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- CT(しーてぃー)
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(Current Transformer) 大電流回路の電流計測を行う場合に、絶縁した電流を得るために使用する変流器。日置電機にはAC/DCカレントセンサ CT68xxやCT69xxシリーズがある。クランプ式ではなく閉じた円筒形のトランス(貫通型と呼称する)で、小電流から大電流まで検出する電流センサである。CT6877Aはセンサ内径が80mmと大口径のため、電線外径31mm(断面積250mm^2)の電線が4本入る。貫通型センサとしては定格2000Aで周波数帯域DC~1MHzというトップクラスの仕様である(2024年7月現在)。同社のパワーアナライザ PW8001と組み合わせて、高周波・低力率な電力を正確に測定できることをPRしている。 このようにCTは貫通型電流センサなので、カテゴリーは電流計と同じ「電圧・電流・電力測定器」が妥当だが、DAQ(ダック)などのデータロガーのアクセサリ(電流検出用のセンサ)という位置づけで、「データ集録機器」に分類している場合もある(レコーダの老舗、横河電機の分類思想では電流計ではなく記録計の周辺機器である)。 オシロスコープのトップベンダ、テクトロニクスは多くのプローブをラインアップしているが、同社でCTといえば、AC電流プローブ(クランプ式の交流専用のオシロスコープ用のプローブ)の形名で、名称を「カレントトランス」と呼称している。日置電機にもオシロスコープで使える電流プローブがあり、CT6700はDC〜50MHzに対応(つまりAC専用ではなく交直両用のAC/DC電流プローブ)、CT6841Aはクランプ式の20A対応の電流プローブ(品名はAC/DCカレントプローブ)。 このように同じCTを形名にしていても、メーカによってAC専用かAC/DC両用か、またクランプ式か貫通型か、品名は電流プローブか電流センサか、カレントプローブか、など様々で、名称や形名からは仕様がまったく判別できず、製品カタログでの確認が必須である。まったく計測器はメーカの好き勝手な命名の世界(わかる人だけのニッチな村社会)である。形名はともかく、品名くらいは統一してもらえるとユーザにはわかりやすいが、品名こそメーカが他社と差別化する絶好のワードなので、統一されるなどということは永遠にない。 品名がメーカによって同じではないのは、各社が需要に応えて特長ある多彩なプローブをラインアップしているからである。パワーエレクトロニクスの進展によるプローブの高電圧化、シリアル通信の高速化による、より広帯域なプローブの開発など、プローブの進歩は日進月歩である。
- 指示計器(しじけいき)
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測定した量を指示する計器。計測器では電圧計、電力計、体重計など各種ある。指針が目盛盤上を動き、止まった位置を読み取るアナログ計器と、直接数字で表すデジタル計器がある。指針が指している値が測定値なので「指示値」と呼ばれる。通常は指示計器というと、目盛と指針で値を示すアナログ式を指していることが多い。たとえば10A(レンジ)の電流計は、電流の大きさに応じて指針が振れて、10Aのときに、最大目盛を指針が指すようになっている。
- 指示値(しじち)
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アナログ表示の計測器の測定値のこと。測定値を指示した値。アナログ表示の測定器とはメータ式の表示のこと。文字盤の上を針が動いて、測定値の場所で針が止まる。「針が指示している値」という意味あいで、電気計器では良く使われる表現である。 計測器に限らず、アナログのメータ(アナログ式の表示器)では「指示値」という表現が使われる。たとえば「パネルメータ」などと呼称されているアナログ表示のメータは受変電装置などの電機機器や、設置型の圧力計器など、広範に使用されている。オーディオ機器や音響スタジオの設備ではアナログ式の表示(メータ)であるVUメータが今でも多く使われている。 デジタル全盛時代だが、表示は針が振れるアナログ式が、見た瞬間におおよその値を把握できるので、人間にはデジタル表示よりもアナログ表示が優れている場合がある。たとえば現場測定器の代表であるハンドヘルドの絶縁抵抗計は、いまだにデジタル表示よりもアナログ表示が多い。
- シャント抵抗(しゃんとていこう)
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(shunt resistor) 電流検出を目的として電気回路で使う抵抗。電流を電圧に変換する精密抵抗。 shuntは「待避する」、「脇へそらす」の意味で、元は電流計に並列に入れた抵抗の事だった。(アナログ式の針が振れる)指示計器の電流計で、指示範囲を拡大する目的で使う。この場合のシャント抵抗は「分流器」である。 回路に直列に接続した精密抵抗(シャント抵抗)に電流を流し、抵抗両端の電圧降下から電圧を算出するのが「抵抗方式の電流-電圧変換」で、デジタルマルチメータ(DMM)はこの方式を採用している(バードン電圧)。電流を電圧に変換する方式には他にフォトダイオードの電圧検出に使われるTIA(トランスインピーダンスアンプ)方式もある。 (並列挿入による分流器としてではなく、)直列接続のシャント抵抗は、抵抗両端の電位差(電圧降下)を検出し、オームの法則から電流値を算出(測定)する、という電流検出を目的に使われることも多い。 参考記事:デジタルマルチメータの基礎と概要 (第3回) 「DMM測定機能と確度仕様」 ・・シャント抵抗による電流測定を概説。
