2024/02/22
オシロスコープはトリガを使って電子回路の挙動を測定する「波形の観測器」から、「信号の良否判定」、「デバッグによる不具合解決」、「通信規格のデコード表示によるバス解析」と、用途が拡大した。用途に合わせてトリガ機能も改良・強化した。本稿ではミドルクラスの代表的なモデルのトリガ機能を調べ、基本的な順番に整理して図表で概説し、用途や用語解説を添えた。各メーカによって名称が異なるトリガの種類を一覧表にしたので、具体的なトリガ機能の入門書となった。エッジトリガ、パルス幅(Pulse Width)トリガ、ラント(Runt)トリガ、ロジック(Pattern)トリガなどから、最近のシーケンストリガ(遅延トリガ、Bトリガ)、ウィンドウ(Window)トリガ、ゾーントリガ、シリアルトリガまでマニュアル掲載順に従い、基本的なトリガ機能から順番に解説した。
2022/11/14
TechEyesOnline編集部はオシロスコープ全体を俯瞰し、用途を周波数帯域別に整理した。ボリュームゾーンである1GHz帯域/4chの各社モデルの仕様と、シリアルバス解析機能を比較表にした。2000年以降のオシロスコープの新しい潮流(新しい機種群の出現)による、最近20年の歴史について概説した。利用者や使い方など市場の変化も簡単に述べた。オシロスコープはアナログ波形だけでなくロジック信号を観測し、プロトコルアナライザのようにシリアル通信の内容を翻訳表示し、特定の通信方式のジッタやアイパターンが規格に合致しているか、適合性試験(コンフォーマンステスト)ができるようになった。多機能になったオシロスコープの選定には、ユーザは自分のやりたいことの明確化と、ある程度の知識やスキルを求められるが、各メーカが多彩な製品群を発売しているので、利用者の選択肢は広がった。本稿が選定の一助になれば幸いである。
2018/03/07
テクトロニクス社から発表された8チャネル・オシロスコープ 5シリーズ MSOが好評だ。複数のアナログ信号・デジタル信号を統合的に測定・解析ができるだけでなく、12bitのADコンバータの採用により垂直分解能が最大で16bitまで測定可能にした。組み込みシステムやパワエレなど幅広い測定課題に対応ができる新しい基準のミックドシグナル・シグナルオシロスコープだ。5シリーズ MSOの概要、特長などについてテクトロニクス社にご紹介する。
2018/01/23
キーサイト・テクノロジー合同会社 (以下キーサイト・テクノロジー) が提供している汎用モデルのInfiniiVision 3000T Xシリーズが人気を博している。この背景には、汎用オシロスコープの技術革新が進み、不具合解析のアプローチが変わってきたことにある。
今回は、キーサイト・テクノロジーでアジアパシフィック統括マーケティング部門のマネージャーである堀部勝義氏に、不具合解析のアプローチとInfiniiVision 3000T Xシリーズが実現できることについて話を聞いた。
2017/12/21
計測器・測定器の基礎・原理レポートです。ファンクションジェネレータは、直流や超低周波の波形から数十MHzくらいまでの波形を発生できる製品が市場で多く使われています。エヌエフ回路設計ブロック、横河計測、岩崎通信機、キーサイト・テクノロジーなどのメーカーから提供されており、これら最近の製品はほとんどD/A変換器を使って複雑な波形を発生できるようになっています。今回は、エヌエフ回路設計ブロックの協力を得て、ファンクションジェネレータの歴史を触れながら、原理・構造から選び方・使い方などの基礎的な知識をご紹介します。