2024/08/29
リレーは英語「relay」の造語です。意味は「受け継いで次につなぐ」です。日本語では「継電器」となっています。語源はラテン語とされており、フランス語を経由して15世紀頃に英語となったようです。本稿では、リレーの技術を概説します。最初にリレーの定義と歴史を紹介します。次にリレーの基本原理、分類、接点の構造・形状を解説します。電気機械式リレーの構造や回路図、外観から始まり、シングルステイブルやラッチングの動作、色々な種類がある接点(a接点、b接点、2a2b接点、4c接点など)を図解します。さらに、安全リレー、リレー駆動回路、およびリレーの動特性を概説します。リレーの駆動回路には、保護のためにダイオード方式やスナバ回路、アクティブクランプ方式などがあります。これらを回路図で説明します。その後に、リレーに関する不具合事例や、回路の遮断機能であるフューズ、特殊なリレーを紹介します。自動車に多く使われている各種のフューズを図や表で解説します。最後にリレーに関連した計測器の例を示します。
2024/07/30
本サイトでは、過去に製品の表面を加工する技術として「塗装」を紹介しました。「塗装」は主として樹脂材料等の塗料を塗布する方法ですが、材料の表面に別の金属を形成する手法として「めっき」が挙げあられます。身近のさまざまな用品や、自動車用部品において適用されています。本稿では、めっきの歴史や手法について概説します。最初にメッキの定義から始め、歴史、目的、めっき材料の特徴を紹介します。次に、めっきの種類を湿式法と乾式法とに分類した体系図を示します。その後に、各方式の概要について述べます。湿式法については、電気めっき、無電解めっき(置換めっき、化学還元めっき)を、乾式法については溶融めっき、溶射、気相法を概説します。気相法については、PVD(物理蒸着法)とCVD(化学蒸着法)の観点で複数の手法を述べます。また、プラスチック素材へのめっき適用や、ひっかけ、バレルめっきなどのめっき工法、硬さ試験などの評価方法、環境規制(RoHS指令など)について触れます。最後にめっきに関連した計測器の例を示します。
2024/06/28
本サイトではこれまで、自動車に関連する交通系の社会基盤、いわゆるインフラとして、道路※1、橋梁※2を紹介しました。その他の重要なインフラとして「トンネル」が挙げられます。トンネルには多くの有益性が期待されます。そのいくつかを列挙すると、例えば、自然環境を克服することによる移動距離と時間の短縮化、渋滞の緩和、地域間のアクセス性向上、道路建設と比較して自然景観や生態系の保護等があります。さらに交通系以外のインフラとして、電力や通信、上下水道などの機能も担っています。
※1 2023年3月27日公開 道路 ~ 社会インフラの基本
※2 2023年12月25日公開 橋 (橋梁) ~ 全ての橋は日本橋に通ず ? ~
本稿では、主として道路用のトンネルについて解説します。最初にトンネルの定義及び歴史、トンネルに関する各種の情報、日本におけるトンネルの数、総延長、トンネルに関するランキングなどを紹介します。大都市圏で増えている「大深度地下」の活用にも触れます。その後に、トンネルの建設工法について、主要な山岳工法、シールド工法、開削工法、沈埋工法を概説します。地盤を横に掘削する大型機械であるシールドマシンの画像や、掘り進めるやり方を図解します。最後にトンネルに関連した計測器の例を示します。
2024/06/06
光関連の専門展示会 OPIE(OPTICS & PHOTONICS International Exhibition)が2024年4月24日~26日にパシフィコ横浜で開催され、光や画像の計測器が出展されました。7つの展示会で構成されるOPIEから、多く計測器が出展されている「レーザーEXPO」と「光と画像のセンサ&イメージングEXPO」の3社をTechEyesOnline取材班(TEO)が紹介します。レーザーEXPOはレーザー学会が主催するレーザー技術総合展示会です。光計測器でレーザーといえば通信用途の波長可変光源の老舗 santec(サンテック)。光部品~光イメージング/センシングと幅広く光を扱う同社が今回は空間光変調器とスペクトル整形器を展示。LCOS(反射型液晶パネル)、SLM(Spatial Light Modulator)、波長選択スイッチ(Wavelength Selectable Switch)などのキーワードと利用分野を伺いました。光と画像のセンサ&イメージングEXPOは、光の専門メディア オプトロニクス社が主催する「センサと産業用カメラ」の展示会です。市場が拡大しているハイパースペクトルカメラにいち早く着目して取り扱いを開始したケイエルブイ。輸入品の製品テストを行う同社に「ハイパースペクトルカメラとは」から教わりました。また光デバイスでセンシングをするアンリツ センシング&デバイスカンパニーの波長掃引光源と、OFDR(光周波数領域反射測定法)による光ファイバ分布測定(ひずみ測定)を紹介します。
2024/04/11
自動車の安全・安心対策は自動車そのものを技術進化させることで高度化し、事故件数や死亡事故の発生を抑制してきました。一方、不幸にして事故が発生した際には、事故の発生状況を画像で再確認できる装置や、車両情報を収集し記録することで、事故発生状況の分析をより科学的に分析することが可能になりました。その代表例が、ドライブレコーダ、バックモニタ、EDR (Event Data Recorder) です。また、送迎車で散発している幼児置き去り事故の対応として幼児置き去り検知装置が義務化されました。
本稿では、先ず、自動車用記録装置が導入された背景を述べます。その後に、記録装置の代表例である、ドライブレコーダの出荷状況、装着率を紹介します。その後に、後退時車両直後確認装置の要件・装着率を、EDRについては要件について解説します。参考情報として、国連の相互承認協定における採用状況を紹介します。また、米国でのEDR導入状況について紹介します。置き去り検知装置の方式や要件・機能と事故自動緊急通報装置を概説します。最後に、自動車用記録装置関連の計測器を紹介します。