計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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水素発電所(すいそはつでんしょ)

水素を燃料とした発電所。従来の化石燃料(石油や石炭、LNGなど)を使う火力発電所のようにCO2を排出しないので、今後の脱炭素の実現に善くすると期待されている。2022年には国内初の水素発電所が商用運転する計画であることが報じられている。 従来の火力発電所は建設や保守に多くの電気計測器が必要だが、水素発電所も同様に運転・保守には計測器が欠かせない。 参考用語:カーボンニュートラ、ゼロエミッション

据え置き型(すえおきがた)

計測器の分類で、形状によるもの。大きく据え置き型と可搬型の2つがある。多くの計測器は据え置き型で、実験室や標準室に設置して、移動させずに使用する。計測器が精密機器であるゆえんである。据え置き型はベンチトップとほぼ同義。据置型とも表記される。対する可搬型は屋外での使用を前提に電気作業員が可搬して測定をする形状のもの。メガー(絶縁抵抗計)などは可搬型だけで据え置き型はない(安全規格の絶縁測定器は据え置き型)。可搬型はハンドヘルドとほぼ同義。

SCPI(すきっぴー)

(Standard Commands for Programmable Instruments)自動計測に使用される計測器のコマンドを統一して1990年に制定された。1999 年改訂のIEEE488.2-1999 規格に含まれている。計測器メーカが集まり策定された、測定器を制御するコマンド言語である。

スタンドアロン(すたんどあろん)

(standalone)IT用語でネットワークにつながっていない機器のことを指す(独立・孤立しているという意味)。計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。スタンドアロン型とモジュール型、PC接続型などである。計測器のスタンドアロンは、単体で動作するということで、通常は箱型をしていて、操作部と表示部がある。モジュール型はメインフレームとモジュールの組み合わせで使用され、単体の計測器では動作しない。測定器本体がただの箱で(操作部や表示部がなく)PCなどを接続して操作(制御)する外部制御タイプがPC接続型である。たとえばUSBタイプの計測器がこれに該当し、最近は増えている。コンピュータによる計測器の自動計測もPC接続型の1種である。スタンドアロンは、モジュール型や、PC接続型、自動計測と対比して区別するときに使われることば。「スタンドアローン」とも表記される。計測器はほとんどがスタンドアロンである。IA/FA用途のレコーダ(データロガー)でネットワークでデータ転送して使うことを主眼にした機種でも、単体(スタンドアロン)で使うことも十分可能である。計測器をスタンドアロンで使わない使用例は(台数などの)比率でいうと大変少ないといえる。

スタンドアロンモード(すたんどあろんもーど)

計測器を単体で(完結して)使用するモードのこと。もう一つ、PCにつなぎ、PCから操作して使う「PCリモートモード」がある。ほとんどの計測器はスタンドアロンモードで使うことが多く、またこのモードしかないモデルも多い。PCリモートモードは従来は「自動計測」といわれてきた。USBインタフェースの普及などによって、多くの機種がPCリモートモードを持つようになった(以前はGP-IBなどを使い、限られた高機能モデルだけが可能であった)。スタンドアロンとPCリモートの両方の機能があるモデル、どちらかの機能しかないモデルの2種類がある。東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」には次にようにある。PCを使用せずROMプログラマ単体で書込み等を行うことができる機能。操作は専用キーボードや本体のキーボタンで行う。同一データの連続書込みやPCを使用できない場所での書込みに便利。

ステアバイワイヤー(すてあばいわいやー)

(Steer-by-wire)自動車の運転制御システムの一種。従来の機械式制御に代わり電線(ワイヤ)の電気信号でステアリングを制御する。

ストリング(すとりんぐ)

(string) 複数枚の太陽光パネル(セルが集まったモジュール)を接続して構成した直列のブロックのこと。複数ストリングを並列にした単位がアレイ。セルやモジュールは電池で良く使う用語だが、ストリング、アレイは太陽光発電特有の用語。参考記事:【展示会レポート】JECA FAIR 2019(第67回電設工業展)。戸上電機製作所の太陽電池パネルの故障箇所を特定する測定器、ストリングトレーサ SPST-A/B 、セルラインチェッカ SPLC-Aを取材。

スマートグラス(すまーとぐらす)

目の前に映像を表示する携帯機器。スマートフォンに続く次世代情報端末と期待される1つ。

スマートメータ(すまーとめーた)

各家庭の使用電力量を計測している積算電力計の最近の呼び名。広義にはガスメータや水道メータも含まれる。電力の使用履歴やトレンドをデマンドと呼ぶ。電力の使用量をリアルタイムで監視し、その需要を予測することは電力会社の重要な仕事である。通信技術を使い、各家庭の電力量データを(人が検針して回るのではなく)収集することを目指し、2010年代に各電力会社は積算電力計のスマートメータへの置き換えを始めた。2021年現在、東京都内の23特別区はほぼスマートメーカ化が完了している。スマートメータの開発には、従来の電力関連計測器以外に、通信計測器も活用された。スマートメータのメーカは大崎電気工業、東光東芝メーターシステムズ、GE富士電機メーター、三菱電機、エネゲートなど。

スレッショルド(すれっしょるど)

(threshold) 日本語では「しきい値」といわれ、表記は「閾値(いきち)」もある。その値を境に上下で意味(判定など)が異なる値(境界値)のこと。電子機器を動作させているデジタル回路は2進数の0と1で表現されるが、1をH(High、ハイ)、0をL(Low、ロー)と呼び、HとLを確定するレベルをスレッショルドレベル(やスレッショルド)と呼ぶ。通常、レベルは電圧の値で規定している。 スレッショルドレベルは0と1の境界電圧だが、規格によって電圧値が異なる。TTLとCMOSのH/Lが同じ5V/0Vだったとしても、TTLでは0.8V以下をLレベル、2.0V以上をHレベルと認識するが、CMOSのLレベルは約1.5V、Hレベルは約3.8Vのため、両者を同じように使うことはできない(CMOSは5Vより低電圧の省エネタイプも多い)。 thresholdの本来の意味は「戸口の敷居」。そこから、敷居の高さをこえることで2進数を表現する、電気回路の「しきい値」となった。 「物事の入り口、出発(開始)点」という意味もあるため、「発端」から派生して、ビジネス用語としては「商談の始まりや信用調査」などをスレッショルドといっていることもある。thresholdが物理的な空間の入り口や境界を示すため、「ことが始まる最低限の点や、変化が起こる限界点」という意味に使われるようになった例である。 計測ではデジタル回路が多く使われているので、計測器メーカの資料には、しきい値やレベル(境界の電圧値)などを「スレッショルド」と表現する記述が当たり前のように出てくる。計測器では常識(基礎用語)といえる。

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