カテゴリー検索
索引検索
検索用語一覧
4件
各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。
- レイヤ1(れいやわん)
-
(layer1) 通信機能を階層構造に分割したOSI参照モデルは第1階層(物理層)〜第7階層(アプリケーション層)の7階層で規定される。第1階層(物理層)をレイヤ1(ワン)と呼ぶ。「レイヤ1計測器」(layer1 tester)はケーブルテスタ、OTDR、IDテスタなどで、通信線路(銅線や光ファイバ)の接続状態や物理特性(導通、損失、反射などの物理的な数値)を測定する。第2階層(データリンク層)、第3階層(ネットワーク層)は「プロトコルアナライザ(プロアナ)」、「オンラインモニタ」で評価される。 つまり、レイヤ1(物理的に正しい接続がされている、損失などの物理量が規定通りであること)が確立された後に、レイヤ2(具体的な通信規約)が確立される、という具合に手順を踏んでレイヤ7(具体的に使用されるアプリケーション)までが行われることで、通信は成り立っている。すべての通信規格は階層モデルに照らし合わせて表現される。レイヤ1をL1と略記することもある。同様にレイヤ2の機能がある通信機器にL2スイッチなどがある。レイヤ1はphysical layer(フィジカルレイヤ、PHYレイヤ※)を翻訳して「物理層」と呼ばれる。レイヤ1試験のことを物理層試験とも呼ぶ。 計測器の品名からはレイヤ1テスタかプロアナかは判別しにくい例も多い。たとえば「ケーブルテスタ」という名称で、プロアナの機能があるモデルもある。計測器は品名(名称)からは機種群や機能が特定できず、他社の同等品を探し当てることが素人には難しい。ユーザの仕様に合った計測器の機種を選定する作業は、広範な計測器の知識がある専門職の仕事である。元来、計測器は素人が取り扱うことは難しいが、近年は計測器の基礎知識がないユーザが増えている(以下の参考記事「アンリツのインタビュー」が詳しい)。 (※) physical(フィジカル)は「物理的な」という意味だが、OSI参照モデルの物理層の意味ではPHY(ファイ)という表記で通信規格になっている。モバイル機器向けの規格である「MIPI(ミピー)には、物理層によって規格が異なるA-PHY(エーファイ)、D-PHY(ディーファイ)などがあり、伝送速度や伝送距離が異なる。それぞれ適した用途(A-PHYは車載ネットワークに使われるカメラやセンサなど、D-PHYはスマートフォンなどのIoT機器)で使われている。
- レーザー(れーざー)
-
(laser) 「light amplification by stimulated emission of radiation」の頭字語(とうじご、acronym、アクロニム)。直訳すると「誘導放出による光増幅放射」。レーザー光は自然の光ではなくレーザー発振装置によって作られる。一般的な光(太陽光などの自然光や、蛍光灯などの人工光)は多くの波長(色)を含んでいるが、レーザーは特定の1つの波長を増幅する(単色)。指向性と収束性に優れ、高いコヒーレンス(可干渉性)があるため、様々な用途に応用されている。 赤い光が出るレーザーポインターなどが良く知られているように、「レーザー」はすでに一般的な日本語となっている。可視光だけでなく、それより短波長の紫外線、X線、長波長の赤外線のような光を出すレーザー装置もある。ミリ波より長波長のレーザーはメーザーと呼ばれる。 代表的な用途として、出力の大きいものは金属などを切断する加工装置になる。レーザー光が人の目に照射すると危険な場合があり、「危険」と書かれた黄色い警告ラベルが貼られている。レーダーのような探査や、望遠鏡にも使われる。公共の基幹通信網である光ファイバ通信システムにも使われている。つまり、高出力の加工装置から、通信用まであり、一口にレーザーといっても使い方によって市場がまったく異なる。 計測器としては、光通信測定器の光源の中に、レーザー光源がある。レーザー距離計はレーザーを使った距離の測定器だが、ゴルフ用に距離を知るためのレーザー距離計も販売されている(こちらは計測器というよりゴルフ関連商品である)。 日本語の表記は「レーザー」と「レーザ」の2つがあり、各企業や団体によってどちらかが使われている。外来語のカタカナ表記の指針(文部省)に従えば、「レーザ」が妥当だが、「レーザ○○」ではなく「レーザー○○」という表記が一般的に多く使われている(以下の参考用語など)。 例: ・一般社団法人 レーザー学会:(LSJ:The Laser Society of Japan) 1973年設立。「レーザ」でなく「レーザー」である。毎年4月に開催されるOPIE (OPTICS PHOTONICS International Exhibition)の構成展示会「レーザーEXPO」を主催。 ・レーザ協会:(The Japan Society of Laser Technology) レーザ加工装置の普及のために1972年設立。こちらは「レーザー」ではなく「レーザ」。展示会は、Photonix(フォトニックス、光・レーザー技術展、主催:RX Japan株)、InterOpto※(インターオプト、光とレーザーの科学技術フェア、主催:オプトロニクス社)に協賛。 ※ 光測定器は、1980年代にはInterOptoに多くの計測器メーカが出展していたので、年配のレーザー関連技術者には馴染みのある展示会である。オプトロニクス社が1981年に創刊した月刊OPTRONICSは、多くの光(レーザー)関係の技術者に購読されている。 ・日本鍛圧機械工業会:1948年設立。レーザ加工機の規格を策定。「レーザー」でなく「レーザ」。レーザ加工機なので、レーザ協会と表記を合わせたと推測。 このように学会とレーザ加工機の協会で表記が異なっている。メーカ各社の表記も統一されていない。筆者は「レーザ」より「レーザー」の方がやや多いと感じる。
- レーザーダイオード(れーざーだいおーど)
-
(laser diode) ダイオード(半導体)によってレーザー(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation、誘導放出による光の増幅)の光を出すので、日本語では「半導体レーザー」。略記はLD。電流に比例したレーザー光が出る、光素子。電気を光に変換するのでE/Oコンバータとして使われる。波長や位相の性質が全く同じ光が取り出せるため、干渉性が高い(コヒーレント)光である。レーザーやLDなどの発光素子と、受光素子であるPD(フォトダイオード)によって、基幹通信網の高速・大容量化(光ファイバ通信)が実現された。 計測器としては、光測定器(光通信測定器)の安定化光源に、LD光源とLED光源がある。LD光源はLED光源に比べて高額だが出力は大きいという特徴があり、両者は用途によって使い分けられる。波長可変光源はチューナブルレーザー光源などのLDを使った計測器が2000年代までは各社(キーサイト・テクノロジー、santec、安藤電気、アンリツなど)がつくっていたが、現在はライアップが減っている。 LDと書くと、オーディオ・映像機器のLaserDisc(レーザー・ディスク)の略記でもある。直径30cmの光ディスクに両面で最大2時間の映像を記録できるので、1980年代にはオーディオメーカのパイオニアのLDプレーヤは一世を風靡した(個人宅での映画鑑賞に最適だった)。DVDの普及により現在はLDもLDプレーヤも過去のものとなった。記録媒体の進化によるメディアの変遷は早く、特にオーディオの世界は生産中止になった古い規格による資産が個人宅に山のように眠っている(DAT、ベータ、VHS、MDなどなど)。 参考記事:「光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第1回)」光ファイバ通信システムの構成図がある。 計測器情報:品名に「レーザーダイオード」が付く製品の例
- レシーバ(れしーば)
-
(receiver)有線・無線通信で受信機や受信部品のこと。受信データはRx( Received data 小文字のxはデータの意味)と略記される。レシーバ(受信機)をRxと記述している例もある。
- ◀
- 1
- ▶