2026/04/28
自動車を構成する主な素材※1は、EV車を除いて、成分で分類すると金属、樹脂(プラスチック)、ゴム、ガラス、繊維、塗料ですが、自動車を動かすためには、自動車全体に対する重量の割合は低いですが、燃料やオイルを始めとした液体は不可欠です。燃料がなければ、エンジンを動かすことはできません。また、エンジンオイルが不足すれば故障につながります。つまり、自動車で使われる液体はエンジンの性能、信頼性、安全性に直接関係します。自動車は1900年初頭から大量生産が始まり、技術進化していますが、自動車の技術を支えているのは「液体の技術進化」と言えます。本稿では、自動車で使用される液体について解説します。まず、自動車で使われている液体の歴史について概説します。次に、液体について、色々な観点の分類(成分ごとの分類、用途別の分類、物理特性による分類、液体の搭載量)で整理します。そして、代表的な液体の成分(ガソリン、エンジンオイル、ブレーキフルード、エンジン冷却水、エアコン冷媒、ウォッシャー液、尿素水、グリス)について、成分や特徴を解説します。さらに、関連する技術として、石油精製プロセス、ピストンリング、ガソリンスタンド関連について触れます。最後に自動車で使われる液体に関連する計測器を紹介します。
2026/03/04
2025年11月19日~21日、東京ビッグサイト東4~6ホールでIIFES2025が開催されました。オートメーションに力点が置かれ、三菱電機、オムロン、安川電機などのFAメーカが大きな出展をする中、TechEyesOnline(TEO)は計測器に着目し、メーカ2社を取材し、その他メーカを写真で紹介します。パワーアナライザをシリーズ化してきた日置電機は、車載を視野にポータブルのPW4001を発売しました。モータ予知保全を軸電圧測定で行うなど、他社にはない特長を紹介します。PCオシロスコープの老舗、Pico Technologyはシリーズを増やしています。リアルタイムオシロスコープでポケットサイズからGHz帯域、高分解能/低ノイズ、8ch、またサンプリングオシロスコープで33GHzと、スタンドアロン同等のラインアップです。USBの性能向上によるPCオシロスコープの進化を伺いました。
2026/02/26
近年、自動車の駆動手段は多様化が進でいます。EV化(純電気自動車)への強い傾注から現実的な選択肢を採用する動きとなっています。多方向性への変化は様々な要因を挙げられます(私見ですが)、電池コストの高止まり、補助金終了による価格ギャップ、冬季性能の劣化、電力確保等々です。ただし、現時点の動向は純内燃機関※1への回帰ではなく燃料系の内燃機関が再評価されていると理解すべきです。その例として、EVの最重視から、電動化したエンジンとしてのHEVやPHEV※2、エコ燃料対応エンジン等々の採用が拡大傾向です。今回は、主に自動車用途として開発された内燃機関(以降エンジンと表記)の基本構造とは異なる「変わり種エンジン」を紹介します。なお、量産車への適用がなされず、研究開発に留まったエンジンも含まれています。また、紹介する変わり種エンジン以外にも多くの方式や構造が提案されています。変わり種エンジンを紹介する分類の観点については、重複する事項や他の分類に振り分けるべきではとの指摘があるかもしれないことを予め了承してください。
本稿では、まず、エンジンの基本的な種類について、往復運動と回転運動との観点で概説します。その後に変わり種エンジンを気筒配置、構造や燃焼方式の観点で紹介します。次に、今後の展望について、「内燃機関がなぜ今後も生き残るのか」、「EV時代に評価されるエンジン」について筆者の私見を述べます。紹介しきれなかった「変わり種エンジン」を紹介するサイトも記述しました。最後に変わり種エンジンに関連する計測器を紹介します。
2026/01/27
自動車は、多くの法令に準拠して開発、生産、販売されています。自動車は人命と直接的に関係する安全性はもとより、環境などに対する制約を受けます※1。仮に、違反が判明すると、企業イメージの低下を来すだけでなく、状況によってはリコール※2の対象となることにとどまらず、賠償の対象となり得ます。本稿では、自動車の認証について概説します。まず、車両認証制度について、歴史的な背景や対応について述べます。その後に、車両認証の流れを解説します。車両認証の規範である関係法令と審査規程の内容を記述します。次に、認証業務について国の代行機関(指定代行機関)である自動車技術総合機構(NALTEC)の業務概要や保有設備を紹介します。また、車両認証に関連する今後の動きについても触れます。最後に認証に関連する計測器を紹介します。
2025/10/27
自動車用エンジン※1の「過給機」から何を連想するでしょうか。自動車用エンジンの過給機として採用されているのは主として「ターボチャージャ(turbocharger)」と「スーパーチャージャ(supercharger)」です。ターボチャージャは一般的に、「ターボ」で聞き覚えがあると思います。ターボチャージャは排気ガスのエネルギを再利用しエンジンの効率を高めるための装置です。過去には、エンジンの動力性能を高めることが主な目的で高性能な車両に適用されていましたが、近年は燃費の改善など、カーボンニュートラルへの対応手段として採用が増えています。なお、過給機としては、「ターボ」が主流となっています。本稿では、自動車エンジン用の「過給機」を中心に解説します。先ず、過給機の役割、過給機が搭載されていないエンジンとの比較を概説します。次に過給機の歴史について年代ごとに紹介します。その後に、過給機の分類と主要な種類である、ターボチャージャ、スーパーチャージャについて解説します。併せて、過給機の比較を行い、過給機に関連した技術(ウエイストゲートバルブ、インタークーラ、ターボラグ、アンチラグ)についても触れます。最後に過給機に関連した計測器を紹介します。