- 摺動抵抗(しゅうどうていこう)
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(sliding resistance) 最も一般的な可変抵抗器の1つ。銅やニッケルなどの抵抗線で温度による抵抗値変動の少ないものを絶縁物に巻いたものをつくり、その巻き線に接触したレバーが動く構造をしている。摺動(しゅうどう)とは滑らせて動かすことで、レバーが動くと電気が流れる抵抗線の長さが変わり、抵抗値が変わる仕組み。別名:すべり抵抗器ともいう。英語から「スライド抵抗」や「スライド抵抗器」という品名のメーカもある。ダイヤルを回して出力電圧を可変するスライダックも摺動式である。摺動抵抗の抵抗値はレバーの位置の微調整によってアナログ的に変化するが、ダイヤル式でデジタルな抵抗値になるものをダイヤル式可変抵抗器という。 周波数変換器やトランスなどのメーカ、山菱電機などがつくっている。単芯と双芯のモデルがある。理工系の学生が行う電気実験では、アナログの指針型の電圧計、電流計、電力計などと共に最も使われている。摺動抵抗に電流が流れると発熱して熱くなる。エネルギーは熱になって消費されてしまう。機械的な構造の抵抗ではなく半導体素子を使った電気的な抵抗が電子負荷抵抗器(通称:電子負荷)である。さらに、電子負荷でエネルギーを消費せず、電源側に電力を返している(電源への吸い込み、回生)のが最近はやりの回生型電源である。回生型電源は電子負荷の機能を持つ電源である。
- 真空管電圧計(しんくうかんでんあつけい)
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(vacuum tube voltmeter)菊水電子工業のモデル164形の品名。真空管を使ったAC電圧計。前面パネルだけ見ると、上部が針の振れるメータ、下部は切替器のロータリーノブと入力コネクタで、まるで電気工作で使う小型の可搬型(ハンドヘルド)のテスタのようだが、奥行きがあるベンチトップ(据え置き型)の製品である。ほぼサイズが同じ後継品の164Dは真空管を半導体のトランジスタに変更している。 同社には164型の前身で107A形、111A形、117A形などの真空管電圧計のモデルがあった。1966年の同社のカタログ(ELECTRONIC TEST INSTRUMENTS & REGULATED DC POWER SUPPLY)にはそれぞれのモデルの価格として「正価:18,500円、24,000円、24,500円」と記載されている。菊水電子工業は現在ではベンチトップのDC電源などの計測用の安定化電源が主力製品の筆頭だが、当時は電圧計やオシロスコープのメーカだった。 以前は同社以外にも真空管電圧計をつくる計測器メーカはあり、1990年頃には理工系の学校の電気実験で使われていたが、現在はほとんど生産中止で、いまとなってはどんなメーカがあったか正確にはわからない。
- 瞬断(しゅんだん)
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(momentary interruption、power flicker) 電力の供給や、通信の信号が、一瞬途切れる現象。「瞬間的に途絶えるので、断線状態と同じ」という意味。本当に断線するわけではない。瞬停や瞬電とも呼ばれる。瞬断は電子機器にダメージを与えるので、大切な機器はUPS(無停電電源)によって保護されている。 似た現象の瞬低は、「電力系統のある地点における1/2周期から数秒の期間(1分を越えない)、継続する突然の電圧低下」で、「電圧ディップ」と呼んでいる(JIS、日本産業規格)。dipは「下がる」という意味がある。
- 瞬停(しゅんてい)
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(momentary interruption、power flicker) 熟語が示す通り、ごく短時間、「瞬間的に停電する」こと。短時間の定量的な定義はないが、電力会社ではおおむね1分未満の停電を指している。「瞬停」は「短時間停電」とも表現される。「短時間停電」はJIS(日本産業規格)で、「1分を超えない供給電圧の消失」と規定されている。 瞬停が起きると系統(ACコンセント)から電力を受けて動作している電気機器は影響を受けるので、データセンタや工場などはUPS(無停電電源)を常設している。送電線などの電力系統に雷が落ちると瞬停が発生し、家庭で使用しているPCなどは、バッテリの性能が劣化によって低下しているとpower offしてしまい、作成中のデータが消失することもある。 発音が同じ「瞬低」は意味が異なる。
- 瞬低(しゅんてい)
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(Instantaneous drop) 「瞬時電圧低下」のこと。瞬間的に電圧が低下する現象で、JIS(日本産業規格)では、「瞬低」のことを「電圧ディップ」と呼び、「電力供給システムのある地点において発生し、短時間で復帰する突然の電圧低下」と説明している。ACコンセント(電力系統)から電源供給されて駆動している電子機器には電源変動の許容値があり、仕様を越える瞬低があると機器の動作が不安定になり、電源を落として(power off)停止する場合もある。 電圧低下の定量的な規定(何ボルト下がったら、何秒間続いたら、瞬低か)はない。 dipは「下がる」の意味。 電圧がゼロになる(停電する)と「瞬停」や「瞬断」と呼ばれ、瞬低とは区別されている。
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