計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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固有振動数(こゆうしんどうすう)

(Natural Frequency)一般には、構造物が持つ特定の共振周波数のことで、この周波数に共振して構造物は振動してしまう(地震の時に平屋と高層マンションが違う揺れ方をするのはそのため)。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」には「固有振動数:変換器の無負荷時における自由振動数(Hz)」とある。

コンセント(こんせんと)

(electrical outlet) 屋内配線から電気を取るためにプラグを差し込む口のこと(和製英語)。 発電所でつくられた電力(電気)は変電所や電柱の変圧器を経由して各家庭に100Vの交流電源となって供給される。電気で動作する機器を動かすには電源ケーブルをコンセント(ACコンセント)に差し込んで機器につなぐ。日本では1か所のコンセントで同時に流せる電流は15A(ワット数は1500W)までとなっている。 海外ではelectrical outlet(電気の出口)やoutletと呼ばれる。英語の「concentric plug」を略したconcentが語源といわれる(綴りがconsentだとagreement:同意、になってしまう)。明治時代に輸入されたコンセントに円形をした物があり、その構造から「concentric plug」(同心円状のプラグ)と呼ばれた。その後、電気工事や設計者などは「コンセントプラグ」と呼称した。大正時代の電気配線の資料(規格)では「コンセントプラグ」という表記で、プラグとコンセントを組んだ両方のコネクタを指している。大正末に規程は改訂され、ケーブルの先についたコネクタの方を「プラグ」、壁に設置する方を「コンセント」と分けた。これでelectrical outletは日本では正式に「コンセント」となった。

コンパレータ機能(こんぱれーたきのう)

測定器の判定機能の1つ。PASS(またはGO)かFAIL(またはNOGO)の結果表示により、検査結果を素早く判定できる便利な機能。共立電気計器の用語集には次のように説明されている。基準値を任意に設定し、測定値と比較し、表示とブザー音で判定結果を知らせる機能。ブザー音はFAIL時PASS時どちらかの選択ができる。

コンプレッサ(こんぷれっさ)

(compressor) 圧縮空気を作り出すための機械。正式にはエアコンプレッサー(air compressor、空気圧縮機)。空気を圧縮し、高い圧力で吐出することで、様々な機械の動力源となる。たとえば屋外で工作作業をしている人(大工など)が使う釘打機の動力源。圧力の測定には当然、マノメータが使われる。メーカとしてはアネスト岩田や日立産機システムなどがある。 コンプレッサは屋台や露店で使う発電機のような携帯型の屋外機器で、計測器ではないが、計測器と併用される機器として、工事作業者などが使う。たとえば発電所には多くの配管があり水や空気がダクト内を流れている。エアコンに似た機器にチラー(chiller)がある。これは、水や熱媒などの液温を循環させて産業機器、計測機器などの温度を一定に保つための装置で、コンプレッサ同様に計測器と併用されることがある機器である。チラーやコンプレッサなどの計測器ではないが併用される機器は、計測器レンタル会社に在庫確認の問合せ(レンタル引き合い)がときどきあるが、計測器ではないので、ほとんどのレンタル会社は取り扱っていない。 計測器レンタル会社は工業用内視鏡(ファイバースコープ)を取り扱っているが、医療機器である胃カメラは在庫していないのと同じである。両者の基本構造は全く同じであるが、使い方はまったく異なっている。圧力を測定するマノメータと設置型の指示計器である丸型の圧力計も、前者は計測器だが、後者は圧力機器である。前者の例はMT300/CA700(横河計測)、DPI600(Druck、現Baker Hughes)、DMS-7A(株式会社日立ハイテク)などで、多くのモデルを計測器レンタル各社は取り扱っている。設置型の圧力計は(圧力を測定して表示する機器だが)計測器ではない。

校正対象(こうせいたいしょう)

(calibration target) 会社で保有している機器(設備資産)の内、具体的にどの計測器を校正の対象品にするかは重要である。ISO 9001などでは校正対象についての具体的な規定はなく、その会社のユーザ(使用者、管理者)が決めることになっている(ユーザによって計測器の位置づけや使用する理由は様々なので、一義的には決められない)。校正対象の規定の例を2つ紹介する。 例1.アナログの物理量を測定するものは、精度が規定されているので対象。デジタル系のモデルは対象外。 たとえば電圧を測定するマルチメータは対象だが、同じく電圧測定をしているロジックアナライザ(ロジアナ)は対象外。ロジアナは設定されたしきい値(スレッショルド)を元にLow/High(0か1)を判断して2値を表示する。決められているしきい値を元に判定するだけで、仕様に電圧の測定精度(誤差)はない(測定精度に元づき電圧値を表示するものではない)。経年変化によって測定値がずれることはあるが、Lowを誤ってHighと表示するようになったら故障なので、校正や調整ではなく修理となる。つまり校正の対象外である。プロトコルアナライザやICE(マイコン開発支援装置、デバッガ。アイスと呼称)もデジタル系計測器なので対象外。 例2.製品の検査(合否判定)に使うものは対象。 商品の品質(仕様に合致しているかなど)を評価して合否判定し、結果を記録に残し、場合によっては書類(成績書など)をエビデンスとして使うことを想定しているなら、校正の対象。測定した結果を目安として使用する(測定者によってばらつきがあっても良いとする)場合は対象外。 上記はあくまで例で、計測器ユーザが自社の状況に合わせて校正対象のモデルを決定して良い(ただしその根拠は、ISOの監査では確認されるので、理由を明瞭に説明できないといけない)。