流が通っている、ホットなライン」である。活線作業で感電する死亡事故がゼロにならないため、各種の団体が作業時の注意を喚起している(全国労働安全衛生センター、 厚生労働省 労働局長登録 教習機関の安全教育センター、経済産業省 産業保安監督部、など)。ビル新築現場において、照明用器具への配線変更工事で、天井内でケーブルを扱って作業をしていた工事員が、活線から停電に切り替えタイミングを誤り、死亡している。つまり送電線などの高圧でなく宅内の低圧でも死亡事故が起きる。 電源を通電状態でメモリなどを抜き差しできるホットスワップは活線挿抜と呼ばれる。 電流が流れている線材をセンサ部分で挟んで電流測定をするクランプ電流計やクランプセンサ(メモリレコーダのアクセサリに多い)やカレントプローブ(オシロスコープのアクセサリ)は、活線でなければ測定できないので(活線であることが大前提というか、当然なので)あえて「活線」などということは一言も説明はされない。計測器はその製品の使い方、つまりなぜその製品があるのかを知っていないと、関連用語を理解するのが難しい。 「活線」は主に、電気工事や電気機器の保守・点検に使われる現場測定器で使われる用語で、オシロスコープやスペクトラムアナライザのようなカテゴリーの計測器では使わない。
- 可変アッテネータ(かへんあってねーた)
-
(variable attenuator) 減衰量を可変できる抵抗器のこと。別名、可変抵抗減衰器やステップアッテネータとも呼ばれる。RFではアッテネータ、低周波では減衰器という品名が多い傾向があるが、明確な定義はない。
- 可変抵抗器(かへんていこうき)
-
(variable resistor) 抵抗の値を変えられる測定器。アナログ的に可変する摺動抵抗と、桁ごとの値をダイヤルで決めてデジタルな設定をするダイヤル式可変抵抗器がある。可変せず、正確な精度の抵抗値を保つのが標準抵抗器で、校正時に標準器として使用される。 似たモデルに可変抵抗減衰器があるが、こちらは減衰率を設定できる可変抵抗の1種である。 TechEyesOnlineの計測器ページでは、可変抵抗器や標準抵抗器は「電圧・電流・電力測定器」の中の「抵抗器」に分類している。
- 可変抵抗減衰器(かへんていこうげんすいき)
-
減衰量を可変できる抵抗器 。可変アッテネータやステップアッテネータとも呼ばれる。「減衰」を略して「可変抵抗器」と呼称されることも多い。
- ガルバノメータ(がるばのめーた)
-
(galvanometer) 日本語では「検流計」だが、ガルバノメータ(またはガルバノメータ―)という表現も書籍などの各所に使われている。電流を検出する精密な電流計の1種(アナログ式の指示計器)。メータの指針が振れることによって、電流が流れたことを知る目的で使われる。そのため何アンペアが流れたかではなく、回路が平衡して電位差が無いことを、微弱な電流が流れない(針が振れない)ことで確認する。ブリッジで平衡を確認するのに使われる。回路図で、ブリッジの中央に検流計のことを英字の大文字で「G」と記載しているのは、galvanometerの略記である。 18世紀のイタリアの解剖学者/生理学者で、神経と筋肉の研究を行い、カエルの足に電気刺激を与えると足がけいれんすることを発見(動物電気の発見)したGalvani(ガルバーニ)に由来する。 技術者はガルバノメータを略して「ガルバノ」ということも多い。
- カレントプローブ(かれんとぷろーぶ)
-
(current probe) オシロスコープやメモリレコーダなどと測定対象を接続するためのアクセサリ。電流測定用のプローブ。電流計のクランプ式のセンサ。別名、クランププローブや電流プローブ。 カレントプローブと電流プローブは同義で、電流測定用のクランプ式のセンサである。オシロスコープメーカは電流プローブ、メモリレコーダやデジタルパワーメータ、電力計のメーカはカレントプローブと呼称することが多いが、2000年代にオシロスコープに参入したローデ・シュワルツのRT-ZC31などの品名はカレントプローブである。日置電機には「CT6843A AC/DCカレントプローブ」などの多くのカレントプローブがあるが、BNC端子になっていてオシロスコープに直接入力できるモデルは「CT6700 電流プローブ」と、品名は電流プローブである。これらのモデルを掲載している同社HPの製品ページのタイトルは「プローブ(電流センサー/電流プローブ/非接触CANセンサー)」(2024年9月現在)なので、カテゴリー名では電流プローブが一般的である。
- カレントモニタ(かれんともにた)
-
クランプセンサと組み合わせてレコーダやオシロスコープに接続し、電流波形を記録・観測する機器。
- 簡易電力計(かんいでんりょくけい)
-
(simple wattmeter) 家庭や事務所の多くの電気機器の消費電力と積算電力を測定して、節電の目安にする目的で使われる安価な電力計のこと。商用電源のACコンセントに接続して、電力値をデジタル表示する小型の箱型の製品が、計測器から計量機器まで広くハンドヘルド製品をラインアップする株式会社カスタム(CUSTOM)から発売されている。簡易電力計は、一般の人を対象に作られた電力計であるため取扱いは簡単なものとなっている。たとえば校正対象でない製品もある。設置型の機器のため、可搬型の計測器としての圧力計(マノメータ)と、プラント内に設置してある圧力計(丸形で針が振れるアナログ式の指示計器が多い)の関係になぞらえると、簡易電力計は計測器とは言えないかもしれない。 このような製品は従来からあったが、一般家庭での省エネのニーズの高まりによって近年普及が拡大した。2000年代に工場などで電力使用量の管理(電力デマンド)が導入されたが、一般家庭にも太陽光発電が導入され、電力使用量の把握需要が増えたと推測される。
- 貫通型電流センサ(かんつうがたでんりゅうせんさ)
-
クランプのように開閉できない電流センサのこと。通常、電流測定はクランプで電線を挟み込むが、丸い輪が開閉せず、輪の中に電線を通して測定するものを貫通型と呼ぶ。開閉できるクランプよりも一般的には精度が高い。クランプを豊富にラインアップする日置電機が小型から大電流(2000A)まで揃えている(2023年2月現在)。CT68xx、CT69xxが最近の日置電機の貫通型の形名である(以前は貫通型電流センサは9709のように、形名は97xxだった)。名称に貫通型という表現ははなく、品名は「AC/DCカレントセンサ」。ただし「AC/DCカレントセンサ」という品名のクランプセンサもあり、名称ではなく外観を見ないと貫通型かは判別できない。 重電メーカではより大電流(2000A以上)を測定したい要望があるが、「クランプの日置電機」でも簡単ではないらしい。従来1000Aまでだったのを2000Aモデルを開発したのは最近(2019年)である。需要はあるがビジネスになるか(売上と開発コストの兼ね合い)が課題と推測する。
- ◀
- 1
- ▶