計測関連用語集

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HART(はーと)

(Highway Addressable Remote Transducer ) フィールド機器などのプロセス産業に採用されているデジタルデータ伝送の世界規格。4-20mAのアナログカレントループを利用するため、既存のアナログ設備を流用してデジタル化でき、普及した。HART協会(HCF:HART Communication Foundation)がプロトコルを規定。フィールドバスの1種。計装の世界で普及しているアナログ通信手法である4-20mAは直流のため、これに交流のデジタル信号を重畳することで、デジタル伝送を実現する。デジタル信号には温度などの検出器の測定値だけでなく、シリアル番号などの機器情報も伝送されている。このような「4-20mA信号にデジタル信号を重畳して、多数の信号を伝送する手法」が、各計装メーカで始まった(スマート通信と呼ばれた)。各社が独自の方式を導入したので、業界標準が提唱されHARTができた。たとえば横河電機は自社製品の専用通信プロトコルBRAIN (ブレイン)を1970年代から導入している(たとえばBRAINターミナルなど)。ただし最近はHARTやPROFIBUS(プロフィバス)などの標準フィールドバスにも対応している。

PAM3(ぱむすりー)

(Pulse Amplitude Modulation 3-level) 伝送する信号を3つの電圧レベル(+1/0/-1)で規定している信号方式。従来のPAM2(+1/0)に比べ伝送効率が高められる。車載Ethernet規格の100BASE-T1では、EMC対策としてPAM3を採用している。光海底ケーブルで導入されている400Gbpsの高速通信にはPAM4が採用されている。 このように、従来、NRZなどの2値で符号化していた伝送方式が、ギガビット級の高速通信では、3値、4値にして、データ送信の性能を向上させている。デジタル伝送の品質評価に使われるアイパターンもPAM3やPAM4に対応した高機能なオシロスコープ(主に広帯域オシロスコープ)が登場している(以下のテクトロニクスの参考記事に例がある)。 符号化が2値のときはbps(ビット/秒、1秒間に伝送できるデータ量、ビット数)とbaud(ボー、1秒あたりの変調回数)は等しかったが、3値以上になると同じではなくなる。従来のデジタル伝送ではbpsを指標にすることが多かったが、PAM3やPAM4を評価するオシロスコープではbpsでなくbaudを指標にしている(以下のキーサイト・テクノロジーの記事を参照)。 計測器情報:PAM関連の製品例

PAM4(ぱむふぉー)

(Pulse Amplitude Modulation 4-level) 翻訳すると「4値パルス振幅変調」。代表的なデジタル通信のNRZ信号などは、0と1の2値で伝送している(PAM2)。400 Gbpsのような高速通信では00~11の4値で伝送する手法が主流となる。超高速伝送が研究され、PAM4という信号方式が規定されるようになった。近年規格化された車載Ethernetの100BASE-T1は、EMC対策としてPAM3を採用している。このように従来の0/1だった信号方式は、ギガビットクラスの高速伝送では3値、4値の方式になっている。

パラレル通信(ぱられるつうしん)

(parallel communication) 複数本の信号線で伝送する方式。「パラレル伝送」や「パラレルインタフェース」などとも呼ばれる。コンピュータ関連のバスによく使われる。規格の例は、ISA、ATAPI(アタピー)、SCSI(スカジー)、PCIなど。セントニクスに代表されるように、1980年代にはパラレル伝送が多かったが、2000年頃からの情報家電製品への高速シリアル通信の普及によって、現在はパラレルよりシリアルの通信方式が流行りである。 技術の進歩によって伝送速度が速くなり、複数本のデータバスでなく1本の通信線でも十分に高速な伝送が可能になったことが背景にある。パラレル通信方式は複数本の通信線が必要なので高価だが、昔はそうしないとデータをたくさん送ることができなかった。伝送速度を速くするより、通信線を複数本にすることで、全体としての伝送速度を速くしていた。ただしクロックを送る制御線は、すべての通信線と同期させる必要があり技術的に高額になる。 CPUなどのデータバスはパラレル通信だが、2つのバスをつなぐとき(たとえばあるCPUが稼働しているプリント基板から、違うCPUのプリント基板にデータを送るなど)、パラレルからシリアルに変換して高速シリアル通信し、受信側では反対にシリアルからパラレルに戻すやり方が主流になっている。これをSerDes(サーデス)やシリアライザと呼ぶ。このようなインタフェース変換の手法が使えるのも、シリアル通信が高速にできるようになったためである。 parallelは並列、平行、並行などの意味。

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