計測関連用語集

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MSO(えむえすおー)

( Mixed Signal Oscilloscope) 現在の汎用オシロスコープ(オシロ)の代表的な機種群。従来オシロはアナログ信号を観測するものだが、I2Cなどの低速デジタル信号も観測できるデジタル入力付きが、ミドルレンジクラス以上では主流になった。MSOとはアナログとデジタルの両方の信号を観測できるという意味。古くはキーサイト・テクノロジーが自社オシロの特徴の1つとしてデジタル入力がオプションなどでできることを「ミックスド・シグナル」という表現をしていたが、このコンセプトをMSOというオシロの1つのカテゴリーとして確立したのはテクトロニクス。現在はオシロのモデル番号(形名・型式)やモデル名(品名・名称)に普通に使われている。たとえばテクトロニクスの「MSO3034 ミックスド・シグナル・オシロスコープ」など。横河計測の最新オシロDLM3000シリーズの品名は「ミックスドシグナルオシロスコープ」である(2020年7月現在。従来の形名「DL」を「DLM」にして、MSOであることをアピールする形名にした。)。

MDO(えむでぃーおー)

(Mixed Domain Oscilloscope) スペクトラムアナライザのオプションを持つオシロスコープ(オシロ)のこと。MSO(ミックスド・シグナル・オシロ)に倣って周波数軸(ドメイン)もあるというネーミング。テクトロニクスがオシロの形名にはじめて使用し、MDO4000Cシリーズ、3シリーズMDOなど、ミドルクラスのモデル名にはMSOかMDOを形名に使っている(2023年7月現在)。中華系オシロスコープメーカのGood Will Instrument(グッドウィル)もオシロの形名に使っているが(MDO-2000Eシリーズ)、それ以外のメーカでは見かけない(2023/7月現在)。Mixed Domainというフレーズには筆者は多少、違和感を覚えるが、テクトロニクス、Good Will以外のメーカもそうなのかもしれない。 最近のオシロは高機能化している。信号発生器などオシロ以外の測定器のオプションを揃えるモデルもある。MDOは多機能化を象徴する形名といえる。2023年1月に当サイトが実施したアンケート調査で、「オシロで使っている他の計測器の機能は?」という質問に、スペアナという回答は14%だった。つまりMDO機能の使用率は低いといえる。 みんなの投票 第2弾 オシロスコープの使用状況&主要メーカ比較記事[投票結果] (Question 7 で「オシロ以外の機能」を質問) ADコンバータを従来の8ビットから12ビットにした高分解能オシロスコープが2010年代には増えたが、これは高機能化というより、従来から測定できていた電圧の値が、実は安価なDMMよりも精度が悪かったのを改善した、ということである。なので、DMMの機能を取り込んだ高機能化という解釈もあるようだが、筆者はそうは思わない。 1945年に創業し、翌年にはトリガ式オシロスコープを商品化したテクトロニクスは、長らく世界No.1のオシロメーカで、現在もトップである。同社はTDS、DPO、MSO、MDOなど、新しい機能のオシロのモデル名・品名を作ってきた。MSOという形名を使ったのはテクトロニクスが最初だが、ミッスド・シグナルというワードはキーサイト・テクノロジーが1990年頃から使っていたワードである。

MIPI(みぴー)

(Mobile Industry Processor Interface)モバイルデバイス(やモバイル機器)向けのインタフェース規格。カメラやディスプレイに採用されている。通信方式は平衡(差動)。物理層に次の2つの規格がある。D-PHY(ディーファイ、最大1.0Gbps/1レーン)、M-PHY(エムファイ、最大6Gbps/1レーン)。2003年に設立されたMIPI Allianceが規格を策定。シリアルインタフェースの1種だが、HDMIやDisplayPortと同じような映像規格の1つともいえる。読み方は「ミッピー」と表記している例をみかけるが、会話では「ミピー」と発音されている(聞こえる)。MIPI用の計測器としてはバスアナライザなどのプロトコルアナライザがあるが、オシロスコープのオプションで解析ソフトウエアがあるものもある。キーサイト・テクノロジーは2010年頃にはロジックアナライザでMIPI信号の解析ができたので、広義にはロジックアナライザの用語でもある。

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