計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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ベクトル量(べくとるりょう)

(vector quantity)大きさだけでなく方向をもつ量。物理量にはベクトル量の物が多い。大きさだけの量をscalar(スカラー)という。インピーダンスや加速度などはベクトル量である。LCRメータが測定するインダクタンス(L)・静電容量(C)・抵抗(R)などの等価回路は複素インピーダンスといって、大きさと角度(方向)で表すことができる。参考用語:VNA

ペブロスカイト(ぺぶろすかいと)

(perovskite)ペブロスカイトとは灰チタン石のこと。灰チタン石と同じ結晶構造をペロブスカイト構造という。この結晶構造の材料を用いた新しいタイプの太陽電池が研究されていて、シリコン系や化合物系の太陽電池に劣らない高い変換効率が期待されている。どんな元素や素材からペブロスカイト構造を作るか、また量産方法など、各大学やメーカが研究し、成果を報告している。太陽光発電は再生可能エネルギーの筆頭として今後も新設が進むと考えられている。発電所の建設、保守には多くの計測器が使われる。

ヘルツ(へるつ)

(hertz) 周波数(frequency)の単位。電気の世界で電圧や電流、電力に次ぐ、最も基本的な物理量の1つ。記号[Hz]。ヘルツは時間の逆数。1H = 1/s(s:second、秒)。国際単位系のSI組み立て単位。 コンセントから供給される電源は交流50/60Hz。携帯電話に使われている無線通信の電波(キャリア)は数百MHz(メガヘルツ)~数GHz(ギガヘルツ)。もっと高い周波数のテラヘルツ波が、近未来の実用化に向けて研究されている。地震の長周期振動は周波数が低く1Hz以下の波である。橋梁などの構造物の振動もゆっくりで周波数(振動数)が低い。2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」では周期(固有振動数)1Hzの揺れが、古い木造家屋を多く倒壊したことが報じられている。このように電力や電波の周波数、地震波や音波の振動数など、周期的な波の度合いを表す単位である。「1周期の波の数」を日本語で「周波数」と命名したが、回転体の回転数も数/時間(単位時間当たりの回転数)なのでrps(rotaions/second)など、次元(単位)は周波数と同じ。周波数、振動数、回転数など、1/sの単位は複数の物理量で使われるが、ヘルツと呼ばれるのは主に周波数の事が多い。 ヘルツは、ドイツの物理学者で電磁気学で業績を残したハインリヒ・ルドルフ・ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz、1857~1894年)に由来する。 空気ばね式防振台のメーカで振動・音響測定業務も行う、ヘルツ株式会社の社名スペリングは(hertzではなく)HERZである。「ガス検知の遠隔監視システム」など、産業用ワイヤレス製品をつくるヘルツ電子株式会社の「HERUTU」も、周波数のヘルツとは無関係と思われる。

ベンチ(べんち)

(bench)作業台のこと。メーカが機器を作ったとき、その検査をする作業台には計測器が並ぶ。そのため、検査ベンチあたりどんなモデルが何台導入されるかは、計測器メーカが大変関心がある事である。以前は自動車の試作品は複数台あり、作業ベンチも同数あるため、1車種の開発には複数台の計測器が売れたが、最近は試作車は1台にして、事前のシミュレーションを活用するため、(日本の情報家電メーカが衰退した今では)活況な市場であるといわれる自動車でも従来のような計測器需要はなくなっているといわれる。

ベンチトップ(べんちとっぷ)

(benchtip) 実験室の机の上に置いて使う機器のこと。「据え置き型」とも表現される。直訳すると「 bench(作業台)の上」。「組込み」や「ラック式」と対比して使われる。ベンチトップ型 (benchtop type)/ラックマウント型(rackmount type)。また、サイズの違いで計測器を分類し、ベンチトップとハンドヘルド(片手で持って使える小型モデル)という表現もよくされる。 似た表現に「スタンドアロン」があり、ベンチトップで操作ボタンや表示画面があり、独立して1台で機能することを指し、PCなどを用意して制御しないと機能しないモデル(PC制御型)と区別するときに使われる。 参考用語:ポータブル、ハンディ、PC接続型簡易測定器、USB計測器

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