市場動向レポート 「家電の省エネルギーを支えるセンサ技術」2015年7月号 TechEyes Vol.12
注 : 本記事は、TechEyes 2015年7月号にて発刊された内容をそのまま掲載しておりますので、現在とは異なっている場合があります。
世界の電力需要は、人口増加と発展途上国の経済成長などにより、今なお増加傾向にあります。日本においては経済の安定成長期に入ったといわれていても、電力消費の増加は衰えをみせておらず、家庭内における電力消費も同様の傾向です。電力(エネルギー)消費増大にストップをかける省エネ技術やエネルギーマネジメントシステムの重要度はますます高まっています。
今号では、日本における家庭内のエネルギー消費をみていきながら、近年の省エネ製品を支えるセンサ技術とその開発を支える測定ソリューションをご紹介していきます。
日本の家庭におけるエネルギー消費
経済産業省資源エネルギー庁が毎年発表している「エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」を参考に日本の家庭におけるエネルギーの消費をみていきます。
図1は、最終エネルギー消費*1と実質GDPの推移を示したグラフです。1973年度から2012年度の最終エネルギー消費の推移は、全体の伸び率で1.3倍、家庭部門をみると2.1倍の伸び率です。もう少し家庭部門を詳しくみていきます。図2は家庭部門におけるエネルギー消費と世帯数の推移です。家庭内エネルギー消費は、「世帯当たりの消費量×世帯数」と考えられますので、1973年度から世帯数は約1.7倍となっていることから、世帯当たりの消費量は約1.2倍といえます。高効率の家電機器が普及しているものの、生活水準の向上により快適な生活が求められ、一世帯当たりの家電機器数の増加や大型化、多様化などにつれてエネルギー消費量は増加した結果となっています。これからの家庭内におけるエネルギー消費も増加傾向が予測されています。
*1 最終的に消費者に使用されるエネルギー量